FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🎁

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 そう言って紙の包みをマウンテンパーカーのポケットから取り出し、手のひらで掬った水をわたすようにそっと奈緒に差し出した。
「わぁ、ありがとう」
 すぐに封をはずして中身を取り出すそのさまを見ながら、春樹が続ける。
「変な顔シリーズから選んだ」
 二重リングをつまみ上げると奈緒は、眼前に現れたイルカとジュゴンのハーフである人魚姫のニーラがぬけちゃんみたいな目でたこ口をした、十センチ程度のぬいぐるみを目の当たりにして、「ぶはははは」と笑う。
「おおもしろい笑い方する子だね」
 春樹が少し引き気味に言って続ける。
「モモタ好きだから、お友達に加えてくれればいいと思って。最初は戸越銀座のゆるキャラが茶虎の猫だからそれにしようかって考えたんだけど、モモタで集めてる感じだし、これにした。ちなみに戸越銀座のゆるキャラは、目がクリっと丸くて、胸に三日月模様のある二足で直立した笑顔のやつで、結構な可愛さを誇っていると自負してるぜ。今度機会があったら買ってみてくれよ」
「うん、ありがとう」奈緒が満面の笑みを湛えてこくりと頷く。
「わたしからはこれ」
 南が大事そうに黒いリュックから奇麗に包装されてリボンで結ばれた箱を出す。奈緒は、喜々としてリボンを解いて、中身を見るのを待ちきれない子供のように、とても嬉しそうに瞳を輝かせながら、乱暴に包み紙を破る。
 現れたのは、群青色のビー玉を針金でうまく絡めてトーチ状のぶどうのような形に整えた手のひらサイズの壁飾りだった。
 南が照れながら、膨らませたシャボン玉を吹くようにぽつぽつと言葉を繋げる。
「上手くできなかったけど、お店の人にレクチャー受けながら、わたしが作ったの。こういうのは奈緒のほうが上手かもしれないけど、ぜひ貰って。描いた絵はがきと一緒に飾ってくれると、すごく嬉しいかな」
「とってもすてき。大切にするね」奈緒が声を弾ませる。
 楽し気な会話が続く中、いよいよもって務の顔色が蒼白と化す。奈緒は務のほうに視線を向けなかったが、視界の隅には納めている様子だった。それを少し俯瞰するように眺めていた春樹が、微かに心地いいノイズ交じりの声を優しく奏でる。
「結構一生懸命考えたんだぜ。少ない小遣いやりくりして、お前のためにあれでもないこれでもないって選んだんだ。モモタ同様大切にしてくれよな」





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