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piece3 明確な悪意
手当て
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「悠里ちゃん!」
「きゃあっ!!」
突然、後ろから肩を叩かれ、悠里は悲鳴を上げた。
「ええっ? ご、ごめん。そんなに、ビックリさせちゃった?」
拓真だった。
金髪頭に優しい顔立ちの彼が、目を丸くして悠里を見つめている。
先程の出来事が尾を引いているのか。
静まっていたはずの動悸が、再び激しく悠里を襲う。
悠里は慌てて胸に手を当て、意識して呼吸を整えた。
「……た、拓真さん。ごめんなさい。考えごとしてたから、ビックリしちゃって」
そう言って悠里は、不器用に微笑んでみせる。
拓真は心配そうに、悠里の顔を覗き込んだ。
そして、視界の端に映った悠里の脚に気がつき、驚愕の表情を浮かべる。
「あれっ悠里ちゃん!ケガしてる」
「……あ」
そんなことに構う余裕などなかった。
見下ろした両膝からは血が流れ、砂まで付いたままだった。
「どしたの?大丈夫?」
「あ、大丈夫です……ちょっと、転んじゃって」
「とにかく、綺麗にしなきゃ」
拓真が、ちょうど近くにあったコンビニを指す。
「行こ」
有無を言わさず、拓真は彼女をコンビニ前のベンチに座らせた。
「ここで待ってて」
「あ、あの……」
拓真が、悠里を安心させるように、優しく微笑む。
「悠里ちゃんを、このまま帰しちゃったら。オレ、ゴウに申し訳が立たないよ?」
そう言って、拓真はコンビニに駆け込んでいった。
「滲みたら、ごめんね?」
拓真がペットボトルの水で、悠里の脚についた汚れを流していく。
「……ん~、とりあえずは、大丈夫かな? 血も、殆ど止まってるみたいだね」
買ったばかりのハンカチで軽く押さえるようにして拭き取りながら、拓真が呟いた。
「……ごめんなさい」
いたたまれない思いで、悠里は小さな声で謝った。
道具を買って貰ったばかりか、そのまま手当てまで、拓真にさせてしまっている。
「大丈夫だよ~」
手当てに集中しているのか、拓真は生返事をしつつ、ティッシュに消毒液を含ませる。
「滲みたらごめんね」
そうして拓真は、そっと傷口を消毒していく。
「……大丈夫?」
「はい……」
拓真が、丁寧に絆創膏を貼っていく。
「はい、終わり!」
明るい声で、拓真が言った。
「それから、はい、コレ」
ニコッと微笑んで、拓真は悠里に黒のハイソックスを差し出した。
「良かったら、履き替えて?」
「あ……」
悠里の履いていた靴下は、血と砂で無惨に変色してしまっていた。
「拓真さん、ありがとう……」
「いいってことよ!」
戯けたように、拓真が笑った。
手当てをしてくれた上に、こんな気遣いまでしてくれる。
拓真のきめ細やかな優しさに、思わず涙が滲む。
慌ててパチパチと瞬きを繰り返し、悠里は新しい靴下の袋を開け、身につけた。
買い物の代金を渡そうとした悠里に、拓真はいらない、と言って笑う。
「紳士の嗜みだよ」
そうして、いつもの明るくて優しい微笑みを浮かべた。
「よし!じゃ、駅まで一緒帰ろ?」
つられるように、悠里も笑顔になる。
「うん!」
「きゃあっ!!」
突然、後ろから肩を叩かれ、悠里は悲鳴を上げた。
「ええっ? ご、ごめん。そんなに、ビックリさせちゃった?」
拓真だった。
金髪頭に優しい顔立ちの彼が、目を丸くして悠里を見つめている。
先程の出来事が尾を引いているのか。
静まっていたはずの動悸が、再び激しく悠里を襲う。
悠里は慌てて胸に手を当て、意識して呼吸を整えた。
「……た、拓真さん。ごめんなさい。考えごとしてたから、ビックリしちゃって」
そう言って悠里は、不器用に微笑んでみせる。
拓真は心配そうに、悠里の顔を覗き込んだ。
そして、視界の端に映った悠里の脚に気がつき、驚愕の表情を浮かべる。
「あれっ悠里ちゃん!ケガしてる」
「……あ」
そんなことに構う余裕などなかった。
見下ろした両膝からは血が流れ、砂まで付いたままだった。
「どしたの?大丈夫?」
「あ、大丈夫です……ちょっと、転んじゃって」
「とにかく、綺麗にしなきゃ」
拓真が、ちょうど近くにあったコンビニを指す。
「行こ」
有無を言わさず、拓真は彼女をコンビニ前のベンチに座らせた。
「ここで待ってて」
「あ、あの……」
拓真が、悠里を安心させるように、優しく微笑む。
「悠里ちゃんを、このまま帰しちゃったら。オレ、ゴウに申し訳が立たないよ?」
そう言って、拓真はコンビニに駆け込んでいった。
「滲みたら、ごめんね?」
拓真がペットボトルの水で、悠里の脚についた汚れを流していく。
「……ん~、とりあえずは、大丈夫かな? 血も、殆ど止まってるみたいだね」
買ったばかりのハンカチで軽く押さえるようにして拭き取りながら、拓真が呟いた。
「……ごめんなさい」
いたたまれない思いで、悠里は小さな声で謝った。
道具を買って貰ったばかりか、そのまま手当てまで、拓真にさせてしまっている。
「大丈夫だよ~」
手当てに集中しているのか、拓真は生返事をしつつ、ティッシュに消毒液を含ませる。
「滲みたらごめんね」
そうして拓真は、そっと傷口を消毒していく。
「……大丈夫?」
「はい……」
拓真が、丁寧に絆創膏を貼っていく。
「はい、終わり!」
明るい声で、拓真が言った。
「それから、はい、コレ」
ニコッと微笑んで、拓真は悠里に黒のハイソックスを差し出した。
「良かったら、履き替えて?」
「あ……」
悠里の履いていた靴下は、血と砂で無惨に変色してしまっていた。
「拓真さん、ありがとう……」
「いいってことよ!」
戯けたように、拓真が笑った。
手当てをしてくれた上に、こんな気遣いまでしてくれる。
拓真のきめ細やかな優しさに、思わず涙が滲む。
慌ててパチパチと瞬きを繰り返し、悠里は新しい靴下の袋を開け、身につけた。
買い物の代金を渡そうとした悠里に、拓真はいらない、と言って笑う。
「紳士の嗜みだよ」
そうして、いつもの明るくて優しい微笑みを浮かべた。
「よし!じゃ、駅まで一緒帰ろ?」
つられるように、悠里も笑顔になる。
「うん!」
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