貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

文字の大きさ
113 / 179

第113話 マッサージ

しおりを挟む
 マグネットラークの弥衣やえ達だけの砂津波対策が思いつかない。
 しばらく第4階層はやめておいて、チアフルとして綺羅々きららと行動することにする。

 今日もこの前と同じ、獣のごった煮に来てる。
 対戦する相手はヒュージウルフ。
 まあでかいだけの狼なんで、そんなに強くない。

「ここは任せておけ」

 俺はバールでヒュージウルフを殴った。
 ヒュージウルフは死んだ。
 弥衣やえがナイフを手に解体に取り掛かる。

「さすがね」
一重ひとえから聞いたが、定期的にポーションを飲まないと駄目なんだって。で冒険者をやっているのか」
「始めはそうだったわ。でも生きていた証を残したいと思うようになったの」

 半ば生存を諦めているな。

「まるで遺作だな」
「諦めてはないわ。1億貯めればエリクサーに届くもの。今回のモンスターの素材でも200万はいくわ。それを50日繰り返すだけ」
「50日の間にはポーションを何度も飲まないといけないだろ。それと休養も必要だ」
「そうだけど。すこしずつ前進はしてるの。なぜか埼京さんという人がポーションを恵んでくれたし、もう少しなの」

「喋ってないで解体を手伝って」

 弥衣やえがちょっと怒った。
 3人で解体して魔石と毛皮を採る。

 アイテム鞄は1億はする。
 だから、ここには持ってきてない。
 俺達チアフルはCランクパーティだからな。

 少しでも綺羅々きららの病気の進行を遅らせるのは、レベルアップしか思いつかない。
 よし、パワーレベリングだ。

 ヒュージウルフが出たので、俺は前足を叩き折った。
 綺羅々きららが大剣を振り回し、首を落とした。
 これでいい。
 弥衣やえも俺の意図が分かったのか。
 それからはサポートに回った。

「なんかさっきから、私ばっかり止めを刺しているけど」
「生きた証を残すんでしょう。恰好いい所を残さないとね」
「二人に悪いわ」
「いいのよ。平治もそう思うでしょう」
「ああ、俺達の冒険は道楽みたいなものなんだ。もちろん金は稼ぎたいさ。でも命を懸けたりはしない」
「二人ともSランク冒険者みたいね。もう極めたという感じがするわ」

 何体かのモンスターを仕留めては解体し、半日ほどで討伐を終えた。

「分け前も要らないなんて」
「元気になったら返してもらうよ」
「そうね。それがいいわ」

「ありがと。有難く頂戴しておくわ」

 綺羅々きららをスポーツジムに呼び出した。

「お前ら今日はエロい所を見せてやる」

【何だって】
【モザイクなしか】
【大変だ。綺羅々きららちゃんに逃げるように言わないと】

「無駄だ。契約を結んだ以上断れない」

【卑劣な奴め】
【くそう。無力な俺が恨めしい】
【黙って見てろよ。モザイク無し映像キボンヌ】

「もちろん、モザイク無しだ」

【拡散せねば】
【こんなのって許せるか】
【一回も二回も同じだろ】

 綺羅々きららがレオタード姿で入って来た。

【レオタードとはまたマニアックな】
【くそう】
【今度こそ逮捕してやる。特定班はまだか】

「じゃあやるぞ」

 俺はカメラの映像を切った。

【あれっ、放送事故か】
【こんな落ちだよ】

「音声のみでお楽しみ下さい」

 俺が手で合図すると弥衣やえがやって来て、綺羅々きららはヨガマットの上に寝そべった。
 弥衣やえがマッサージを始める。

「くふん、そこ駄目。弱いの。優しくして。あっ、くうん」

 嬌声が流れる。
 俺はゴム手袋を濡らしてぴちゃびちゃと音を立てた。

 そして、マッサージが終わった。
 綺羅々きららには黄泉がえり丹を飲ませて終了。
 カメラの映像を再開した。

【確かにエロかった】
【くそう】
【あー】
綺羅々きららファンが発狂してるな】
【今回のは生々しかった】
【この調子で次も頼む】
【おっさん氏ね。もう許さん】
【氏ね以外のことは言えないのか】
【こんなの合意の上だろ。おっさんが札束で叩いたに決まってる】
綺羅々きららちゃんがそんなことするわけない】
真紀真紀まきまき綺羅々きららチャンネルだけど、調べてみたらおっさんに最初に暴行される前に、再生数が落ち込んでる】
【なにが言いたい】
【落ち目ってことだよ。落ち目のグラビアアイドルがヌードになったりするだろ】
【その発言は許さん】

 そうなのか。
 綺羅々きららの配信は落ち目だったのか。
 それで俺に絡んできたのだな。
 謎がひとつ解けた気分だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

自由でいたい無気力男のダンジョン生活

無職無能の自由人
ファンタジー
無気力なおっさんが適当に過ごして楽をする話です。 すごく暇な時にどうぞ。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

処理中です...