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滅殺復讐ギルド人編
第27話 ミサの後
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Side:ウメオ
冒険者のアサキラーのあとをひたひたとつける。
人通りのない場所でアサキラーが振り返った。
「出て来い」
「所詮この世はうたかたの夢。その命、賠償で貰うぞ」
「ふん取れるならな」
アサキラーが剣を抜いた。
俺は鉄の櫂棒を構えて走り出す。
「【身体強化】。なぜだ。スキルを消すスキルか。だが死なん」
「せいっや」
アサキラーは剣で櫂棒を受け止めた。
火花が散る。
俺はレベルに任せてぐっと押し込んだ。
アサキラーが剣を引く。
俺はたたらを踏んだ。
こうなったら。
前転した。
アサキラーの脇を転がる。
そして、座ったまま、鉄の櫂棒をアサキラーのくるぶしに打ち付ける。
ぐきっと音がした。
今度はアサキラーが転がった。
俺は立ち上がり、アサキラーの額めがけて打ち込んだ。
アサキラーの額が割れて、血の筋が垂れる。
終わったな。
Side:リリム
ミドカットを領地の冒険者ギルド設置の件で呼び出した。
話を色々して時間を稼ぐ。
話を引き延ばす必要などない、それだけ冒険者ギルドの支所の設置は大事業よ。
夜になって打ち合わせが終わった。
「送って行きましょう」
「領主様みずからですか」
「話し合いで肩が凝った。少し夜の散歩と行きたい」
「ではそのように」
ミドカットと歩く。
人通りのない所に出た。
剣を抜く。
シャラーンと澄んだ音がした。
ミドカットの目が開かれる。
「賊ですか」
「一騎打ち所望つかまつる」
「何ですと!」
「【鋭刃】【斬撃】」
「ぐはぁ」
「自慢の良く回る舌は役に立たなかったようね。悪事を働くから裏切られるのよ」
人が来ないうちに逃げましょう。
ミドカットは一人でリリン邸を出た。
そういうことね。
王都の治安はどうなっているのかしら。
物取りがはびこっているようね。
ミドカットの遺体も身ぐるみ剥がされるでしょう。
Side:シャランラ
場末の密会の宿でリップルを待つ。
ドアが開いた。
「蜘蛛ちゃんお願い」
蜘蛛の糸がリップルの首に巻きつく。
「ぐぐう」
「偽の逢引きでも、その最中に死ねたら本望でしょう。化粧も念入りにしてきたようですし、死化粧の必要もないわ。次は桜にでも生まれ変わるのね。そうしたら糸に首を締められたりしないかもね。咲き誇っても誰に文句は言われない。糸を絡めて、運命の糸を切る」
「ぐぐぅ」
ぐったりしたリップルの脈を取る。
死んだようね。
私はその場を後にした。
Side:ウメオ
「プフラ、正座しなさい」
「なんだよ」
「あなた、シャラランラさんと逢引きしたでしょう」
「あれはミサですよ」
「では復讐神の祝詞を唱えてみなさい」
「所詮この世はうたかたの夢。悪事の賠償に復讐神が命を取る。どうか私の命を取らないで下さい」
「それだけですか」
「それだけです」
「マリー、夜中になんですか」
「お母様、プフラがシャランラさんと逢引きしているようなんです」
「本当ですか。結婚してない男女が夜中に逢引きするなんて嫌らしい。役人の風上にも置けません」
「役人関係ないような」
「だまらっしゃい。あなたには、ミドビレジ分家の再興の祖となってもらいます」
「ええと没落貴族かなんかなのか?」
「いいえ。ミドビレジ家はミドビレジ伯爵家から分家しました。当然爵位はありません。しかし、数多くの優秀な役人を排出してきたのです」
「ええと、役人として栄華を極めたいと。ミドビレジ伯爵家に泣きついたらどうです」
「ミドビレジ領の役人はやはり分家が担ってます。王都ミドビレジ分家は、王都でミドビレジ家の役人をしてきましたが、血が薄くなり、親戚とは言えない状態です」
「それで資産家なんだな」
「ええ、ご先祖様が王都に家屋敷をたくさん残してくれました」
「俺なんか構わないで、貴族の3男でも婿養子に迎えたら」
「占ってもらったら、散財して落ちぶれると出たのです」
「お母様、プフラには一晩中正座してもらいましょう」
「ええ」
「今日だってただミサに出たわけじゃないのですよ。信者からお布施を頂いてます」
「貸しなさい。まあ、お母様、金貨が2枚も」
「逢引きではなかったのですね。信者は何人です」
「俺をいれて4人。金持ちがいるんだよ」
「そうですか。マリー、信じてあげましょう」
「ええ、お母様。プフラ、正座はなしにしてあげます」
「あんがとよ」
「ありがとうございますと言いなさい」
「へいへい」
「返事は、はい一回」
こういうやり取りで、殺しの毒が消えて行く。
必要なことなんだろうな。
そんな感じがする。
今の俺は人間だからな。
Side:ナレーション
滅殺復讐ギルドは、公式にはギルドとして認められていない。
だが、王国史を紐解くとその名前がちらほらと出てくるのは、歴史に携わる者なら誰でも知っている真実。
すぐに消えて行く非合法ギルドとしては長い歴史を誇るのは、それだけ復讐への声が大きいということを表しているのだろう。
噂では復讐神が元締めをしているというが、真実は闇の中。
冒険者のアサキラーのあとをひたひたとつける。
人通りのない場所でアサキラーが振り返った。
「出て来い」
「所詮この世はうたかたの夢。その命、賠償で貰うぞ」
「ふん取れるならな」
アサキラーが剣を抜いた。
俺は鉄の櫂棒を構えて走り出す。
「【身体強化】。なぜだ。スキルを消すスキルか。だが死なん」
「せいっや」
アサキラーは剣で櫂棒を受け止めた。
火花が散る。
俺はレベルに任せてぐっと押し込んだ。
アサキラーが剣を引く。
俺はたたらを踏んだ。
こうなったら。
前転した。
アサキラーの脇を転がる。
そして、座ったまま、鉄の櫂棒をアサキラーのくるぶしに打ち付ける。
ぐきっと音がした。
今度はアサキラーが転がった。
俺は立ち上がり、アサキラーの額めがけて打ち込んだ。
アサキラーの額が割れて、血の筋が垂れる。
終わったな。
Side:リリム
ミドカットを領地の冒険者ギルド設置の件で呼び出した。
話を色々して時間を稼ぐ。
話を引き延ばす必要などない、それだけ冒険者ギルドの支所の設置は大事業よ。
夜になって打ち合わせが終わった。
「送って行きましょう」
「領主様みずからですか」
「話し合いで肩が凝った。少し夜の散歩と行きたい」
「ではそのように」
ミドカットと歩く。
人通りのない所に出た。
剣を抜く。
シャラーンと澄んだ音がした。
ミドカットの目が開かれる。
「賊ですか」
「一騎打ち所望つかまつる」
「何ですと!」
「【鋭刃】【斬撃】」
「ぐはぁ」
「自慢の良く回る舌は役に立たなかったようね。悪事を働くから裏切られるのよ」
人が来ないうちに逃げましょう。
ミドカットは一人でリリン邸を出た。
そういうことね。
王都の治安はどうなっているのかしら。
物取りがはびこっているようね。
ミドカットの遺体も身ぐるみ剥がされるでしょう。
Side:シャランラ
場末の密会の宿でリップルを待つ。
ドアが開いた。
「蜘蛛ちゃんお願い」
蜘蛛の糸がリップルの首に巻きつく。
「ぐぐう」
「偽の逢引きでも、その最中に死ねたら本望でしょう。化粧も念入りにしてきたようですし、死化粧の必要もないわ。次は桜にでも生まれ変わるのね。そうしたら糸に首を締められたりしないかもね。咲き誇っても誰に文句は言われない。糸を絡めて、運命の糸を切る」
「ぐぐぅ」
ぐったりしたリップルの脈を取る。
死んだようね。
私はその場を後にした。
Side:ウメオ
「プフラ、正座しなさい」
「なんだよ」
「あなた、シャラランラさんと逢引きしたでしょう」
「あれはミサですよ」
「では復讐神の祝詞を唱えてみなさい」
「所詮この世はうたかたの夢。悪事の賠償に復讐神が命を取る。どうか私の命を取らないで下さい」
「それだけですか」
「それだけです」
「マリー、夜中になんですか」
「お母様、プフラがシャランラさんと逢引きしているようなんです」
「本当ですか。結婚してない男女が夜中に逢引きするなんて嫌らしい。役人の風上にも置けません」
「役人関係ないような」
「だまらっしゃい。あなたには、ミドビレジ分家の再興の祖となってもらいます」
「ええと没落貴族かなんかなのか?」
「いいえ。ミドビレジ家はミドビレジ伯爵家から分家しました。当然爵位はありません。しかし、数多くの優秀な役人を排出してきたのです」
「ええと、役人として栄華を極めたいと。ミドビレジ伯爵家に泣きついたらどうです」
「ミドビレジ領の役人はやはり分家が担ってます。王都ミドビレジ分家は、王都でミドビレジ家の役人をしてきましたが、血が薄くなり、親戚とは言えない状態です」
「それで資産家なんだな」
「ええ、ご先祖様が王都に家屋敷をたくさん残してくれました」
「俺なんか構わないで、貴族の3男でも婿養子に迎えたら」
「占ってもらったら、散財して落ちぶれると出たのです」
「お母様、プフラには一晩中正座してもらいましょう」
「ええ」
「今日だってただミサに出たわけじゃないのですよ。信者からお布施を頂いてます」
「貸しなさい。まあ、お母様、金貨が2枚も」
「逢引きではなかったのですね。信者は何人です」
「俺をいれて4人。金持ちがいるんだよ」
「そうですか。マリー、信じてあげましょう」
「ええ、お母様。プフラ、正座はなしにしてあげます」
「あんがとよ」
「ありがとうございますと言いなさい」
「へいへい」
「返事は、はい一回」
こういうやり取りで、殺しの毒が消えて行く。
必要なことなんだろうな。
そんな感じがする。
今の俺は人間だからな。
Side:ナレーション
滅殺復讐ギルドは、公式にはギルドとして認められていない。
だが、王国史を紐解くとその名前がちらほらと出てくるのは、歴史に携わる者なら誰でも知っている真実。
すぐに消えて行く非合法ギルドとしては長い歴史を誇るのは、それだけ復讐への声が大きいということを表しているのだろう。
噂では復讐神が元締めをしているというが、真実は闇の中。
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