FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🐿️

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 奈緒が嬉しい悲鳴を上げた。
「思ったのよりすごい豪快。山で食べるやつみたい。これ、これに乗ってて」と台木を指さす。
「使い込まれた木のプレートに情緒があるよね。全体的に色が暗いけどパセリがかかってるし、焼いたズッキーニと赤パプリカがあるから、ちゃんと明るさを添えてる」
 南は頬杖をついて、ついてきた箸、フォーク、スプーン、ナイフの中からスプーンを取った奈緒の左手がハンバーグを一口サイズに掬い上げるのを見ていた。
「それにしても分厚いね。指二本分くらいの厚みがあるんじゃない。よく焼いたね、こんなの。結構玉ねぎ入ってるみたいだけど、大丈夫なの?」
「ふぎゃ、知らせないでく“ら”さーい」
 奈緒から、小学校のホームルームでいたずらっ子をやり玉に挙げるように言い放たれた南が、へらりと笑う。
「一口ちょうだい」
 そう言って、未使用の箸でちょっと大きめに切り分けようと、腕を伸ばす。
「案外緩めにこねられてるんだね、お箸を入れると砕けてそぼろ状になる
なんとかつまみ上げて、そのまま口に放り込む。
「はふはふ、あっつっっ、焼き石を口に入れたかと思うほど熱々」
 高熱から逃れようとする細胞のせいで、表情筋が変な方向に歪んで薄目で口を半開きにした南を見て、奈緒がコロコロと音をたてて笑う。
「細かい肉のつぶつぶがつぶつぶのつぶのままだから、おかげでさまで、ケチャップソースがよく絡んでる」
 水をほぼ飲み干した南がコップをテーブルにおいて、ダメージのある紺デニムに包まれた右足をテーブルの下から放り出した。そんな手持無沙汰な様子の彼女に対して、奈緒が話しかける。
「わたし、オムライスとハンバーグと餃子があれば、一生幸せ。これだけで生きていける」
「スイーツはいらないんだ」
「いる。べつばらだから」
 南は、赤い唇に皺が寄るくらいすぼめると、唯々諾々と受け入れた様子で何度も頷く。それを見た奈緒は、満足した様子でにっこりと微笑んだ。
 この子が幾枚ものメモと睨めっこしながら、モモタの便箋に清書していく。ずっと黙って見ていた南が、思わず口を開いた。
「あれ? 誕生日9月になってるよ。7月の間違いじゃない?」
「そうだよ、しちがつ」そう言いながら、もう一度9月と書く。
 南は指文字で何度もテーブルをこすりながら、「7月」と伝える。
「わたしなんて書いた?」
「9月」


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