32 / 94
piece4 半分は本当のことを
残り僅かな今日
しおりを挟む
ランチとお喋りを楽しんだ後は、街をぶらついたり、買い物をしたり、またお茶をしながら話したり。
4人で過ごす楽しい時間はあっという間で、ふと空を見上げれば宵闇が迫っていた。
「あー、そろそろ帰らなきゃね」
名残惜しそうに拓真が言ったのを皮切りに、駅へと向かう。
悠里はそっと、剛士の手を握った。
一緒にいられる時間は、あっという間。
本当は、足りない。もっと、一緒にいたい。
剛士の温もりを、もっとたくさん、心と身体に感じたかった。
剛士が優しく微笑み、悠里に囁いた。
「家まで、送る」
驚いて、悠里は彼を見上げる。
切れ長の瞳が彼女の視線を受け止め、もう一度、柔らかく微笑んだ。
「じゃあ、ゴウ、悠里ちゃん。またね!」
「悠里ー、また月曜ね!シバさん、また遊ぼうねー!」
駅に到着すれば、路線の違う拓真と彩奈とは別れる。
2人は乗る電車も同じである。
一方の悠里と剛士は、同じ路線ではあるが、電車は逆方向。
本来なら、やはり駅で離れることになる。
「おう、じゃあな」
素知らぬ顔で、剛士は2人に手を振った。
悠里も慌てて別れの挨拶をする。
「うん!彩奈、また学校で! 拓真さん、ありがとう」
お喋りをしながら元気に遠ざかっていく2人を見送った後、剛士が悠里の手を取った。
「じゃ、行くか」
「ゴウさん」
彼の意図を測るように、悠里は問いかけた。
「……いいの?」
剛士が悪戯っぽく微笑む。
「うん。俺がもう少し、悠里と一緒にいたいだけ」
その瞳はとても優しかった。
悠里は、ぎゅっと彼の大きな手を握る。
もう少し、剛士の温もりを感じていられる。
もう少しだけ、剛士の優しさを、心に刻みつけることができる。
残り僅かな今日を、大切に受け止めようと、悠里は微笑んだ。
手を繋いで、電車に乗り込む。
そこそこに混んだ車内で、剛士は自然な調子で悠里の背に腕を回した。
吊り革に掴まれない位置にいた悠里を支えてくれる逞しい腕。
悠里は気恥ずかしさに俯きながらも、そっと剛士に寄り添った。
4人で過ごす楽しい時間はあっという間で、ふと空を見上げれば宵闇が迫っていた。
「あー、そろそろ帰らなきゃね」
名残惜しそうに拓真が言ったのを皮切りに、駅へと向かう。
悠里はそっと、剛士の手を握った。
一緒にいられる時間は、あっという間。
本当は、足りない。もっと、一緒にいたい。
剛士の温もりを、もっとたくさん、心と身体に感じたかった。
剛士が優しく微笑み、悠里に囁いた。
「家まで、送る」
驚いて、悠里は彼を見上げる。
切れ長の瞳が彼女の視線を受け止め、もう一度、柔らかく微笑んだ。
「じゃあ、ゴウ、悠里ちゃん。またね!」
「悠里ー、また月曜ね!シバさん、また遊ぼうねー!」
駅に到着すれば、路線の違う拓真と彩奈とは別れる。
2人は乗る電車も同じである。
一方の悠里と剛士は、同じ路線ではあるが、電車は逆方向。
本来なら、やはり駅で離れることになる。
「おう、じゃあな」
素知らぬ顔で、剛士は2人に手を振った。
悠里も慌てて別れの挨拶をする。
「うん!彩奈、また学校で! 拓真さん、ありがとう」
お喋りをしながら元気に遠ざかっていく2人を見送った後、剛士が悠里の手を取った。
「じゃ、行くか」
「ゴウさん」
彼の意図を測るように、悠里は問いかけた。
「……いいの?」
剛士が悪戯っぽく微笑む。
「うん。俺がもう少し、悠里と一緒にいたいだけ」
その瞳はとても優しかった。
悠里は、ぎゅっと彼の大きな手を握る。
もう少し、剛士の温もりを感じていられる。
もう少しだけ、剛士の優しさを、心に刻みつけることができる。
残り僅かな今日を、大切に受け止めようと、悠里は微笑んだ。
手を繋いで、電車に乗り込む。
そこそこに混んだ車内で、剛士は自然な調子で悠里の背に腕を回した。
吊り革に掴まれない位置にいた悠里を支えてくれる逞しい腕。
悠里は気恥ずかしさに俯きながらも、そっと剛士に寄り添った。
0
あなたにおすすめの小説
#秒恋9 初めてのキスは、甘い別れと、確かな希望
ReN
恋愛
春休みが明け、それぞれに、新しい生活に足を踏み入れた悠里と剛士。
学校に向かう悠里の目の前に、1つ年下の幼なじみ アキラが現れる。
小学校時代に引っ越した彼だったが、高校受験をし、近隣の北高校に入学したのだ。
戻ってきたアキラの目的はもちろん、悠里と再会することだった。
悠里とアキラが再会し、仲良く話している
とき、運悪く、剛士と拓真が鉢合わせ。
「俺には関係ない」
緊張感漂う空気の中、剛士の言い放った冷たい言葉。
絶望感に包まれる悠里に対し、拓真は剛士に激怒。
拗れていく友情をよそに、アキラは剛士をライバルと認識し、暴走していく――
悠里から離れていく、剛士の本心は?
アキラから猛烈なアピールを受ける悠里は、何を思う?
いまは、傍にいられない。
でも本当は、気持ちは、変わらない。
いつか――迎えに来てくれる?
約束は、お互いを縛りつけてしまうから、口にはできない。
それでも、好きでいたい。
いつか、を信じて。
マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった
naomikoryo
恋愛
【♪♪♪第19回恋愛小説大賞 参加作品♪♪♪ 本編開始しました!!】【♪♪ 毎日、朝5時・昼12時・夕17時 更新予定 ♪♪ 応援、投票よろしくお願いします(^^) ♪♪】
出会いサイトで“理想の異性”を演じた二人。
マッチ率100%の会話は、マッチアプリだけで一か月続いていく。
会ったことも、声を聞いたこともないのに、心だけが先に近づいてしまった。
――でも、君は彼女で、私は彼だった。
嘘から始まったのに、気持ちだけは嘘じゃなかった。
百貨店の喧騒と休憩室の静けさの中で、すれ違いはやがて現実になる。
“会う”じゃなく、“見つける”恋の行方を、あなたも覗いてみませんか。
籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。
クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。
3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。
ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。
「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」
結末のないモブキャラは仕方がないので自身の恋物語に終止符を打つことにしました
保桜さやか
恋愛
いつかの未来に綴られた物語の中に自分の姿がないことに気がついたとき、わたしは物語の中でも背景として機能するいち『モブキャラ』であることを悟った。
⚘⚘⚘
ポリンピアの街に住むアイリーンは幼馴染の少年・テオルドに恋する女の子。
だけどあるとき、禁断の森に迷い込んだアイリーンは熱を出し、三日三晩寝込むことになる。その夢の中で、別世界にいるという愛理(あいり)という存在が書物を通じて自分たちの世界を見ていたことを知る。その物語には、数年後に勇者となり、名を馳せたテオルドとそんな彼とともに旅をする現代からの転生者で巫女と呼ばれる少女の旅の様子が描かれていた。そして、その世界に自分がいないことを知ったアイリーンは、彼への長年の想いを断ち切るため、愛理の知識をも利用してありとあらゆる手段で独り立ちすることを決意する。
うわさの行方
下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。
すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。
戦場から帰るまでは。
三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。
ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。
恋と首輪
山猫
恋愛
日本屈指の名門・城聖高校には、生徒たちが逆らえない“首輪制度”が存在する。
絶対的支配者・東雲財閥の御曹司、東雲 蓮の「選んだ者」は、卒業まで彼の命令に従わなければならない――。
地味で目立たぬ存在だった月宮みゆは、なぜかその“首輪”に選ばれてしまう。
冷酷非情と思っていた蓮の、誰にも見せない孤独と優しさに触れた時、みゆの心は静かに揺れはじめる。
「おめでとう、今日から君は俺の所有物だ。」
イケメン財閥御曹司
東雲 蓮
×
「私はあなたが嫌いです。」
訳あり平凡女子
月宮 みゆ
愛とか恋なんて馬鹿らしい。 愚かな感情だ。
訳ありのふたりが、偽りだらけの学園で紡ぐカーストラブ。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
皇宮女官小蘭(シャオラン)は溺愛され過ぎて頭を抱えているようです!?
akechi
恋愛
建国して三百年の歴史がある陽蘭(ヤンラン)国。
今年16歳になる小蘭(シャオラン)はとある目的の為、皇宮の女官になる事を決めた。
家族に置き手紙を残して、いざ魑魅魍魎の世界へ足を踏み入れた。
だが、この小蘭という少女には信じられない秘密が隠されていた!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる