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第三十七話 悪魔出現!? 呪われた孤高の触手
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夏だ! 水着だ! 海水浴だぁ! 雲一つない海日和。砂浜は誰もいない貸切状態。ローゼは、髪をポニーテールにしてライトオレンジのビギニ、エミリアはフリル飾りが可愛い白のモノキニ姿で「わー」と砂浜を走る。持ってきたボールと浮き輪を放り投げて、一目散に波打ち際まで走って行って足首までを海に入れた。
「冷たーい」と騒いでキャッキャとはしゃぐ。海水浴前の体操代わりにビーチバレーをしよう、と二人はおやつをかけて試合開始。サーブ、レシーブ、たまにアタック。風がないからボールが流されない。二人とも運動神経が良いからラリーが続く。だんだんテンションが上がってきた。
ローゼが楽しそうに笑って「次はクラゲさんの番よー」と言って、エミリアからの軽いアタックをレシーブして高く上げた。
「よーし任せて」と大きなクラゲは意気揚々。二人と同じくらいだから、ちょっと大きいなんてもんじゃない。
「上手いわ、クラゲさん」とローゼが褒めた。
クラゲから返されたボールをまた高く上げる。ちょっと遠くに放ったから、走って(浮いてる)行ったクラゲは上手くレシーブできずに転げてしまって、クラッシュゼリー化。笑いながら起き上った(?)クラゲは、「ワザと遠くに放ったんだろー(笑)」と、ローゼに向かって怒った素振りを見せる。
「うふふー、気づいちゃったー?」
「許さないぞー、待てー」
「うふふー、捕まえてごらんなさいよー」
「よーし」
ローゼとクラゲは、楽しげに波打ちぎわを走っていく。
幼子をあやすようにクラゲが笑う。
「あははははー、待て待てー」
「あははははー、早くわたしを捕まえてー――て誰じゃお前⁉」
と、ようやくローゼがつっこんだ。
「なんだ、気づいたの?」
「気づくよ、めっちゃ違和感むんむんじゃん」
駆け寄ってきたエミリアが、慌てるローゼを大笑い。
「でも、だいぶ長い時間気がつきませんでしたね」
「あんたも気がついていたなら声かけなさいよ。カメラ目線でイタズラぽく端っこに映るようにピースをしても、その描写がないから活字じゃ誰も分からないよ」
ご説明ありがとうございます。
「でも、ローゼさん、クラゲさんと良い感じでしたよ」エミリアが茶化す。
ローゼは赤面しながら腕を組んで、つっけんどんに言い放つ。
「――で、何なの、このおっきなクラゲ野郎は」
すると、大きなクラゲは喉(?)をトントン叩きながら言った。
「ワ~レ~ワ~レ~ハ~カ~セ~イ~ジ~ン~ダ~」
いや、おもいっきしクラゲだろう。
「ナンダ~、ロ~ゼ~、サベツ~スルノ~カ~?」
「ああ、ごめん、わたし人獣を差別したりしないわ。クラゲ人間(正確には人間クラゲ)見るの初めてだったから」
「だから違うって――ゴホゴホ、ワレワレハ~カ~セ~イ~ジ~ン~ダ~」
いや、今普通に喋っただろ。我々じゃないじゃん。我だろ? 一匹なんだから。
「僕のどこがクラゲに見えるって言うんだ」
お? 開き直った? て言うか泣き出した。
「僕だってただ楽しく海でみんなと遊びたいだけなのにー! おーいおいおいおい」
「かわいそうですよ、ローゼさん。一緒に遊んであげましょうよ」とエミリアが言う。
「そうね」
二人の会話を聞いて、急にクラゲの表情が明るくなった。
「ほんとー? ――いや、ホ~ン~ト~?」
もう良いよ。
「で、何したいの?」とローゼ。
「僕、随分前から憧れていたのがあるんだ」
モワモワモワ~と膨れるクラゲ野郎の回想シーン。海は海水浴の人々で溢れている。
「僕は独りぼっちだったから、イチャイチャする恋人同士が羨ましくってね。いつかは彼女と一緒に日焼け止めを塗りっこしたいって思ってたんだ」
「半透明だからいらないじゃん」
ローゼがそう言うと、「気分の問題」とクラゲ野郎がプンプン怒った。
「もしかして、海水浴客がいないのって、あんたが原因なんじゃないの?」
「そうなんだ。僕こんな見た目だろ? 地球人たちはみんな怖がって一緒に遊んでくれないんだ」
お前も地球人(獣)だろ?
「ワ~レ~ワ~レ~ハ~カ~セ~イ~ジ~ン~ダ~」
もう良いよ。
「可哀想ですよ」とエミリア。
しげしげとクラゲ野郎を見やってローゼ、
「でも、クラゲ人間なんて珍しいし、良い名物――失礼か……、良いマスコットにはなれる気がする」
「クラゲデハ~ナ~イ~!」
ざっぶ~ん
突然高波が発生して、ローゼたちが海に飲まれた。
「ぺっぺっ、塩っ辛ーい。何なの一体」
崩れ落ちた破頭の中でもんどりうって流されていったローゼが、もがきながら慌てて立ち上がって波打ち際に戻ってくる。
「クラゲ野郎さん、もしかして本当は高波があるから遊泳禁止なんですか?」と、一緒に戻ってきたびしょ濡れのエミリアが訊くと、クラゲ野郎は激昂して、「だ・か・ら、グラゲじゃ――ク~ラ~ゲ~デ~ハ~ナ~イ~」
ざっぶ~ん
またまた高波が発生した。
「火星人だって認めるまで、何度でも波でさらってやるぞ!」
まさか、コイツがやってんのか?
「冗談でしょ?」とローゼ。「だって全然力感じないのに」
「そうですよね、霊力扱えるようには見えないし」と、エミリアも信じられない様子。
実際そうだ。霊力、魔力、神力0。存在できているだけで奇跡もの。
「バカにするなー」
ワナワナ震えたクラゲ野郎は、突然水滴の様な物を飛ばしてきた。
「いたたた」とローゼたち。クラゲ野郎は二人を執拗に追いかけまわす。
「もう怒ったぞ。お前らなんか食べてやる」
そう言って触手を伸ばしたクラゲ野郎は、ローゼの手首足首を絡めて絞めた。
「冷たーい」と騒いでキャッキャとはしゃぐ。海水浴前の体操代わりにビーチバレーをしよう、と二人はおやつをかけて試合開始。サーブ、レシーブ、たまにアタック。風がないからボールが流されない。二人とも運動神経が良いからラリーが続く。だんだんテンションが上がってきた。
ローゼが楽しそうに笑って「次はクラゲさんの番よー」と言って、エミリアからの軽いアタックをレシーブして高く上げた。
「よーし任せて」と大きなクラゲは意気揚々。二人と同じくらいだから、ちょっと大きいなんてもんじゃない。
「上手いわ、クラゲさん」とローゼが褒めた。
クラゲから返されたボールをまた高く上げる。ちょっと遠くに放ったから、走って(浮いてる)行ったクラゲは上手くレシーブできずに転げてしまって、クラッシュゼリー化。笑いながら起き上った(?)クラゲは、「ワザと遠くに放ったんだろー(笑)」と、ローゼに向かって怒った素振りを見せる。
「うふふー、気づいちゃったー?」
「許さないぞー、待てー」
「うふふー、捕まえてごらんなさいよー」
「よーし」
ローゼとクラゲは、楽しげに波打ちぎわを走っていく。
幼子をあやすようにクラゲが笑う。
「あははははー、待て待てー」
「あははははー、早くわたしを捕まえてー――て誰じゃお前⁉」
と、ようやくローゼがつっこんだ。
「なんだ、気づいたの?」
「気づくよ、めっちゃ違和感むんむんじゃん」
駆け寄ってきたエミリアが、慌てるローゼを大笑い。
「でも、だいぶ長い時間気がつきませんでしたね」
「あんたも気がついていたなら声かけなさいよ。カメラ目線でイタズラぽく端っこに映るようにピースをしても、その描写がないから活字じゃ誰も分からないよ」
ご説明ありがとうございます。
「でも、ローゼさん、クラゲさんと良い感じでしたよ」エミリアが茶化す。
ローゼは赤面しながら腕を組んで、つっけんどんに言い放つ。
「――で、何なの、このおっきなクラゲ野郎は」
すると、大きなクラゲは喉(?)をトントン叩きながら言った。
「ワ~レ~ワ~レ~ハ~カ~セ~イ~ジ~ン~ダ~」
いや、おもいっきしクラゲだろう。
「ナンダ~、ロ~ゼ~、サベツ~スルノ~カ~?」
「ああ、ごめん、わたし人獣を差別したりしないわ。クラゲ人間(正確には人間クラゲ)見るの初めてだったから」
「だから違うって――ゴホゴホ、ワレワレハ~カ~セ~イ~ジ~ン~ダ~」
いや、今普通に喋っただろ。我々じゃないじゃん。我だろ? 一匹なんだから。
「僕のどこがクラゲに見えるって言うんだ」
お? 開き直った? て言うか泣き出した。
「僕だってただ楽しく海でみんなと遊びたいだけなのにー! おーいおいおいおい」
「かわいそうですよ、ローゼさん。一緒に遊んであげましょうよ」とエミリアが言う。
「そうね」
二人の会話を聞いて、急にクラゲの表情が明るくなった。
「ほんとー? ――いや、ホ~ン~ト~?」
もう良いよ。
「で、何したいの?」とローゼ。
「僕、随分前から憧れていたのがあるんだ」
モワモワモワ~と膨れるクラゲ野郎の回想シーン。海は海水浴の人々で溢れている。
「僕は独りぼっちだったから、イチャイチャする恋人同士が羨ましくってね。いつかは彼女と一緒に日焼け止めを塗りっこしたいって思ってたんだ」
「半透明だからいらないじゃん」
ローゼがそう言うと、「気分の問題」とクラゲ野郎がプンプン怒った。
「もしかして、海水浴客がいないのって、あんたが原因なんじゃないの?」
「そうなんだ。僕こんな見た目だろ? 地球人たちはみんな怖がって一緒に遊んでくれないんだ」
お前も地球人(獣)だろ?
「ワ~レ~ワ~レ~ハ~カ~セ~イ~ジ~ン~ダ~」
もう良いよ。
「可哀想ですよ」とエミリア。
しげしげとクラゲ野郎を見やってローゼ、
「でも、クラゲ人間なんて珍しいし、良い名物――失礼か……、良いマスコットにはなれる気がする」
「クラゲデハ~ナ~イ~!」
ざっぶ~ん
突然高波が発生して、ローゼたちが海に飲まれた。
「ぺっぺっ、塩っ辛ーい。何なの一体」
崩れ落ちた破頭の中でもんどりうって流されていったローゼが、もがきながら慌てて立ち上がって波打ち際に戻ってくる。
「クラゲ野郎さん、もしかして本当は高波があるから遊泳禁止なんですか?」と、一緒に戻ってきたびしょ濡れのエミリアが訊くと、クラゲ野郎は激昂して、「だ・か・ら、グラゲじゃ――ク~ラ~ゲ~デ~ハ~ナ~イ~」
ざっぶ~ん
またまた高波が発生した。
「火星人だって認めるまで、何度でも波でさらってやるぞ!」
まさか、コイツがやってんのか?
「冗談でしょ?」とローゼ。「だって全然力感じないのに」
「そうですよね、霊力扱えるようには見えないし」と、エミリアも信じられない様子。
実際そうだ。霊力、魔力、神力0。存在できているだけで奇跡もの。
「バカにするなー」
ワナワナ震えたクラゲ野郎は、突然水滴の様な物を飛ばしてきた。
「いたたた」とローゼたち。クラゲ野郎は二人を執拗に追いかけまわす。
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