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二年生の二学期
🐿️
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一瞬裏返った声で短い悲鳴を上げた瑠衣が答える。
「タイマンの間違いでしょ。いいこととは言い難いけどぉ、ケンカしたい者同士でしていたのなら、いいんじゃなーい? べつにぃ。それに心根はやさしいと思うよぉ、なおちんのこといじめから守ったんだしぃ」
「どうだか。すごい貧乏なんでしょ、小沢さんって。成瀬さんに色々おごらせるために近寄ったってむきもある。ああいうのがいるから、いつまでたってもうちの高校、わるいイメージが抜けないんだよ。この学校ただでさえ偏差値低いのに、その上犯罪者が紛れてるなんて信じらんない。わたしは関わりたくない。このままやめてくれる方がいいんじゃない? 成瀬さんだって、付き合わないほうがいいよ、あんなのと」
「どうせあなたは、小沢さんが怖いだけでしょ。びびっちゃって情けない」
「なによ」
陽菜子が壁から背を離して、上半身ごと顔を瑠衣に向けると、彼女も眉間にしわを寄せて頬を紅潮させ、大きな瞳で見つめ返した。
「なによってなによぉ。小沢さんがいる間はおとなしかったくせに、来なくなったら急に悪口言い出すなんて、サイテー」
突然に剣呑な空気が漂い始めて、慌てだした奈緒が二人の手の甲に手のひらを交互に添えて、必死になだめる。
「えっ? えっ? えー? やめよう? けんかはやめよう?」
二人は答えずに見つめあっている。
「せっかく 久しぶりに 話しかけてくれたのに、けんかをしないでください。二人の順番が回ってくるまで、お話ししましょう?」奈緒が懇願した。
滑らかで白皙の柔肌を弛緩させた瑠衣が、再び壁によっかかって、奈緒に笑顔を送る。だが、その左隣りに座った陽菜子が、真剣な表情を崩さずに声のボリュームを下げて続ける。
「でもさぁ、暴走族だったってことは事実なんでしょ? 補導されたとか児相入りとか間違いないみたいじゃない」
「タイマンの間違いでしょ。いいこととは言い難いけどぉ、ケンカしたい者同士でしていたのなら、いいんじゃなーい? べつにぃ。それに心根はやさしいと思うよぉ、なおちんのこといじめから守ったんだしぃ」
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「どうせあなたは、小沢さんが怖いだけでしょ。びびっちゃって情けない」
「なによ」
陽菜子が壁から背を離して、上半身ごと顔を瑠衣に向けると、彼女も眉間にしわを寄せて頬を紅潮させ、大きな瞳で見つめ返した。
「なによってなによぉ。小沢さんがいる間はおとなしかったくせに、来なくなったら急に悪口言い出すなんて、サイテー」
突然に剣呑な空気が漂い始めて、慌てだした奈緒が二人の手の甲に手のひらを交互に添えて、必死になだめる。
「えっ? えっ? えー? やめよう? けんかはやめよう?」
二人は答えずに見つめあっている。
「せっかく 久しぶりに 話しかけてくれたのに、けんかをしないでください。二人の順番が回ってくるまで、お話ししましょう?」奈緒が懇願した。
滑らかで白皙の柔肌を弛緩させた瑠衣が、再び壁によっかかって、奈緒に笑顔を送る。だが、その左隣りに座った陽菜子が、真剣な表情を崩さずに声のボリュームを下げて続ける。
「でもさぁ、暴走族だったってことは事実なんでしょ? 補導されたとか児相入りとか間違いないみたいじゃない」
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