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二年生の二学期
🍌
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彼の境遇など、どこ吹く風といった様子の奈緒が、スプーンを置いた。
「あー、おいしかった。ごちそうさまでした。見た目もなんとかさまになってたし、おなかに入ればみんな一緒だね」
「身も蓋もねーな、一つ星シェフ捕まえて。いろんな意味でびっくりだよ」
グッジョーブって顔をする奈緒に、大の大人が口を閉じられずにぱくぱくとさせる。
「……なんで俺、慰められてんの?」
「それでは、フルーツのお時間でーす。値引き された 黒バナナ。一緒に一本ずつ食べましょう」
「お、いいチョイスだな。ねっとりとしたやつが一番うまいんだよ」
恭介が、待っていましたとばかりに身を乗り出すと、こたつに肘をついて手のひらをこすり合わせる。
「どれにしよう」と呟いた奈緒が、五本のうち一番小さいのを選んで毟り、恭介に渡す。
「お母さんはきらいだって言ってた。おばあちゃんとわたしは大好きだけど」
「果物は、腐りかけば一番うまいんだよ。それじゃああれだろ、柿なんかも熟しきってんのが好きなんだろ」
「あたりぃっ。わたしはほんと、幸せですねぇ。だって、これも、あれも、安くなるから」
「そうそう。一番うまい時が一番安い」
奈緒と恭介が、一本のバナナをもぐもぐ食べながら笑う。
「でも本当においしかった。わたしが失敗ばかりなのに」この子が改まる。
「あ、知ってて言ってたの? やな性格」
名残惜しそうにバナナの皮の内側にある白い層を歯でしごきとって食べた恭介が、天井のシミを見やって、ズズズっとまたお茶を啜る。
「とりあえずこの場はしのいだけど、すでに明日の分がねぇ。金が見つからなくて買うもんも買えねぇから、一緒に探してくれ」
「いいよ、だめだけど」
「どっちだよ」
「いいよってこと。だめだけど」
「言ってること変わってねーよ、わけわからん」
大々的に展開される二人の現金捜索活動は、全部屋の隅々へと及ぶ。
すでに恭介が何度も探した南の部屋を探していた奈緒が、タンスの一番下の引き出しを左右交互に引っぱって開ける。するとすぐに、あるものに目がとまった。満載になった下着の右上の端に一緒になって置いてあったのは、薄ベージュの巾着袋。隣の居間にいる恭介が、この部屋に背を向けていることを確認して手に取ると、幼児のお遊戯さながらに「ないなぁ、ないなぁ」と、大きめな声で呟く。妙な大根役者っぷりを発揮して、大ぶりな動きでぎこちなく紐をほどいて中をのぞく。
「あー、おいしかった。ごちそうさまでした。見た目もなんとかさまになってたし、おなかに入ればみんな一緒だね」
「身も蓋もねーな、一つ星シェフ捕まえて。いろんな意味でびっくりだよ」
グッジョーブって顔をする奈緒に、大の大人が口を閉じられずにぱくぱくとさせる。
「……なんで俺、慰められてんの?」
「それでは、フルーツのお時間でーす。値引き された 黒バナナ。一緒に一本ずつ食べましょう」
「お、いいチョイスだな。ねっとりとしたやつが一番うまいんだよ」
恭介が、待っていましたとばかりに身を乗り出すと、こたつに肘をついて手のひらをこすり合わせる。
「どれにしよう」と呟いた奈緒が、五本のうち一番小さいのを選んで毟り、恭介に渡す。
「お母さんはきらいだって言ってた。おばあちゃんとわたしは大好きだけど」
「果物は、腐りかけば一番うまいんだよ。それじゃああれだろ、柿なんかも熟しきってんのが好きなんだろ」
「あたりぃっ。わたしはほんと、幸せですねぇ。だって、これも、あれも、安くなるから」
「そうそう。一番うまい時が一番安い」
奈緒と恭介が、一本のバナナをもぐもぐ食べながら笑う。
「でも本当においしかった。わたしが失敗ばかりなのに」この子が改まる。
「あ、知ってて言ってたの? やな性格」
名残惜しそうにバナナの皮の内側にある白い層を歯でしごきとって食べた恭介が、天井のシミを見やって、ズズズっとまたお茶を啜る。
「とりあえずこの場はしのいだけど、すでに明日の分がねぇ。金が見つからなくて買うもんも買えねぇから、一緒に探してくれ」
「いいよ、だめだけど」
「どっちだよ」
「いいよってこと。だめだけど」
「言ってること変わってねーよ、わけわからん」
大々的に展開される二人の現金捜索活動は、全部屋の隅々へと及ぶ。
すでに恭介が何度も探した南の部屋を探していた奈緒が、タンスの一番下の引き出しを左右交互に引っぱって開ける。するとすぐに、あるものに目がとまった。満載になった下着の右上の端に一緒になって置いてあったのは、薄ベージュの巾着袋。隣の居間にいる恭介が、この部屋に背を向けていることを確認して手に取ると、幼児のお遊戯さながらに「ないなぁ、ないなぁ」と、大きめな声で呟く。妙な大根役者っぷりを発揮して、大ぶりな動きでぎこちなく紐をほどいて中をのぞく。
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