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第21章 助手のドラゴン
第125話 射程を伸ばす
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「今日は呪文翻訳学の四回目です。射程についてやります」
三回目の時と同じ呪文と翻訳した物をミニアが黒板に書いた。
メイリーンを探すとやはり居る。
裏で何か画策してそうなんだよな。
暗部からはまだ報告はない。
「では射程を伸ばす方法を話します」
生徒から拍手が起こる。
随分と人気の授業になったものだ。
「呪文の『ラスコニカガフワワワムレ』という文言に『フワワワ』という言葉があります。これは2000ですね。ここの数値を大きくすると射程が伸びます」
おお、という声が上がる。
「翻訳した『魔法、動かす(モセ,軌道データ,軌道データの長さ);』という行に注目して下さい。軌道データの長さと翻訳されてますね」
生徒が頷く。
「軌道データの長さは『トニツイラハゆラスコニカよ』という文言です。実はこれ『フワワワ』という言葉に置き換えられるのです」
「なんだって、九文字も呪文が短くなるじゃないか」
「しかしですよ。置き換えてしまうと、不都合な事があります。冒頭の『軌道データ『ラスコニカ』が挨拶;』というところで『フワワワ』が決まっています。ここを変更したら下の二箇所の呪文を変更しなければいけないのは不便です」
なるほどと生徒が相槌を打つ。
「変更し忘れは魔法の暴走を呼びます。こういう所が呪文改造が禁忌と言われている所だと思います」
「そこで『トニツイラハゆラスコニカよ』に話が戻ります。『トニツイラハゆラスコニカよ』を詳しく翻訳すると『長さ判定神トニツイラハにラスコニカが挨拶』となります」
「『トニツイラハ』というのは神の一柱だったのか。これは呪文学の革命だ」
「『トニツイラハ』に挨拶すると長さを返答してくれます。射程を変更する場合は冒頭の部分だけを弄りましょう。暴走を恐れない人は『トニツイラハ神』に頼らずに呪文を短くして下さい」
また何時ものように教室の中央に道が出来る。
「今日は短縮詠唱は使いません。では行きます。ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・ソクチス・ラガフワワワムレ・モチキニソ・けモセレ・モセほハニスイろコチリリろモチノイゆエよレ・モチキニソろトカスチニキクカゆモセネラネフワワワよレ・モチキニソろモラヒイゆモセネラネフワワワよレ・む」
ファイヤーボールを俺はアンチマジックを使い受け止めた。
「かなり短いんじゃないのか」
「今の呪文は30文字呪文が短くなっています。呪文翻訳学を極めて安全な魔法を学びましょう」
ミニアの授業が終わった。
今日はミニアに質問にくる生徒はいなかった。
「報告いたします」
誰も居ない所で突然話し掛けられた。
「びっくりしたぁ。暗部の人か」
「メイリーンはジャスガという人物に頻繁に会っています」
「ふーん、ありがとう」
「では私はこれで」
メイリーンはジャスガのスパイだったのか。
あんな小物によく仕えるものだ。
金で雇われている間柄なのかもしれないな。
廊下を物々しい警備体制をしいた一団がやってくる。
中央にはカートに乗せられた小型の金庫。
これは貴重品の輸送かな。
邪魔にならないようにゴーレムを端に寄せた。
一団は何事もなく通り過ぎて行く。
なんだかほっとした。
その後、俺は学園内をぶらついて、リタリーと行き会った。
「久しぶり」
「あんた喋れるようになったの」
「おかげさまでな。講師生活はどうだ」
「論文を提出したけれど、教授になるのは夢のまた夢ね」
「竜言語魔法について知りたいんだっけ」
「ええ、そうよ」
「竜言語魔法ってのは俺が思うに、半ば本能なんじゃないかと思う」
「どういう事」
「ドラゴンが飛べるのも、火を吐けるのも、竜言語魔法の作用だと思うんだ」
「証拠はあるの」
「ドラゴンは卵を産むと祝福という儀式を行う。祝福で竜言語魔法をドラゴンに授けるんだ。その証拠になんらかのトラブルで祝福を受けられなかったドラゴンは飛べないし火も吐けない」
「あんたはそのドラゴンのなりそこないと会った事があるって訳ね」
「それどころか幻の草原のドラゴンは、伝言魔法で人と会話ができるぞ」
「えっ、ドラゴンと会話できるの」
「大湿原のドラゴンいるだろ彼女も会話できる」
「あんたなんでそんな事を知っているの」
「ドラゴンに伝言魔法を俺が仕込んだ」
「そんな、信じられないわ」
「俺はドラゴンテイマーの師匠だぞ。ドラゴンのテイムの仕方を誰がミニアに教えたと思っている」
「こうしちゃいられないわ。幻の草原にいかなきゃ」
「贈り物に珍しい石を持って行くといいぞ」
「ありがと。この借りはいつか返すわ」
駆け出して行ったと思ったら、リタリーがユーターンして戻って来た。
「よく考えたら、ミニアのドラゴンにも当然、伝言魔法を仕込んでいるわよね」
「いや仕込んでないぞ」
「なんか嘘っぽい」
「ミニアのドラゴンはああ見えて気性が激しいんだ。オスだからな。伝言魔法は仕込めなかった」
「嘘じゃないわよね」
「本当だよ」
「幻の草原のドラゴンに会いに行ってくる。彼女に聞けばミニアのドラゴンが伝言魔法使えるか分かるでしょ」
「そうだな。早く行けよ」
リタリーがまた駆け出していった。
その後、とうぜんスネイルには伝言魔法で口止めした。
リタリーと話をすると長くなりそうだからな。
ミニアが一緒にいた場合は無碍にはできない。
質問攻めにされるのは勘弁してほしいと思う。
三回目の時と同じ呪文と翻訳した物をミニアが黒板に書いた。
メイリーンを探すとやはり居る。
裏で何か画策してそうなんだよな。
暗部からはまだ報告はない。
「では射程を伸ばす方法を話します」
生徒から拍手が起こる。
随分と人気の授業になったものだ。
「呪文の『ラスコニカガフワワワムレ』という文言に『フワワワ』という言葉があります。これは2000ですね。ここの数値を大きくすると射程が伸びます」
おお、という声が上がる。
「翻訳した『魔法、動かす(モセ,軌道データ,軌道データの長さ);』という行に注目して下さい。軌道データの長さと翻訳されてますね」
生徒が頷く。
「軌道データの長さは『トニツイラハゆラスコニカよ』という文言です。実はこれ『フワワワ』という言葉に置き換えられるのです」
「なんだって、九文字も呪文が短くなるじゃないか」
「しかしですよ。置き換えてしまうと、不都合な事があります。冒頭の『軌道データ『ラスコニカ』が挨拶;』というところで『フワワワ』が決まっています。ここを変更したら下の二箇所の呪文を変更しなければいけないのは不便です」
なるほどと生徒が相槌を打つ。
「変更し忘れは魔法の暴走を呼びます。こういう所が呪文改造が禁忌と言われている所だと思います」
「そこで『トニツイラハゆラスコニカよ』に話が戻ります。『トニツイラハゆラスコニカよ』を詳しく翻訳すると『長さ判定神トニツイラハにラスコニカが挨拶』となります」
「『トニツイラハ』というのは神の一柱だったのか。これは呪文学の革命だ」
「『トニツイラハ』に挨拶すると長さを返答してくれます。射程を変更する場合は冒頭の部分だけを弄りましょう。暴走を恐れない人は『トニツイラハ神』に頼らずに呪文を短くして下さい」
また何時ものように教室の中央に道が出来る。
「今日は短縮詠唱は使いません。では行きます。ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・ソクチス・ラガフワワワムレ・モチキニソ・けモセレ・モセほハニスイろコチリリろモチノイゆエよレ・モチキニソろトカスチニキクカゆモセネラネフワワワよレ・モチキニソろモラヒイゆモセネラネフワワワよレ・む」
ファイヤーボールを俺はアンチマジックを使い受け止めた。
「かなり短いんじゃないのか」
「今の呪文は30文字呪文が短くなっています。呪文翻訳学を極めて安全な魔法を学びましょう」
ミニアの授業が終わった。
今日はミニアに質問にくる生徒はいなかった。
「報告いたします」
誰も居ない所で突然話し掛けられた。
「びっくりしたぁ。暗部の人か」
「メイリーンはジャスガという人物に頻繁に会っています」
「ふーん、ありがとう」
「では私はこれで」
メイリーンはジャスガのスパイだったのか。
あんな小物によく仕えるものだ。
金で雇われている間柄なのかもしれないな。
廊下を物々しい警備体制をしいた一団がやってくる。
中央にはカートに乗せられた小型の金庫。
これは貴重品の輸送かな。
邪魔にならないようにゴーレムを端に寄せた。
一団は何事もなく通り過ぎて行く。
なんだかほっとした。
その後、俺は学園内をぶらついて、リタリーと行き会った。
「久しぶり」
「あんた喋れるようになったの」
「おかげさまでな。講師生活はどうだ」
「論文を提出したけれど、教授になるのは夢のまた夢ね」
「竜言語魔法について知りたいんだっけ」
「ええ、そうよ」
「竜言語魔法ってのは俺が思うに、半ば本能なんじゃないかと思う」
「どういう事」
「ドラゴンが飛べるのも、火を吐けるのも、竜言語魔法の作用だと思うんだ」
「証拠はあるの」
「ドラゴンは卵を産むと祝福という儀式を行う。祝福で竜言語魔法をドラゴンに授けるんだ。その証拠になんらかのトラブルで祝福を受けられなかったドラゴンは飛べないし火も吐けない」
「あんたはそのドラゴンのなりそこないと会った事があるって訳ね」
「それどころか幻の草原のドラゴンは、伝言魔法で人と会話ができるぞ」
「えっ、ドラゴンと会話できるの」
「大湿原のドラゴンいるだろ彼女も会話できる」
「あんたなんでそんな事を知っているの」
「ドラゴンに伝言魔法を俺が仕込んだ」
「そんな、信じられないわ」
「俺はドラゴンテイマーの師匠だぞ。ドラゴンのテイムの仕方を誰がミニアに教えたと思っている」
「こうしちゃいられないわ。幻の草原にいかなきゃ」
「贈り物に珍しい石を持って行くといいぞ」
「ありがと。この借りはいつか返すわ」
駆け出して行ったと思ったら、リタリーがユーターンして戻って来た。
「よく考えたら、ミニアのドラゴンにも当然、伝言魔法を仕込んでいるわよね」
「いや仕込んでないぞ」
「なんか嘘っぽい」
「ミニアのドラゴンはああ見えて気性が激しいんだ。オスだからな。伝言魔法は仕込めなかった」
「嘘じゃないわよね」
「本当だよ」
「幻の草原のドラゴンに会いに行ってくる。彼女に聞けばミニアのドラゴンが伝言魔法使えるか分かるでしょ」
「そうだな。早く行けよ」
リタリーがまた駆け出していった。
その後、とうぜんスネイルには伝言魔法で口止めした。
リタリーと話をすると長くなりそうだからな。
ミニアが一緒にいた場合は無碍にはできない。
質問攻めにされるのは勘弁してほしいと思う。
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