無限魔力のゴーレム使い ~無力な奴隷から最強への一歩は逆転の発想から~

喰寝丸太

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第3章 貴族活躍編

第73話 誘拐騒ぎ

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 王都に飛ぶように帰って来た俺は孤児院に顔を出した。
 見込みのありそうな奴を弟子にするためだ。

「よう、モリー元気だったか」
「ユフィアちゃんが、ユフィアちゃんが昨日さらわれたの」

「なに、ユフィアがさらわれたの」
「ユフィアちゃんの他にも孤児が三人」
「どんな状況だったんだ」
「店の食材を買出しに五人と護衛の一人と出かけたんだけど。護衛の傭兵が物取り騒ぎに気をとられている隙に」
「モリーは良く助かったな」
「石畳をゴーレムにして応戦した」
「警備兵には届けを出したか」
「うん、今傭兵ギルドのおっちゃんらも探してくれている」

 うん不味いな。
 さらわれたユフィアにはスキルを覚えるコツを教えてある。
 魔力放出を教えた孤児も入っている。
 なんとしても守ってやると誓ったからには全力でやらないと。

「俺も探してやるよ」



 俺は情報屋の所に行った。

「孤児院の孤児がさらわれた。知っている事があれば話せ」
「スラムでも子供が何人もさらわれているみたいです。同一犯人ですね」
「犯人の居場所は?」
「黒い馬車が目撃されています。黒い馬車を使うのは闇ギルドの手口です。何度も短時間で往復した痕跡がある事から、近隣に拠点があるに違いありません」

 それからさまざまな事を聞いてから金貨十枚をテーブルに置いて情報屋を後にした。



 情報屋に寄れば南門から馬車は出入りしていたと言う。
 俺はハングライダーに乗り上空から捜索する事にした。

 虱潰しに空から捜索したが見つからない。
 うーん、何か良い手はないだろうか。
 アイデアは出ず気ばかり焦る。

「ライタ、何か良い手が無い」
『ビーコンでもあればな。そうだ、魔力を探知したらどうか』
「なるほど誘導スキルを使うんだね。でも射程がそんなに無いよ」
『簡易魔道具を作ってハングライダーにぶら下げて飛べば良い。反応があればそこが拠点だ』

 俺は知っていた孤児の魔力にだけ反応する簡易魔道具を作り捜索を開始した。
 ハングライダーが炭焼き小屋の上空に差し掛かった時に反応があった。
 炭焼き小屋とは随分小さい拠点だな。
 近くに降り立ち慎重に近づく。
 周辺には鳴子が仕掛けてあった。
 当りだな。



 道には罠が仕掛けてなさそうだ。
 道を堂々と行き炭焼き小屋のドアを拳で叩く。
 俺は仮面を被り迷彩スキルを発動した。

「道に迷ったんで教えてもらえないか」

 ドアが開き男が顔を出す。

「ここは私有地だ。立ち去りな。ありゃ誰も居ねぇ」

 俺はスタンガン魔法で男を気絶させると中に踏み込んだ。
 中ではユフィアを大人が三人取り囲んでいた。
 間違いないユフィアだ。

「なんだカチコミか。姿が見えねぇ所をみると暗殺者か。俺達が闇ギルドだと知っての行動だろうな」

 俺は一言も喋らずスタンガン魔法で闇ギルドの連中を気絶させる。
 俺が仮面を取り姿を現すとユフィアはほっとしたような様子をみせた。

「大丈夫だったか」
「はい、脅されたけど、大丈夫です」
「腹へってるだろう」

 そう言って俺はパンと干し肉とお茶を取り出した。

「この糧が血肉となりスキルになりますように」

 そう言ってユフィアは食べ始めた。

「他の子供達は」
「地下室に閉じ込められています。あそこの木箱の下に出入り口があります」

 仮面を被り、指で差された木箱を退かした。
 そして、地下のへの扉を開ける。
 扉の向こうには驚いた顔の闇ギルドの手下がいた。

「お前、誰だ」
「俺か、俺は闇ギルドをぶっ潰す者だ」

 俺はそう言いながらスタンガン魔法を使った。
 地下室には三十人ほどの子供が居る。
 俺は子供達の奴隷契約を解除して闇ギルドの男達を縛り上げた。

 水魔法の流動を目一杯展開して子供達を乗せる。
 食料を配り、出発した。

「うわ、早い」
「仮面のお兄ちゃんは宮廷魔法使い様なの」
「いや違うが。強いて言えば冒険者だな」
「俺もスラムを出たら冒険者になるんだ。それで、悪人をやっつけるんだ」

 三十人も子供がいるとわいわいとうるさい。

 女の子の一人が話し掛けてくる。

「あのね、私聞いたんだ。邪悪な魔法使いの実験台にされるって」
「他にはどんな事を言っていた」
「やばいから、闇ギルド抜けたいって」

 きっとこの子は集音スキル持ちだな。

「他には何か言っていたか」
「伯爵様がお怒りだって言ってた。アジトは四番街の夢魔の館って店の隣だって」

 貴族が絡んでいるのか。
 王都まで戻るとスラムの子供達は思い思いの方向に駆け出していった。
 残りの子供は近衛騎士に連絡して家に送ってもらった。
 炭焼き小屋の闇ギルドの連中は近衛騎士が後始末をしてくれるらしい。



 報告書を書いて提出してからユフィア達と一緒に孤児院に出向く。
 モリーが孤児院の入り口で出迎える。

「ユフィアちゃん、もう会えないかと思ってた」
「フィルさんに助けてもらいました」
「フィル、ありがと」
「モリー良いんだ。家族みたいなものだろ。それに誓ったからさ。スキルのコツを教えたのは言わば弟子だろ。師匠は弟子を全力で守るものさ」
「あなたを兄弟だと認めてあげる」

 俺は孤児院に来た目的を果たす事にした。
 中に入り声を掛ける。

「みんな集まっているところで聞いてくれ弟子を募集したい。俺の弟子は命の危険が付きまとう可能性がある。その覚悟がある者だけ名乗り出てくれ」
「私やる」
「私もお願い」

 立候補したのはモリーとユフィアだった。
 別室に二人を呼び話す。

「本当に命がけだぞ。禁忌を犯す誘惑に耐えなきゃいけない」
「大丈夫」
「問題ありません」
「手始めに簡易魔道具を作る方法を教えてやる。ぬいぐるみの簡易魔道具を量産したら良い」
「はい」
「がんばります」
「魔力放出の道具は絶対に作るなよ」
「なんで」
「危険だからだ」

 魔力放出の道具を作ると武器に転用できるし、魔力を感知してしまって禁忌を踏むとも限らない。

「分かった。絶対作らない」
「承知しました」

 流石にいきなり魔力視を教えるのはためらわれた。
 もう少し大きくなってから教えよう。



 女の子に聞いたアジトを潰しに出かけた。
 家族に手を出したんだから覚悟してもらおう。
 夢魔の館まで辿りついた。
 さて右か左か。
 魔力視で中を探ると左の家から見覚えのある魔力が。
 魔道具使いの少年が中にいるな。
 俺は迷彩スキルを使い、張り込みを開始した。
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