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自分のことしか考えないノラ猫たちの話
感謝の心を忘れると、悪い子になっちゃうよ
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港町には潮の香りと共に、お魚の匂いがして、モモタはわくわくします。
お家のお魚屋さんと違って、ここのお魚屋さんは気前が良いので、たくさんのお魚が食べられるお魚天国です。
「こんにちはー、お魚ちょうだい、にゃあにゃあにゃあ」
「お、新入りだね、今日は活きの良いアジが残っているよ」
おねだりするモモタにも、お魚屋さんは気前が良いです。
「海って良いところだなぁ、当分ここに泊まっていこう」
モモタはここの猫たちと、毎日お魚屋さんに遊びに行きました。
タイ、カジキ、キス、カサゴ、初めて食べるお魚ばかりです。今まで見た丸ごとのお魚は、アジとイワシとハゼだけですから、モモタはびっくりです。
「あれ?どうしたんだろう」
ある日、いつものようにお魚をもらいに行くと、お店の周りにたくさんの猫たちが集まって、にゃあにゃあ騒いでします。
「ごめんなぁ、みんな。
今日は海が大時化で、お前たちにあげられるほどの魚が無いんだよ」
お魚屋さんは申し訳なさそうに言いました。
「なんだよ、お魚くれよ」
「そうだ、今あるやつをよこせやい!」
「売り物があるなら、私たちにくれてもいいでしょ!?」
集まった猫たちは、次第に熱くなっていきました。
「みんな、よそうよ。
お魚屋さんが困ってるよ」
モモタがそう言うと、何匹かがかじってきたので、その場から離れて見ていました。
「お魚屋さんよ、俺たちがひもじい思いをしても良いってのかい?」
「僕達にお魚をくれて当たり前でしょう?」
何だか、おかしなことを言い始めます。モモタは止めたいのですが、数が多すぎて何もできません。
「フニャァ!!」
そんな中、一匹の猫がお魚屋さんのスネに爪を立てると、別の一匹が、売り物のお魚をくわえて、逃げて行きました。
「あっ!お前ら何をするんだ!」
お魚屋さんが叫んで、猫を追い払いますが、興奮した猫たちに、何匹かのお魚が持って行かれてしまいました。
みんなを見ると、満足そうです。お魚をくれない悪い人間を懲らしめてやったんだと、みんなに自慢していました。自分達が泥棒したとは気が付いてないようです。
しばらくして時化が終わると、大豊漁。猫たちは喜び勇んで、お魚屋さんのところに行きました。
集まってきた猫に、お魚屋さんは言いました。
「ダメだよ、もうお魚はあげないよ。
お前たちはあんなにひどい事をしたんだから」
お魚屋さんは、罰として3か月間、お魚をあげない事にしたのです。他のお魚屋さんに行っても同じでした。
「誰だ?お魚屋さんを引っ掻いたのは!」
「勝手にお魚を食べたのがいけないのよ」
あの時暴れた猫たちは肩身がせまくて、その場から退散です。
モモタは、騒ぎに参加しなかった子猫に言いました。
「何でもタダでもらえると思っているって、とても怖いことだね」
お家のお魚屋さんと違って、ここのお魚屋さんは気前が良いので、たくさんのお魚が食べられるお魚天国です。
「こんにちはー、お魚ちょうだい、にゃあにゃあにゃあ」
「お、新入りだね、今日は活きの良いアジが残っているよ」
おねだりするモモタにも、お魚屋さんは気前が良いです。
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「ごめんなぁ、みんな。
今日は海が大時化で、お前たちにあげられるほどの魚が無いんだよ」
お魚屋さんは申し訳なさそうに言いました。
「なんだよ、お魚くれよ」
「そうだ、今あるやつをよこせやい!」
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集まった猫たちは、次第に熱くなっていきました。
「みんな、よそうよ。
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モモタがそう言うと、何匹かがかじってきたので、その場から離れて見ていました。
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「僕達にお魚をくれて当たり前でしょう?」
何だか、おかしなことを言い始めます。モモタは止めたいのですが、数が多すぎて何もできません。
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そんな中、一匹の猫がお魚屋さんのスネに爪を立てると、別の一匹が、売り物のお魚をくわえて、逃げて行きました。
「あっ!お前ら何をするんだ!」
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