転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~

喰寝丸太

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第26章 相談クラブのドラゴン

第155話 酒が怖い

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 相談室クラブのドアがノックされた。

「どうぞ」

 くたびれたサラリーマンという雰囲気の男子生徒が入って来た。
 たそがれているな。
 何をそんなにたそがれているのか。

「こちらで悩み事を解決してくれると聞いたのですが」
「出来る事と出来ない事があるよ」
「もう、限界なんです。酒が怖い。怖いんです」
「ああ、宴会が嫌いなのか」

「そうではなくて酒に弱いんです。昨日なんかトイレの中で裸になって寝てました」
「それはな。分かるよ。分かる。取引先との接待は断れないものな」
「分かってくれますか。同士よ」

 なんでも寮の先輩の酒が断れないらしい。
 パワハラなんて言葉はここにはない。
 可哀相だな。
 おじさん、本気出しちゃうぞ。

char alcohol[100]; /*アルコール百立方センチ*/
void main(void)
{
 MAGIC *m; /*魔法定義*/
 m=magic_make(alcohol,sizeof(alcohol),IMAGEUNDEFINED); /*アルコールを魔法として登録*/
 magic_delete(mp); /*アルコールを消去*/
}

 アルコールを意味する魔法語『チリソラクラリ』は錬金術の本に載っていた。
 これが分かれば魔法は組める。
 コップ一杯分のアルコールがこれで除去出来る。
 魔道具にしておけば酔って詠唱を間違えるなんて事もないだろう。
 サンプルを渡して感想を聞く。

「駄目ですね。いきなり消えたら飲んでないのが丸わかりです」

 そうか消したのでは駄目なのだな。

char alcohol[100]; /*アルコール百立方センチ*/
void main(void)
{
 char water[100];
 MAGIC *m; /*魔法定義*/
 m=magic_make(alcohol,sizeof(alcohol),IMAGEUNDEFINED); /*アルコールを魔法として登録*/
 magic_delete(mp); /*アルコールを消去*/
 m=water_ball_make(1); /*水の玉生成*/
}

 アルコールを消した後に水の玉を作る完璧だ。

「今度はどうだ」
「テーブルでやると水が動いているのが、もろばれですね。飲むふりをしてグラスをゆすれば問題ないと思います。ありがとうございます」
「お役に立てたのなら、お礼はいいさ」

 後日。

「駄目でした」
「どんな状況だったんだ」
「先輩がグラスを持って酒を流し込んできました」
「悪辣だな。許せん」

 攻撃は最大の防御だ。

char water[100]; /*水百立方センチ*/
void main(void)
{
 int i;
 MAGIC *m; /*魔法定義*/
 m=magic_make(water,sizeof(water),IMAGEUNDEFINED); /*水を魔法として登録*/
 for(i=0;i<sizeof(water);i++){
  water[i]=ALCOHOL; /*水をアルコールに*/
 }
 magic_trans(mp); /*現象に変換*/
}

 水をアルコールにする魔道具を作って手渡した。

「隙を見て先輩のグラスの酒の水分をアルコールに変えてやれ。自滅はするなよ」
「ええ、これでなんとかなりそうです」

 これで駄目ならもう知らん。

 そして。

「魔道具を駆使して先輩を酔い潰す事ができました」
「ほうそれは良かったじゃねぇか」
「それがですね。酔った勢いで先輩が迫ってきたのですよ」
「えっ、個人の趣味に口を挟みたくはないが、災難だったな」
「至福のひと時でした」
「納得しているのならいいさ。でも男性同士だと教会がうるさいよな。それは魔法では解決できないぞ」
「先輩は女性です」
「そうか良かったな。末永くお幸せにな」
「それがですね。それから毎晩のように飲みに誘われて、魔道具に充填する魔力が足りないのです」

「知るかよ。友達に声を掛けて魔力を分けて貰え」
「そうか、その手が。でも、ただじゃ悪いな。割のいいアルバイト知りませんか」
「タルコットという商人に伝手がある雇ってもらえ」

 お前のような奴はこき使われてシナシナになれ。

「何から何までありがとうございます。結婚式には是非きて下さい」

 一人の男子生徒を幸せにしたが、なんとなく興が削がれた。
 相談室には当分のあいだ近寄らないでおこう。
 しばらく建国クラブに顔を出してないが、あっちはどうなっているのだろう。
 顔を出してみるとするか。
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