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二年生の一学期
🐿️
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襟元をなんとか立たせて頬を外気から覆った南が右のほうに頭を向けて、すぐそこの十字路を見やる。
「昨日の夜おばあちゃんに聞いたんだけれど、そこらへんを曲がった先にパン屋さんがあるらしいんだよね」
「行く」奈緒が一周回りそうな勢いで忽然と振り返って、間髪入れずに答える。
しかもそのまま、少しの意向をも聞くそぶりを見せずに歩み始めたので、みんながそれに続いた。右折してしばらく行くと、突き当りに小さなお店を発見して中に入る。
「「「きゃぁー、かわいいー」」」
女子三人が甲高い嬌声を上げて騒ぎ出した。人が三人入ったらいっぱいになるほど狭い店内には、点数は少ないものの小さなパンが何種類か並べられていて、そのどれもが可愛らしい形をしている。
奈緒が瞳を輝かて、フィルムに包まれたパンを刮目した。
「チョコ入ってるって。くまの中にチョコ入ってるっていうから、たぶんぜったい買わなきゃいけないやつだ」
そう騒いで、二つしかないくまちゃんパンを一つ二つと手に取る。
指の下にぶら下がった二匹のくまちゃんを南が見下ろしてから、入ってきたドアの外を窓越しに見やった。
「後ろに人並んでいるから、一つにしておきな。カウンターの奥でも今焼いてるみたいだけど、追いつかなくなると、せっかく来たお客さんが悲しい思いするからね」
「そうだね」奈緒はそう言って一つ戻す。「そもそもウケる。たぶんとぜったいどっちかにしなきゃ」
「分かってんのかよ」
驚いた春樹同様、ちょっとした驚愕の表情を見せたみんなの輪の空気に、店主の女性が顔だけを少し近づけて話し掛けてきた。
「くまちゃんパンは、焼きあがったのが少しありますので、ご用意しますね。だいたいは午後になってから焼き上がるので、今は数が少なくてごめんなさい」
みんながカウンターの奥にある厨房を見やると、三匹のくまちゃんパンが台の上で寝転がっている。
春樹が言った。
「後ろに並んでいる人が子ずれだから、あれは残したほうがいいよな。俺はこのいちじくとクルミのパンにしとくか。杏奈たち三人は可愛いのがいいだろ、くまちゃんパン選びなよ」
「じゃあ僕もいちじくのにしよう」
務がそう呟いたので、春樹は手に取ったパンを渡した。
「昨日の夜おばあちゃんに聞いたんだけれど、そこらへんを曲がった先にパン屋さんがあるらしいんだよね」
「行く」奈緒が一周回りそうな勢いで忽然と振り返って、間髪入れずに答える。
しかもそのまま、少しの意向をも聞くそぶりを見せずに歩み始めたので、みんながそれに続いた。右折してしばらく行くと、突き当りに小さなお店を発見して中に入る。
「「「きゃぁー、かわいいー」」」
女子三人が甲高い嬌声を上げて騒ぎ出した。人が三人入ったらいっぱいになるほど狭い店内には、点数は少ないものの小さなパンが何種類か並べられていて、そのどれもが可愛らしい形をしている。
奈緒が瞳を輝かて、フィルムに包まれたパンを刮目した。
「チョコ入ってるって。くまの中にチョコ入ってるっていうから、たぶんぜったい買わなきゃいけないやつだ」
そう騒いで、二つしかないくまちゃんパンを一つ二つと手に取る。
指の下にぶら下がった二匹のくまちゃんを南が見下ろしてから、入ってきたドアの外を窓越しに見やった。
「後ろに人並んでいるから、一つにしておきな。カウンターの奥でも今焼いてるみたいだけど、追いつかなくなると、せっかく来たお客さんが悲しい思いするからね」
「そうだね」奈緒はそう言って一つ戻す。「そもそもウケる。たぶんとぜったいどっちかにしなきゃ」
「分かってんのかよ」
驚いた春樹同様、ちょっとした驚愕の表情を見せたみんなの輪の空気に、店主の女性が顔だけを少し近づけて話し掛けてきた。
「くまちゃんパンは、焼きあがったのが少しありますので、ご用意しますね。だいたいは午後になってから焼き上がるので、今は数が少なくてごめんなさい」
みんながカウンターの奥にある厨房を見やると、三匹のくまちゃんパンが台の上で寝転がっている。
春樹が言った。
「後ろに並んでいる人が子ずれだから、あれは残したほうがいいよな。俺はこのいちじくとクルミのパンにしとくか。杏奈たち三人は可愛いのがいいだろ、くまちゃんパン選びなよ」
「じゃあ僕もいちじくのにしよう」
務がそう呟いたので、春樹は手に取ったパンを渡した。
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