FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🐿️

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「そうじゃなくて、右? 右?」奈緒は首を傾げながら、半分回ったり元に戻ったりを繰り返す。
 それを見た南が、ハッとした。
「そうか、あいつ、駅の前を右に行くって言ってたけど、駅に向かって右か、駅に背を向けて右か言ってなかった。どっちだろ。ちょっと電話するから待ってて」
「とりあえずお土産買っていこうよ。たい焼き屋さんにいこー、おー」
「帰りにね」
「じゃあとりあえず、あそこの鶴屋千年堂なんかでなんか買っていこう」
 奈緒が、南と話す電話口の春樹の案内を待たずに歩みだすと、そのままお菓子屋さんへと入っていく。どら焼きの入った紙袋を手にして出てくると、外で電話をしながら待っていた南に合流して、少し先にある横道に入った。
「いいね。ここは 安全で い い ね」突然はしゃいで呟く。
「どういうこと?」
「ほら、二十四時間営業のがあって、いいね」
「コンビニってこと? 確かに明るいし必ず人がいるから、なにかあった時頼りになるよね」
「それもそうだけど違う。二十四時間営業のやつ」
「コンビニ以外になんかあるの?」
「ほらあれ」
 電柱を指さす。そこには何もなく、南は訝しげに首を傾げた。
「日本は平和でいいですねぇ」奈緒が柔和に微笑む。
 この子が何度かさした指の先には、防犯カメラが設置されていたが、結局南は分からない様子で「そうだね」と答えて聞き流した。
「おーい、こっちこっち」どこからともなく春樹の声がして、その出所を探した二人は、部分部分がコンクリートの打ちっぱなしになった建物の二階から手を振る彼を見つけた。
 大きく開口された駐車場側から先に敷地に入った南が、二階建ての建物を一望する。
「へぇ、高木って結構いいうちに住んでるじゃない。本物の木じゃないよね、このアイボリーの。木目調のデザインのパネル貼ってるんだろうね。大きくもないし庭もないけど、三列シートのワゴンタイプを悠々おさめられるほどの駐車場があるし、なかなか住み心地よさそう」
「あ、ばすけっとごーるだっ」奈緒がけたたましく声を上げて、車のない駐車場の奥の上のほうを指さす。
 南が軽やかに口笛を吹く。
「すごいね。雨ざらしでだいぶ傷んでるみたいだけど、あいつ家にいる時も練習してるんだね」



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