FRIENDS

緒方宗谷

文字の大きさ
354 / 796
二年生の一学期

♨️

しおりを挟む

 春樹に呼ばれてやって来た務が加わる。
「詳しくは知らないけど、那須が近いなら、新幹線で行けるんじゃない? もし迷惑じゃなかったら、僕も行きたいな。最近、塾で机に向かいっぱなしでいるから、たまには息抜きしたいよね、根気詰めるのもよくないし」
「温 泉 いいなぁ。わたしも 入りたい なぁ」奈緒が羨ましそうに言葉を粒立てて呟く。
「酸性の温泉だったかな。十円玉を入れると変色するの。それが不思議で、何枚も試した気がする。あと、飲んでみたら、歯が溶けるって怒られた。そういえば、山の中なのに、なんでお刺身が出るの? ってお母さんに聞いたら、笑ってた。お父さんも、仲居さんの前では言っちゃいけないぞっだって」
「さすがバカ」春樹が称賛した。
「嬉しくないよ」
「杏奈も誘って五人で行こうぜ。一年の時の同窓会ってことで。連休の一部は部活休む。最後の日曜日は大会があるからさけてくれよ」
「地区のやつ? 多いよね、練習試合に毛が生えただけのやつ。あんまり多すぎて、だんだん呆れてきたよ」
 奈緒も頷く。
「うん。勝っても負けても、なんかどうでもいい、かな? ありがたみがないって言ったら変だけど、もう どうでもいい」
「まあ、そう言ってくれるなって、今後も応援頼むぜ」
 続々と教室に戻ってくる生徒たちを見やった春樹が続ける。
「お、もう少しで休み終わるか。とりあえず、なんか予定考えておいてくれよ。俺、今からA組に行って、杏奈にも声かけてくるからさ」
 そしてそのまま教室をあとにする。
「じゃあ、どうしよっか。今日バイトないから放課後時間あるけど」
 南がそう言いながら、務を見た。
「僕は、塾があるからなぁ」
「じゃあ、わたしのうちで作戦会議」と奈緒。
 南がこの言葉へ同意したことが合図となって、二人が自分の席に戻った。
 待ち遠しいのか、この子はそわそわしながら一日を過ごして、七時間目の授業が終わると同時に、南のところへぴょこぴょこ駆けて行く。そして、部活へと向かう準備をしている瑠衣と陽菜子にバイバイをして教室をあとにし、自宅へと向かった。







しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません

竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──

ホッとコーヒー ~偶然見つけたカフェのひととき~

緒方宗谷
エッセイ・ノンフィクション
美味しいコーヒーのお話。 たまに更新します。 店名や場所は特定しないので、お散歩がてら探してみてください。 タイトルにある地名は、最寄駅です。

讃美歌 ② 葛藤の章               「崩れゆく楼閣」~「膨れ上がる恐怖」

エフ=宝泉薫
青春
少女と少女、心と体、美と病。 通い合う想いと届かない祈りが織りなす終わりの見えない物語。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...