絆のゲーム: 生き残りの誓い

モルモット

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「さあ始めようか、このゲームの説明を。ルールはシンプルだ。みなさんは『プレイヤー』として、投票によって選ばれた上位者を標的にし続ける」

節男の言葉に参加者から不満の声が上がる。節男をやじる者も。

「賞金は十分に用意した。好きなように戦えばいい。倒されるまで命を削るんだ」

その瞬間、泣き崩れる女性が飛び掛かってくる。節男は「このメンヘラが!」と叫び、制服の男に射殺を命じる。
銃声と共に女の身体が空中に吹き飛ばされた。音もなく倒れ伏した女は、血の海の中でマネキンのごとく動かなくなっている。

女性が虐殺された光景に、男性参加者の中には見向きもしなかったであろう女性への異様な興奮が走る。はぁはぁと異様な吐息が漏れるのであった。

「おい月島。こりゃあ相当怖いことに巻き込まれちまったな」

「そうだね...。まさかこんなオチになるとはな。逃げ出したくもなるが」

「この狂ったゲームに参加するしかないみたいだ。怖いが、野郎どもには負けん!」

「ああ、そうだ。後ろめたい顔したくないからな。なんとか生き延びようぜ」
竜宮と月島は言葉を交わし、冷静さを失わない。法則破りのゲームであるほど、理性が生き残りを左右すると悟るのだった。


節男は メンヘラ女を蹴り飛ばし、簡素にかたずけられた舞台で説明は続けられた。

「このゲームで勝ち残れば、名誉と賞金が手に入る!その代償として戦って勝たなければ、みなさんはおいしい餌食になるだけだ」

「覚悟しろ!最後の1人が生き残るまで戦い続けるのだ。それがデスゲームのルールだ!」

節男の恐怖政治に参加者の動揺が高まっていく。しかし竜宮と月島だけは冷めた分析を始める。

「物資を奪い合う流れになりそうだ。警戒しながら仲間を集める必要がある」

「そうだね。この島からの脱出も視野に入れつつ、戦略を立てる必要がある」

節男たちが去った後は 追いかけようというものもいない。
二人は仲間を見回し、信頼できそうなメンバーの顔ぶれを検討し始めた。

改めて女性死亡の惨状に、ニートグループから悲鳴が上がる。
一方で重犯罪グループは容赦ない笑い声を漏らす。
「女は 久しぶりだなぁ~」
「見ろよ。 あのメンヘラちゃん もう濡れてるぜ。おじさま大好きってか?」
「がははは もう真っ赤になっちまったじゃねぇか?」

「黙れよクズども!同じ境遇なんだから仲良くしろよ...」
ニートの1人が訴えるも、犯罪者から汚い悪態が返ってきた。

「気の毒にボロニートが情けをねだっちまってよ。ウダウダ言ってんじゃねぇぞ」


竜宮は月島に言う。
「食料や武器は奪い合う流れになりそうだ。うまく仲間を説得できれば有利かもしれんな」

月島も「その通りだ。 SIGNALを送ってみるか」と返事する。

二人が小声で話し合うそばで、ニートと重犯罪者の仲間割れは先鋭化していった。

「食料争奪で主導権を握れるかもしれん。奴らを味方に引き入れるチャンスだ」
竜宮がぽろりとつぶやくと、月島も「その考えはいい。スカウトする価値ある奴を探そう」と返してきた。

二人は納得顔で仲間集めの標的となりうる参加者たちを選別し相応しい人材を集結させようと考えた。
「食料争奪で主導権を握れるかもしれん。奴らを味方に引き入れるチャンスだ」
竜宮がぽろりとつぶやくと、月島も「その考えはいい。スカウトする価値ある奴を探そう」と返してきた。

「この非常事態下で筋肉が一番の武器だ。腕立て伏せ1000回が今日の目標だ」

廃墟の片隣で半裸になって必死に腕立て伏せを繰り返す男。火村剛蔵と名乗ったその男は、練られた筋骨隆々な肉体を誇示する。

竜宮はそんな火村の能力に可能性を感じ、声を掛ける。「お前の腕前ならこのゲームもある程度有利かもしれんな」。火村も「この腕と力じゃ何とかなるさ」と意気込みを見せる。

他にも、アニメソングを歌っている渚という音楽少年を見出し、歌声と楽器演奏の才能を引き出す。

竜宮は「その歌声と演奏技術、こころを癒してくれそうだ。仲間の士気向上にいい」と役立ちそうな要素を判断する。

渚も「竜宮さんを喜ばせられるなら何でもするよ! 歌いたい曲があったらリクエストして」と意欲を見せる。

竜宮は渚の人懐こさにも好感を抱き、取り込む価値があると兆候をつかんだ。

こうして竜宮達は、戦力となりうる参加者を見極め、自陣営に取り込んでいった。
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