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piece4 半分は本当のことを
心配
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ふっと、小さく息をつき、剛士は現状を伝えた。
「今は、向こうに気持ちの整理をして貰うのと、今の彼氏にも話をしてって言ってある。俺、先輩とも話したいからって」
「そうなんだ……」
悠里は彼の黒い瞳を見上げる。
「ゴウさんは、辛くない?」
悠里は大きな目を、憂いに揺らめかせた。
剛士から恋人を奪い、バスケ部を崩壊の危機に追いやった、剛士の先輩。
剛士が自分の心を殺して、バスケ部の立て直しをしなくてはならなくなった、直接の原因になった人物である。
その先輩と話す行為は、また剛士の心を深く抉るのではないだろうか――
「大丈夫だよ」
悠里を真っ直ぐに見つめ返し、剛士は優しい笑みを浮かべた。
「先輩と話すことから、逃げたら駄目だから。今度こそ、ちゃんと向き合う。俺には、悠里がいるから、大丈夫」
「……うん」
まだ心配そうな目をしている彼女を見て、剛士は笑う。
「お前って、そうだよな。自分のことよりも、俺の心配ばっかりする」
「え? そんなことないよ……」
「はは、自覚無しか」
剛士は微笑み、きょとんとした悠里の頭をポンポンと撫でた。
そうして、優しい笑顔を浮かべながらも、真剣に悠里の瞳を覗き込む。
「……心配だな。正直、またお前を送り迎えしたいくらい、心配」
「ゴウさん……」
冗談めかしてはいるが、剛士の眼差しは真剣だった。
心配をかけては駄目だ。絶対に。
悠里は、必死に笑顔を作ってみせる。
「大丈夫だよ。エリカさんに会ったこと、ゴウさんに話せて、ホッとしたから。もう大丈夫」
それから、恥ずかしそうに付け加えた。
「やっぱり、ずっと考えちゃってたの……だから昨日、拓真さんにも心配させちゃったんだね。次に会ったら、謝らなきゃ」
本当のことを、薄く広げて話す。
そうして、見られたくないものを、覆い隠す。
カンナの冷たい眼差し、声、笑顔を。
無理やり腕を掴まれて、引き摺られた痛みを。
見知らぬ男子生徒に向かって、突き飛ばされた恐怖を。
剛士とエリカが笑って寄り添う、膨大な写真を見せられた苦しさを――
剛士には、見せられない。見せたくない。
「今は、向こうに気持ちの整理をして貰うのと、今の彼氏にも話をしてって言ってある。俺、先輩とも話したいからって」
「そうなんだ……」
悠里は彼の黒い瞳を見上げる。
「ゴウさんは、辛くない?」
悠里は大きな目を、憂いに揺らめかせた。
剛士から恋人を奪い、バスケ部を崩壊の危機に追いやった、剛士の先輩。
剛士が自分の心を殺して、バスケ部の立て直しをしなくてはならなくなった、直接の原因になった人物である。
その先輩と話す行為は、また剛士の心を深く抉るのではないだろうか――
「大丈夫だよ」
悠里を真っ直ぐに見つめ返し、剛士は優しい笑みを浮かべた。
「先輩と話すことから、逃げたら駄目だから。今度こそ、ちゃんと向き合う。俺には、悠里がいるから、大丈夫」
「……うん」
まだ心配そうな目をしている彼女を見て、剛士は笑う。
「お前って、そうだよな。自分のことよりも、俺の心配ばっかりする」
「え? そんなことないよ……」
「はは、自覚無しか」
剛士は微笑み、きょとんとした悠里の頭をポンポンと撫でた。
そうして、優しい笑顔を浮かべながらも、真剣に悠里の瞳を覗き込む。
「……心配だな。正直、またお前を送り迎えしたいくらい、心配」
「ゴウさん……」
冗談めかしてはいるが、剛士の眼差しは真剣だった。
心配をかけては駄目だ。絶対に。
悠里は、必死に笑顔を作ってみせる。
「大丈夫だよ。エリカさんに会ったこと、ゴウさんに話せて、ホッとしたから。もう大丈夫」
それから、恥ずかしそうに付け加えた。
「やっぱり、ずっと考えちゃってたの……だから昨日、拓真さんにも心配させちゃったんだね。次に会ったら、謝らなきゃ」
本当のことを、薄く広げて話す。
そうして、見られたくないものを、覆い隠す。
カンナの冷たい眼差し、声、笑顔を。
無理やり腕を掴まれて、引き摺られた痛みを。
見知らぬ男子生徒に向かって、突き飛ばされた恐怖を。
剛士とエリカが笑って寄り添う、膨大な写真を見せられた苦しさを――
剛士には、見せられない。見せたくない。
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