地球人が育てた女神様

モルモット

文字の大きさ
11 / 15

モルモット市場とクモルモット

しおりを挟む
リフトとバールは 用事があるとか言って別れたけど先に宿はとってあるからゆっくりモルモットを見て帰れるわ。

プイプイ プイプイ

「いらっしゃいませ。お嬢様方。素晴らしい日よりですなぁ~ 当店ではモルモットから装備アイテムまで幅広くご用意いたしております 」

店に入ると子供のモルモットの声が聞こえて1階2階と 沢山の子供たちとお母さんモルモットが一緒の檻に入れられているわ。
モルモットは 耳が垂れているけど赤ちゃんんや小さなモルモットは耳がネズミの様に立っているのよ。
1年未満の子を買うなら 耳が年齢を見分ける一つの目安になるわね。
でもミリアは 幸せそうなモルモットたちを見ていてもあまり浮いた顔をしないのよ。
金貨5枚で買える子でもいい子は沢山いるのにどうしてかしら?

「おやおや お客さん。どうしました?ん~ 魔族のお嬢さん、お嬢さんは心が欠けてしまっているようですな」
「え! メアリーも言っていたけどどうしてそんなことがわかるのよ!心が欠落するってどういうことなの?」
「うんうん。。 そうですなぁ。見てもらったほうが早いでしょう」

店主は そう言うと私たちを地下1階へ連れて行ったの。
地下があるなんて 気が付かなかったわ。

プイ

プイ・・

地下と言っても換気もしっかりしていて清潔だけど
モルモットたちは寄り添うように隅っこに固まって動かないのよね。
まるで 最後の時を待っているかのようだわ。。

「こちらのモルモットたちは・・ 飼い主に見捨てられたモルモットなのです・・上の階が光ならば、こちらは闇と言ったところでしょうか。裏切られてしまったモルモットたちがひっそりと暮らしているのです」

寄り添うモルモットたちを見て私は ミリアの過去が少しわかった気がした。
バールやリフトとも一緒にお風呂に入ろうとしたときには驚いたけど
心を殺し過ぎちゃって、素直な自分の気持ちを感じる感覚がマヒしてしまっていたのね。
でも ミリアは上の階にいたときよりも興味をそそられたように いろんな子たちのところへ行ったわ。
「お姉ちゃん ミリア 一人で探したい」
「ええ 気に入った子がいたのなら お姉ちゃんが足りない分のお金を出してあげるわ。だって 人助けならぬ。モル助けですものね」

「モル助けですか・・ 本当は人助けでもあり、モルモットとは人のパートナーなのです。いやはや はっはは。これは 理屈っぽい事を行ってしまいました。ミリアのお嬢様が選んでいるあいだは、わたくしたちは上の階にいることにしましょう。 とびっきりの商品がございますぞ」

がめついお金第一主義な、おじさんって感じがしたけど この店主はただ者じゃないかもしれないわ。
それで とびっきりの商品っていうのは ポーション類だったのよね。
スピードポーション パワーポーション・・色々とあるのね。
でもね モルモットに水気の多い物ばかり与えるのは厳禁なのよ。
しいて欲しいといえば 金のニンジンというアイテムくらいかしらね。
このニンジン すごく 美味しいのよ。
だから モルモットと親密になりたいときに使うと効果抜群だわ。

そうだ ミリアにプレゼントしましょう。
新しいモルモットと早く仲良くなれるはずよ。ふふふ
「これ! いただくわ!」
「これはお目が高いです。うちの店で一番いい 金のニンジンですな。毎度ありがとうございます。」

店長と立ち話を続けていると大国を破壊したのは やっぱり 古代の魔物じゃないかって話だったわ。
「古代の魔物で 間違いないでしょう。とりでを破壊できたとしても聖女の結界はダテじゃない。わたし・・いいえ 何でもありません。ですが ・・・意味をなさないのですから。これは大事件ですぞ」

眠っているはずの古代の魔物が なぜ目覚めたのかしら?
国の次は 小さな村が潰されていくという話を聞いたのよ。
魔導都市メキストには 来てほしくないものだわね。

「お姉ちゃん この子に決めた」
「シャァーーー!!」

今日は 決まらないと思っていたけどミリアにも運命の出会いがあったみたいなの。
よかったわ  これからはその子と人生を生き・・

え! シャァーーー!!ってなに? モルモットの鳴き声ってそんなんだっけ?

ミリアは モルモットの首に抱き着き、「首ったけ」の語源を教えてくれるように愛情をその子に注いで見せてくれた。

「この子 大好き・・」
「シャァーーー!!」

えええ!! 私の目が可笑しいのかしら?
「ミリア それ・・ 大型のクモじゃないの!!」

ミリアの連れてきた子わ!大型のクモじゃない?
きっと 地下だから住み着いていたのよ。
人が乗れない事はないけど、乗っちゃダメなほうのヤツよ それ。

「おやおや クモルモットですな。その子は中々人には懐かないのですよ。お嬢さんはさすがですな。もしやその年でモルモットレースの御経験があるのですか?」

クモルモットって初耳なんですけど!!
知らないのは私だけなの?
魔導都市メキストの記念大会に出場できるほどの腕前の私でも知らなかったのよ?

「シャァーーー!!」
「これは素晴らしい。 この子が喜んでいますよ。いいや 魅了されていると言ってもいいかもしれない」

店主は 何度もうなずくと契約書を持ってきた。
契約書には 「オベーセル・アングリア・ジョンソン・オーディン一世」という名前が書かれていた。
そうか 捨てられたモルモットって言ってたわよね? 前の飼い主さんが付けた名前かしら?
って なが~い名前付けちゃって前の飼主さん この子に期待し過ぎよ!

「どうします? ミリアのお嬢さん。名前を変えることも出来ますよ」
「ミリア このままがいい。だって この子のすべて 受け止めてあげたい」
「おおお!!!! この商売を始めて30年。。なんて いい日なんだぁ」

店主はオイオイ シクシクと泣き出してしまった。
話がすっかり進んでしまったけど クモルモットってなに?

「そうだ ミリア。先輩の私からあなたへ プレゼントがあるのよ。はい 金のニンジン」

金のニンジンは輝きを放ったわ。
クモルモットの瞳もウルウルし始めたし、肉食じゃなくてよかったわ
「はい オーディン。食べて」
「シャァーーー!!ムシャムシャ・・」

オーディンって呼ぶことにしたのね。
仲良くなれてよかったわ。
「どうしたのミリア?」
「お姉ちゃん 大好き。ミリア お姉ちゃんが欲しい」
「私はミリアのお姉ちゃんよ 改まってどうしたの?」
ミリアは首を横に大きく振ったわ。

「お姉ちゃん 無くなったら 悲しい。ミリアの ものになって・・お願い」

ミリアのものになってですって。新手の告白ね。
でも 「もの」っていうのはちょっと違うかな?そう思ったので「私はどこへも行かないわ」といいつつ 
「もの」というのはよくないわよって 柔らかく伝えたの。
少し悲しそうな顔をしていたけど 宿に向かって帰るうちにケロリと機嫌が直っていたわ。
宿に着いたら先にバールとリフトが戻っていたの。

バール「おう クモルモットじゃぇねか!」
リフト「クモルモットですね 懐かしい」

「シャァーーー!!」

新しい仲間に 二人もすぐに打ち解けたわ。
え? クモルモットのほうが常識なの?何この感じ?

バールは仕事を探しに、リフトは古代の魔物の情報を集めに街を回っていたらしいわ
でも どうして仕事なんて探そうと思ったのかしら?
それが 魔導都市メキストは魔導都市だけあって最初は魔石の採掘所だったらしいのよ。
私にはわからないけど 地下の魔石の採掘が再開されてダンジョン内の魔物と戦える兵士の募集があったんですって。
古代の魔物の情報を集めるなら 噂を集めるよりも組織に潜り込んだほうがいいと思ったらしいわ。
バール「・・という訳だ。勇者も住んでいるあの大国から聖女も呼び寄せるらしいし、メキストは騒ぎが収まるまでロウジョウを決め込むみたいだぜ」

よくわからないけど ピョンタがこの状況にいたら残念そうな顔をしてそうね。
私は お金の知識はないけど酔っぱらったピョンタが生前にダラダラと愚痴を言ってそうな光景が脳裏に浮かんだ。
つまり、、そう言うことね。
1.魔石が掘られたのは 魔法の代わりになる便利な魔石の需要が増えたから。
2.お金の価値が下がって物の値段が上がる。
3.魔石が増えることで 都の外に現れる魔物が増えたり強くなったりする。
4.都に立てこもって、魔石が減るまでやり過ごす。
つまり 物件が買えなくなったピョンタは お酒を飲んで愚痴をこぼすことになるわ。


トントン!
トン!トン!

部屋のドアをノックする音がしたから開けてみたら 宿屋の店主だったの。
貴族の使いの者が訪ねてきたらしいくて 手紙を持ってきてくれたわ。
読んでみると、ミリアのチビッ子モルモットレースを見ていた貴族がミリアの走りを見て感心したらしく
話を聞きたいから 食事に誘ってくれたのよ。

「私たちを食事に招待したいですって!」

まずいわね。貴族A・Bの親だったら 皮肉をたっぷり言われそうだわ。
名前を覚えておけばよかった。。。

リフト「エリータ・テレーザ・ディ・ローナ・・先走りましたね・・。いいえ 何でもありません。私は行くところがありますので失礼します。。」

手紙に書かれていた名前を読んだ リフトはそそくさと出て行ってしまったわ。
知り合いなのかしら?
チビッ子モルモットレースの話をしたときに「仕返しかしら?」といったら
「それはないでしょう」と言っていたけど自信がありそうだったし信じてもいいかもしれない

バールも付いてきてくれるみたいだし 私たちは貴族の家に向かうことにしたの

マリア! 出番よ!!
私は 「マリアの笛」を吹いたわ。

ピロリロリ♪

「お嬢様 コスチュームチェンジですね!」

私とミリアは ゴシックな正装になったの。
着せ替えが終わったマリアま満足げに去ろうとしたけど 宿の前にいるクモルモットと鉢合わせになってしまったのね。
大変 きっと キャーとか叫んじゃうわ。

マリア「あれ? クモルモットだぁ 懐かしいな」
ようやく私と同じ人が現れたと思ったのに それはないわよ。

「マリア 無理しなくていいのよ。あなたも初めて見たでしょ?でも ちょうどよかったわ」

コスチュームチェンジ!!
パッ!!

クモルモットのオーディンは モルモットの着ぐるみを着た可愛い姿になった。
これで 貴族のところへ行けるわね。ふふふ
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」 「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」  私は思わずそう言った。  だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。  ***  私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。  お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。  だから父からも煙たがられているのは自覚があった。  しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。  「必ず仕返ししてやろう」って。  そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

処理中です...