地球人が育てた女神様

モルモット

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旦那の浮気・相手は元革命家

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「あ~ やったー 今日は ハンバーグだぁ!!」

はぁ? 私はベッドから目を覚ました。
サムのジャムを食べなくなってから私の体系は戻ったわ。
サムはいい人だったのに悲しかった。

バールとリフトの二人にはお礼をしなくちゃいけないから別荘に泊まってもらったの。
もちろん 私と二人が一緒に寝泊まりするわけじゃなくて マリアもいるから大丈夫。
私は 妻ですから!

それにしても ピョンタが残してくれたパズルはどうやって解いたらいいのか全くわからないわね。
暇つぶしに使えないというか 逆にカチ カチと回していたらパズルの面体の数が増えてしまったくらいよ。


「プイプイ」

どうしたの モコちゃん?
モコちゃんが 私のベッドの下に顔を突っ込んで モゾモゾと何かを引っ張り出してきたのね。
それは ほこりをかぶった本だったの

「本? いいえ これは日記かしら?」

手書きの文字だし 日記っぽい
ピョンタの恥ずかしい過去が書かれていると思って ニマニマと笑いながらページを開いてみたわ。
だけど残念。
異国の言葉が書きこまれていて私には読めなかったの。
「それにしても複雑な言語ね。 暗号というか・・きっと戦争の多い国の言葉ね」

だけど ページの所々に 魚の絵やハンバーグの絵が描かれているからきっと このページは料理のレシピのページね。

「ほかに読める言葉はないのかしら? 単語とか名詞とか・・ えーと!あったわ」

私は 言葉に詰まった
「メアリー? メアリーですって!!!」

「グルルルル・・」

別荘に隠された秘密の日記と暗号に近い言語。。

つまりそれは。

私の旦那は・・浮気してました。。。


領主とそれほど変わらない立場ですものね、、私ったらどうしてピョンタに愛人がいないなんて思っていたのかしら
そうだ みんなを集めて、マリアにそれとなく聞いてみたの。

「広い農園ですので お出かけになることは多かったのですが旦那様は他の領主たちのようなことはなさらないと思います」

だけど ページをめくっていると
「あったわ」

ピョンタの日記には モルモットレースのコースも書かれていて
中にはメアリーの家までのルートも書かれていたわ。
急いで会いに行きたかった。。そう言うことね
「グルルルル」

リフト「この場所は・・まさか。メアリーとは メアリーバレンタインのことだったのですか?」
マリア「ひぃ~ 子供の頃に両親から。悪いことをしてたらメアリーバレンタインに連れてかれるぞ。と叱られたものです・・」

バール「その昔 国を盗んだ義賊と呼ばれた女がいた。だが 今はアジトには亡霊が住んでいるらしくて誰も近寄らないらしいぞ」


亡霊?誘拐?国を盗むってことは革命?・・でも 私は真実を知りたいの。
旦那の愛した人が どんな人だったのか?
ショックを受けるのはそれからにしようと思うの。
「私 行くわ!! どれくらいの美人なのか、遠目でいいから一目みたいの!」
モコちゃんは 鼻を摺り寄せた
「プイプイ!」
二人もオレたちも 付き合うぜっと言ってくれたし、マリアの目もキラン!と光ったわ。

「でしたら 衣装をご用意してあります。体系がお戻りになりましたので仕立て直しておきました」
見た目は小動物のような そして初めて着たセクシーな衣装だわ。どうしてかしら?

「いいえ 奥様。このくらいしなければメアリーには勝てません。それとこの「マリアの笛」をお持ちください。頑張ってください 奥様!」
ありがとうマリア 私。負けないわ
こうして私たちは メアリーのアジトへ潜入することになったの。

「ここの山の上が 義賊のアジトね」

山頂に館があるみたいで 山のふもとは洞窟や岩山が入り組んでいるみたいね。
でも 潜入じゃなければモコちゃんのポップコーンジャンプで一気に駆け上がれるかしら。

リフト「ちょっと 待ってください」

リフトが指を刺した先には 木にとまったコウモリがいた。
不自然に見えなくはないけど 話によればあのコウモリは感知系のトラップらしいの。
リフトは呪文を唱えだすと指先に炎の玉が出来上がって コウモリを燃やしてしまったわ。
「死角から撃ったので大丈夫でしょう」と得意げに話していたけどリフトって魔導士だったのね。

でもよかったわ 気づかれてしまって本妻VS愛人対決なんてしたくないですもの。
メアリー「本妻なのにコウモリなんかに、気付けなかったの? 本妻失格だわね・・ほっほっほ」(トモちゃんの妄想)

さあ 行きましょう。
でも しばらく進んで岩の上に腰を下ろした時に 突然岩が動き出したのね。

「トモちゃん!!!」

バールが私の手を引いて茂みに隠れてくれたけど 岩は人型の化け物だったの
そしてタンポポの綿毛のような人型の化け物たちが一斉に駆け寄ってきたわ。
「二人は大丈夫だろう。オレたちはこっちだ」
リフト・モコちゃんたちは無事かしら? 追われてはいないようだったけど完全にはぐれたわ。

バールは「やるか! この「鬼刀斬剣」は使用者の血を吸うことで新の力を発揮する・・」といって 立派な武器を取り出したけどダメよ。そんな自分を傷つけるような武器を使っちゃ。
それに リフトたちが心配だわ。今は騒ぎは起こさずに慎重に行かなきゃいけないと 気づかれないように移動したの。。。
綿毛の化け物に気付かれないように・・バールに手を惹かれながら岩から・・ 岩に・・。
この岩は・・ 大丈夫よ 動かないわ。岩に移動するたびに ドキドキした。

バッキ!!!
「あっ!」 

バール 静かにするんだ!

私が枝を踏んじゃって 枝の音に驚いて声を出しちゃったの。
バールが私の口を手でふさいで 倒れるように二人で伏せたけど気づかれずにやり過ごせるかしら?

ガサガサと活発に葉っぱを踏む化け物の音がする。。
ガサガサ、ガサガサ、、ガサ!!
心臓が呼吸をするようにドキドキしてきたわ・・

今度はゆっくりと ガサ、ガサ、ガサと慎重に進む音がする。

バールって近くで見ると とてもきれいな顔をしているわぁ~って そんな場合じゃないのよ。

・・戻って来て私 現実はピンチよ・・

「ここで寝ているんだ。悪い鬼は信用できないか?、だがオレに任せてくれないか!」

ダメ 言っちゃダメよ・・
そんなとき 遠くの方でリフトの声がしたの。
「ファイアボール!!」
「うひゅ~・・・」

「リフトのヤツ!何やってるんだ!」
私も見たい。。 起き上がりたい。 そろそろ私の上から降りてくれないかしら??
私が起き上がったときには 綿毛や岩の化け物たちもいなくなっていたわ。
リフトのところへ走って行ってしまったのね。
モコちゃんも 大丈夫かしら??

声のしたほうへ 進んでいくと岩陰から震えるモコちゃんがでてきたの
「プイプイ・・」
無事でよかったわ。 ファイアボールの焼け焦げた跡をみるとここで戦闘になったのね。
もしかしてリフトはモコちゃんを隠すためにわざと捕まるようなマネをしたのかしら?
バールも「いそぐぞ!」と武器を抜いたの。
そうね もう 本妻VS愛人だなんて言ってられないわ。
私も モコちゃんに乗って走ったの。

「見えた!」

岩の化け物たちが見える。
そして その肩には一人背の小さい女の子が乗っているわ。
まさか あれが愛人?いいえ 年が離れすぎているわ。もしかして 隠し子?!
私の知らない間に、旦那は愛人と知らない異世界を作り出してたと言うの?
私は、なんて顔してあの子に会えばいいのよ?

それよりも リフトはどこ?
白いロープのようなもので縛られて連行されているわ。
まさか あの子が縛ったのかしら? 今は考えても仕方がないわね

バールは リフトを見つけると人の足とは思えない速さで駆けだして、私たちは、その後ろを走ったの。

バール「鬼刀斬剣!!うりゃ~!!」

不意打ちの一撃は 岩の化け物を真っ二つね!
わたしにできることは リフトを助けること! いくわよ。モコちゃん!

バールが戦っている間をぬって、リフトを奪い返すの。
出来るかわからないけど ピョンタがレースの時に森の中でやっていたことを私達もやるしかない。

「ポップコーンジャンプ!!!」
「プイプイ!」

岩の化け物の攻撃をすり抜けながら ポップコーンジャンプ!
さらに ひねりを加えてポップコーンジャンプ!! ジャンプ!
なんて凄い衝撃なの。頭がキーンってなってきた。

私は上なの下なの? 方向もわからないわ。

「プイプイ」

モコちゃんが 「任せて!」って言ってくれたから私は体を預けたの。
目をつぶってしがみつくのが精いっぱい だけど リフトに近づくと
「トモちゃん!!」とリフトの声がするの。 
手を伸ばさなくちゃ!
そして リフトの縛られているロープを掴んでそのまま 逃げ出したの。

女性「あ~ せっかく私が捕まえたのにぃ~ 」
隠し子の声がする。

トモちゃん「始めまして、ごきげんよう~」

やったわ!リフトを助けただけじゃなく 隠し子にも挨拶も出来たわ。
後は、私たちが 遠ざかることでバールも戦わなくてもよくなるでしょう。
そして 枯れ木の生い茂ったところでモコちゃんからリフトを下ろしたの
ただ ロープで縛られたまま走ったから衝撃が凄かったみたいね。正気に戻るのに少し時間がかかったわ。

リフト「・・・う。助けに来てくれたのですか?女性が相手だったので油断してしまいました。まさかクモの糸を使うスキルを持っているとは驚きました」

それはそうと このロープ。クモの糸だったのね。
道理でほどけないわけだわ。

きゃ!

リフトがよろけて、ほどきかけていたロープと私たちは絡まって倒れてしまったの。

「近くで見ると トモちゃんって可愛い顔をしていますね、トモちゃんになら、どんなお礼でもしてあげたい・・」
「まだ 正気に戻ってないの? 」
「いいえ・・ お礼はまた今度にしましょう」
リフトは 炎を出すと糸を焼き切ってしまった。でも 魔力を温存しすぎよ。


リフトが「ところで、ここはどこですか?」って尋ねてきたけどかなり山頂の近くまで来てしまったわね。
それに枯れた樹木が一面に立っていて 木の墓場のようだわ。
ここは 見通しがいいから休むならほかの場所にしましょう。
そう思って 立ち上がったら地面が グラグラと小さく揺れて枯れ木が持ち上がったの。
枯れ木は人型の化け物だったわ。

私たちは すごい数の枯れ木の化け物に取り囲まれた。

樹木族「ギュルルル・・・」

なに? なんなの?

人型の枯れ木の化け物は私を取り囲むように集まって たち膝のポーズをしたわ。
戦う気はないみたい。むしろ 敬意を向けられている気がするわ。
不思議がっていると 遠くから声がしたの。

「1,000年の時を生きると言う樹木族の方々が 自ら動くとは珍しい」
・・。
・。
ショールを被った おばあちゃんが出てきて穏やかな視線を私に送って挨拶をすると話始めた。
「私の名前は メアリーバレンタイン。 この状況を見ても、樹木族の人たちを見ても、あなたは何も知らない?何も覚えていないのよね?」

愛人の正体は 優しそうなおばあちゃんだった。
それに 前に会ったことがある気がするわ、優しそうだからそう見えるのかしら?

「知らないって何が?」

「そう じゃぁ 初めましてね。よろしくトモちゃん。こちらの方々は樹木族の方々ですよ。こちらの事情で私がかくまっているのです。さて 今度はトモちゃんがここへ尋ねてきた理由を聞かせていただけるかしら?ほほほ ピョンタが好きだった カモミールティーがあるのよ。ほっほほ」

ピョンタの好きなカモミールティーですって!この人 怪しいかもしれない・
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