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第13章 闘技場から始まる争奪戦
第74話 闘技場見物
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情報が入って来た。
次の闇の神器のある場所は闘技場だそうだ。
この話を聞いた時にえっと思った。
闘技場に隠されているなら簡単に見つかりそうだ。
だが、単純に隠されているという訳ではないそうだ。
シュプザム教会の発表によれば、古代の闘技場で百連勝した時に闇の神器が現れるそうだ。
その場所に俺たちはのんびりと赴いた。
やらせでも百連勝は時間が掛かる。
俺たちがゆっくり行っても間に合うはずだ。
馬車に漬物とエールが入った樽を積み込んで出発。
行く先々で商売をしながら、古代の闘技場を目指した。
古代の闘技場に行くと観客席の半分は崩れていた。
今もまだ健在の観客席に上がると、勇者らしき人物が対戦相手の聖騎士と戦っているが見て取れる。
何回か剣を打ち合わせ、勇者が聖騎士の剣を弾き飛ばした。
「俺の勝ちだ! 九十四の勝ちを神に捧げる!」
勇者が勝ち名乗りを上げた。
あと六勝で百連勝らしい。
それから、勇者は連戦し遂に百連勝に。
「何だ。何も起こらないじゃないか」
「やっぱりね。やらせじゃ駄目なんじゃないの」
「あたいが乱入しようか」
「みんなでやりましょうよ」
「ミディ、飽きた」
「とりあえず様子見だ。真剣に対戦するとしても百は長い。乱入するなら終盤だ」
俺達は屋台にもなる馬車を闘技場脇の適当な所に着けて商売を始めた。
商売は四人に任せて、俺は情報収集に出かけた。
「さあ、張った張った」
闘技場の一角で賭けが行われている。
勇者はもう諦めたのかと思ったが、どうやら違うようだ。
聖騎士が魔獣と決闘するらしい。
「どうなんだ。聖騎士が負ける事がありえるのか」
「お客さん。野暮は言ったら困る。賭けの結果を予想する賭け屋がいるかいな。それは予想屋の仕事だ」
「悪かった。聖騎士が魔獣に後れを取る光景が目に浮かばなかったからな」
「そこは色々と工夫してるよ。倒す時間で賭けたりね」
「そうか。やっぱり、聖騎士が勝つのは当たり前って訳だ」
となると、闇の神器は出現しそうにないな。
せっかく来たのだから、戦いを見ていくか。
戦いはグリフォン対聖騎士らしい。
グリフォンの足には鎖が繋がって上空には飛び立てないようなっている。
これはつまらないな。
一方の聖騎士はペガサスに乗っていた。
ますます、つまらない。
グリフォンの攻撃圏外から遠距離攻撃すれば、なぶり殺しだ。
銅鑼が鳴らされ決闘が始まった。
聖騎士はペガサスに乗って悠々と空を飛びクロスボウをグリフォンに向かって発射した。
やっぱりそういう展開か。
グリフォンは矢を何本も食らいかなり苦しそうだ。
グリフォンが地上に降りる。
聖騎士は剣を抜き特攻する構えだ。
どうやら接近戦で決着をつけるらしい。
「頑張れグリフォン」
俺はグリフォンを応援した。
周りも聖騎士を応援する人とグリフォンを応援に分かれていた。
たぶん賭けているのだろう。
グリフォンは最後の力を振り絞ったみたいだ。
聖騎士の剣を嘴で弾き飛ばし、聖騎士を落馬させた。
グリフォンが羽ばたき空中から攻撃を仕掛けようとしたとき突然墜落した。
力尽きたようだ。
落胆の声が周りの人の幾人かから漏れる。
どうしたのか聖騎士は剣を拾ったまま動かない。
剣を鞘に収めクロスボウを背中から取り構えた。
遠距離攻撃に切り替えるのを迷ったのか。
クロスボウから矢が放たれる。
矢はグリフォンに届かず地面に突き刺さった。
「何してるんだよ」
周りから罵声が飛ぶ。
聖騎士は怪我をしたのか。
でも動き自体は鈍っているようには見えない。
突如、地に伏したグリフォンから鈍い音がした。
どうやら翼が折れたようだ。
聖騎士は何を恐れているのか戸惑った後に剣を抜いてグリフォンにゆっくりと近づいた。
数歩ほど歩いてそこからは駆け足になる。
やっぱり怪我はしてないのだな。
そして、虫の息のグリフォンに剣を突き立てた。
決着したらしい。
聖騎士は勇者のところに行くとうなだれた。
叱責されているようだった。
「八百長だ」
俺の隣にいた人がそう漏らす。
「どういう事」
「いや、この前の試合でもさ。聖騎士が負けそうになると、魔獣が弱くなった気がするんだよ」
「気のせいでは」
「俺はこっそり何かしたように見えたね」
まさかな。
助太刀したら、決闘にならないだろう。
それでは闇の神器は現れないはずだ。
そんな事はしてないと思うんだが。
とりあえず、見物は終わりにした。
次の闇の神器のある場所は闘技場だそうだ。
この話を聞いた時にえっと思った。
闘技場に隠されているなら簡単に見つかりそうだ。
だが、単純に隠されているという訳ではないそうだ。
シュプザム教会の発表によれば、古代の闘技場で百連勝した時に闇の神器が現れるそうだ。
その場所に俺たちはのんびりと赴いた。
やらせでも百連勝は時間が掛かる。
俺たちがゆっくり行っても間に合うはずだ。
馬車に漬物とエールが入った樽を積み込んで出発。
行く先々で商売をしながら、古代の闘技場を目指した。
古代の闘技場に行くと観客席の半分は崩れていた。
今もまだ健在の観客席に上がると、勇者らしき人物が対戦相手の聖騎士と戦っているが見て取れる。
何回か剣を打ち合わせ、勇者が聖騎士の剣を弾き飛ばした。
「俺の勝ちだ! 九十四の勝ちを神に捧げる!」
勇者が勝ち名乗りを上げた。
あと六勝で百連勝らしい。
それから、勇者は連戦し遂に百連勝に。
「何だ。何も起こらないじゃないか」
「やっぱりね。やらせじゃ駄目なんじゃないの」
「あたいが乱入しようか」
「みんなでやりましょうよ」
「ミディ、飽きた」
「とりあえず様子見だ。真剣に対戦するとしても百は長い。乱入するなら終盤だ」
俺達は屋台にもなる馬車を闘技場脇の適当な所に着けて商売を始めた。
商売は四人に任せて、俺は情報収集に出かけた。
「さあ、張った張った」
闘技場の一角で賭けが行われている。
勇者はもう諦めたのかと思ったが、どうやら違うようだ。
聖騎士が魔獣と決闘するらしい。
「どうなんだ。聖騎士が負ける事がありえるのか」
「お客さん。野暮は言ったら困る。賭けの結果を予想する賭け屋がいるかいな。それは予想屋の仕事だ」
「悪かった。聖騎士が魔獣に後れを取る光景が目に浮かばなかったからな」
「そこは色々と工夫してるよ。倒す時間で賭けたりね」
「そうか。やっぱり、聖騎士が勝つのは当たり前って訳だ」
となると、闇の神器は出現しそうにないな。
せっかく来たのだから、戦いを見ていくか。
戦いはグリフォン対聖騎士らしい。
グリフォンの足には鎖が繋がって上空には飛び立てないようなっている。
これはつまらないな。
一方の聖騎士はペガサスに乗っていた。
ますます、つまらない。
グリフォンの攻撃圏外から遠距離攻撃すれば、なぶり殺しだ。
銅鑼が鳴らされ決闘が始まった。
聖騎士はペガサスに乗って悠々と空を飛びクロスボウをグリフォンに向かって発射した。
やっぱりそういう展開か。
グリフォンは矢を何本も食らいかなり苦しそうだ。
グリフォンが地上に降りる。
聖騎士は剣を抜き特攻する構えだ。
どうやら接近戦で決着をつけるらしい。
「頑張れグリフォン」
俺はグリフォンを応援した。
周りも聖騎士を応援する人とグリフォンを応援に分かれていた。
たぶん賭けているのだろう。
グリフォンは最後の力を振り絞ったみたいだ。
聖騎士の剣を嘴で弾き飛ばし、聖騎士を落馬させた。
グリフォンが羽ばたき空中から攻撃を仕掛けようとしたとき突然墜落した。
力尽きたようだ。
落胆の声が周りの人の幾人かから漏れる。
どうしたのか聖騎士は剣を拾ったまま動かない。
剣を鞘に収めクロスボウを背中から取り構えた。
遠距離攻撃に切り替えるのを迷ったのか。
クロスボウから矢が放たれる。
矢はグリフォンに届かず地面に突き刺さった。
「何してるんだよ」
周りから罵声が飛ぶ。
聖騎士は怪我をしたのか。
でも動き自体は鈍っているようには見えない。
突如、地に伏したグリフォンから鈍い音がした。
どうやら翼が折れたようだ。
聖騎士は何を恐れているのか戸惑った後に剣を抜いてグリフォンにゆっくりと近づいた。
数歩ほど歩いてそこからは駆け足になる。
やっぱり怪我はしてないのだな。
そして、虫の息のグリフォンに剣を突き立てた。
決着したらしい。
聖騎士は勇者のところに行くとうなだれた。
叱責されているようだった。
「八百長だ」
俺の隣にいた人がそう漏らす。
「どういう事」
「いや、この前の試合でもさ。聖騎士が負けそうになると、魔獣が弱くなった気がするんだよ」
「気のせいでは」
「俺はこっそり何かしたように見えたね」
まさかな。
助太刀したら、決闘にならないだろう。
それでは闇の神器は現れないはずだ。
そんな事はしてないと思うんだが。
とりあえず、見物は終わりにした。
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