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神社のそばのお友達
死んだらなんにも残らないんだから
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とても遠くまでやってきました。
今モモタは格好良い車の助手席の下でお昼寝しています。ちなみに知らない人の車です。
モモタは、どこか新しいところに旅行に行こうと思って、格好良い星の印のあるスポーツカーに乗り込むお兄さんの足の間をすり抜けて、助手席に隠れたのでした。
海を見渡せる道路を抜けた車がスピードを落とします。
軽い重力を横から感じたモモタが、目を覚ましました。
自動販売機でジュースを買うために車を降りたお兄さんに気がつかれないように、モモタも一緒外にでます。
辺りは清々しい色の緑に包まれた背の低い横長の山が連なる綺麗な景色が広がっていました。
田畑がに囲まれた一本道です。
モモタは、遠くから香る“ぼかし”という肥料の酸っぱい匂いを吸い込みました。
ぼかしの香りに交じって牛さんの匂いも漂ってきます。
モモタは行ってみることにしました。
しばらくして見えてきた壁のない長屋を見つけたモモタは、思わず立ち止まって首を傾げます。
辺りは狭い原っぱしかありません。他に動物はいませんでした。牧場ではないようです。
牛さん一頭が入ったら身動きが出来ないほど狭い囲いがいくつもあって、それぞれに牛さんが閉じ込められています。
牛さんたちの声が聞こえてきました。
「うぇ~ぷげっぷ。ごくらくごくらく」
「なんらぁ~、お前顔がたれて溶けてらぁ」
「お前ら、酔ーってる、酔ーってる」
「わぁぁ、いつのまにー、牛が30頭に増えてるー」
モモタが数えると、10頭しかいません。
牛たちはでろんでろんに酔っている様子でした。
モモタは、話しかけてみよう、と行ってみます。
みんなぽっちゃりしていましたが、その中で一番痩せていて、まともそうな牛に話しかけました。
「牛さん大丈夫? 無理やりお酒飲まされたの?」
「なんらぁ~、猫の顔した蛇がおるーげっぷ~」
お酒臭くて、モモタが顔をしかめます。
「どうにかして、そこから出ないと・・・」
モモタがそう言うと、別の牛が声をかけてきました。
「ひっくひっく、自分で出れるさ。でも出ないんだ。
見てこの柵腐っているだろ?僕の力なら、少し押したら折れるから」
モモタは言いました。
「じゃあお外に出ようよ。
原っぱは狭いけど、お日様の下に出て遊んだら、とっても気持ち良くて、酔ってなんかいられないよ」
牛さんたちは笑います。その中で、一番酔っていて、立っていることもままならずに千鳥足でいる牛さんが言いました。
「ここはごくらーく、お酒いっぱい飲めるから。うえっぷひっく。
ひっくひっく。おつまみたくさん干し草だらけ。うえっぷひっく、わはははは」
「本当、本当、ごくらく天国この世の楽園」と、みんなも大いに笑います。
モモタは言いました。
「でも食べてるだけだよ。
食べるのは楽しいけど、何か違うよ」
すると、千鳥足の牛さんが、更に千鳥足になりながら言いました。
「どうせみんな死ぬんだ。
楽しめた方が良いじゃない」
それ、楽しめているの?
今モモタは格好良い車の助手席の下でお昼寝しています。ちなみに知らない人の車です。
モモタは、どこか新しいところに旅行に行こうと思って、格好良い星の印のあるスポーツカーに乗り込むお兄さんの足の間をすり抜けて、助手席に隠れたのでした。
海を見渡せる道路を抜けた車がスピードを落とします。
軽い重力を横から感じたモモタが、目を覚ましました。
自動販売機でジュースを買うために車を降りたお兄さんに気がつかれないように、モモタも一緒外にでます。
辺りは清々しい色の緑に包まれた背の低い横長の山が連なる綺麗な景色が広がっていました。
田畑がに囲まれた一本道です。
モモタは、遠くから香る“ぼかし”という肥料の酸っぱい匂いを吸い込みました。
ぼかしの香りに交じって牛さんの匂いも漂ってきます。
モモタは行ってみることにしました。
しばらくして見えてきた壁のない長屋を見つけたモモタは、思わず立ち止まって首を傾げます。
辺りは狭い原っぱしかありません。他に動物はいませんでした。牧場ではないようです。
牛さん一頭が入ったら身動きが出来ないほど狭い囲いがいくつもあって、それぞれに牛さんが閉じ込められています。
牛さんたちの声が聞こえてきました。
「うぇ~ぷげっぷ。ごくらくごくらく」
「なんらぁ~、お前顔がたれて溶けてらぁ」
「お前ら、酔ーってる、酔ーってる」
「わぁぁ、いつのまにー、牛が30頭に増えてるー」
モモタが数えると、10頭しかいません。
牛たちはでろんでろんに酔っている様子でした。
モモタは、話しかけてみよう、と行ってみます。
みんなぽっちゃりしていましたが、その中で一番痩せていて、まともそうな牛に話しかけました。
「牛さん大丈夫? 無理やりお酒飲まされたの?」
「なんらぁ~、猫の顔した蛇がおるーげっぷ~」
お酒臭くて、モモタが顔をしかめます。
「どうにかして、そこから出ないと・・・」
モモタがそう言うと、別の牛が声をかけてきました。
「ひっくひっく、自分で出れるさ。でも出ないんだ。
見てこの柵腐っているだろ?僕の力なら、少し押したら折れるから」
モモタは言いました。
「じゃあお外に出ようよ。
原っぱは狭いけど、お日様の下に出て遊んだら、とっても気持ち良くて、酔ってなんかいられないよ」
牛さんたちは笑います。その中で、一番酔っていて、立っていることもままならずに千鳥足でいる牛さんが言いました。
「ここはごくらーく、お酒いっぱい飲めるから。うえっぷひっく。
ひっくひっく。おつまみたくさん干し草だらけ。うえっぷひっく、わはははは」
「本当、本当、ごくらく天国この世の楽園」と、みんなも大いに笑います。
モモタは言いました。
「でも食べてるだけだよ。
食べるのは楽しいけど、何か違うよ」
すると、千鳥足の牛さんが、更に千鳥足になりながら言いました。
「どうせみんな死ぬんだ。
楽しめた方が良いじゃない」
それ、楽しめているの?
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