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piece8 向き合い、終わらせる
本音
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少し笑って楽になったのか、エリカが穏やかに語りかける。
『……本当に、変わったね剛士。前は動揺しまくって、付け入る隙ありまくりだったのになあ』
「はは、確かにあのときの俺は、自分でも不甲斐なかった」
『今日は、余裕すら感じるよ。すごいね、好きな子パワーは』
「……俺、もう絶対、あの子を傷つけたくないんだ」
自分の首元を優しく包んでくれる黒のネックウォーマーに触れ、剛士は言った。
「カラオケでお前に会ったとき、俺すごい動揺して、情けない行動して……好きな子に、悲しい顔させた」
『……うん』
「なのに、あの子は必死に俺に向き合ってくれた。俺の話、全部聞いて、手を伸ばしてくれた」
『……全部』
驚いたように、エリカが言葉を挟んだ。
『全部って、全部?』
「うん。……全部だな」
剛士は、ゆっくりと思いを巡らせながら応える。
「全部、話せたと思う。迷いも、弱さも、カッコ悪いとこも」
『そっか……それは本当に、すごいな……』
エリカが、言葉を噛み締めるように呟いた。
「だから俺も、全力で好きな子と向き合う。あの子が俺を助けてくれたように、俺もあの子を守る。これからもあの子と、助け合っていきたいから」
『……そっかあ』
核心に触れる前に、少しだけ沈黙が訪れた。
剛士は、優しい声で言った。
「俺たち、あのとき本音をぶつけ合うべきだったんだよな」
エリカは黙したまま、剛士の声に耳を傾ける。
「俺、もう逃げないから。あの頃のお前の気持ちも、ちゃんと聞く。だから、話そう」
『剛士……』
剛士がはっきりとした口調で告げる。
「直接会って話したいなら、それでもいい。でも、そのときは高木さんにも声掛けてな」
『う……そう来たか』
「当たり前だろ。隠れてコソコソするつもりないよ。それに高木さんも、いた方がいいし」
彼も、紛れもない当事者なのだ。
高木とは、あの卒業式の日以来、言葉を交わすことはなかった。
自分は高木とも、きっちりと話をすべきなのだと、剛士は思った。
『……剛士』
暫くの沈黙の後、意を決したようにエリカは言った。
『私、正直言って、自分でもどうして剛士と話したいか、わかってなかった。カラオケで偶然会って、昔のこと、いろいろ思い出して。気持ちが噴き出したのかも知れない』
「うん。……わかるよ」
彼女の迷いや混乱は、あのとき剛士が感じたものと似ているだろう。
急激に過去の気持ちが溢れ出して、心を支配してきた、あの感覚に。
悠里に聞いて貰えなければ、もしかすると今でも、自分の中で暴れていたかも知れない、あの感情に――
ネックウォーマーの柔らかな感触を何度も手に確かめる。
自分は、悠里に助けて貰えたのだと、改めて剛士は思う。
『……本当に、変わったね剛士。前は動揺しまくって、付け入る隙ありまくりだったのになあ』
「はは、確かにあのときの俺は、自分でも不甲斐なかった」
『今日は、余裕すら感じるよ。すごいね、好きな子パワーは』
「……俺、もう絶対、あの子を傷つけたくないんだ」
自分の首元を優しく包んでくれる黒のネックウォーマーに触れ、剛士は言った。
「カラオケでお前に会ったとき、俺すごい動揺して、情けない行動して……好きな子に、悲しい顔させた」
『……うん』
「なのに、あの子は必死に俺に向き合ってくれた。俺の話、全部聞いて、手を伸ばしてくれた」
『……全部』
驚いたように、エリカが言葉を挟んだ。
『全部って、全部?』
「うん。……全部だな」
剛士は、ゆっくりと思いを巡らせながら応える。
「全部、話せたと思う。迷いも、弱さも、カッコ悪いとこも」
『そっか……それは本当に、すごいな……』
エリカが、言葉を噛み締めるように呟いた。
「だから俺も、全力で好きな子と向き合う。あの子が俺を助けてくれたように、俺もあの子を守る。これからもあの子と、助け合っていきたいから」
『……そっかあ』
核心に触れる前に、少しだけ沈黙が訪れた。
剛士は、優しい声で言った。
「俺たち、あのとき本音をぶつけ合うべきだったんだよな」
エリカは黙したまま、剛士の声に耳を傾ける。
「俺、もう逃げないから。あの頃のお前の気持ちも、ちゃんと聞く。だから、話そう」
『剛士……』
剛士がはっきりとした口調で告げる。
「直接会って話したいなら、それでもいい。でも、そのときは高木さんにも声掛けてな」
『う……そう来たか』
「当たり前だろ。隠れてコソコソするつもりないよ。それに高木さんも、いた方がいいし」
彼も、紛れもない当事者なのだ。
高木とは、あの卒業式の日以来、言葉を交わすことはなかった。
自分は高木とも、きっちりと話をすべきなのだと、剛士は思った。
『……剛士』
暫くの沈黙の後、意を決したようにエリカは言った。
『私、正直言って、自分でもどうして剛士と話したいか、わかってなかった。カラオケで偶然会って、昔のこと、いろいろ思い出して。気持ちが噴き出したのかも知れない』
「うん。……わかるよ」
彼女の迷いや混乱は、あのとき剛士が感じたものと似ているだろう。
急激に過去の気持ちが溢れ出して、心を支配してきた、あの感覚に。
悠里に聞いて貰えなければ、もしかすると今でも、自分の中で暴れていたかも知れない、あの感情に――
ネックウォーマーの柔らかな感触を何度も手に確かめる。
自分は、悠里に助けて貰えたのだと、改めて剛士は思う。
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