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piece8 ずっと話したかった
それでおしまい
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太陽が徐々に傾いていき、屋上はだんだん薄暗く、寒くなってくる。
2人は無意識のうちに身体を震わせ、小さく縮こまった。
「最低なことに、私、剛士を失っちゃうと思ったら、怖くて仕方なくなったんだ。高木さんに好きだって告白しておきながら、剛士の顔を見た瞬間、やっぱり彼が好きだ。離れたくないって、思ったんだよ」
悠里は思わず、ぎゅっと両手を握りしめる。
エリカの口から、剛士が好きだと聞かされるのは、たとえ過去のことであろうと辛かった。
エリカは、声を振り絞る。
「剛士に、許して欲しい、やり直したいって、その夜に電話した。最悪だよね。剛士なら、許してくれるって、本気で思ってたんだ。大きなケンカになるかも知れないけど、これでお互いに本音をぶつけ合えるって。きっと、わかり合えるって」
身勝手もいいとこだよね、とエリカは、過去の自分を吐き捨てるように呟く。
「私は、剛士の優しさを、都合のいいように扱おうとした。愛されてる自覚を、最悪な方向で利用した」
エリカは、ふっと小さく笑った。
「……でもね。剛士は、終わりにしようって。高木さんと、幸せになれよって。電話で、それだけ。それで、おしまいだった」
あっけない終わりを語るその声には、怒りにも近い、やるせない色が混じった。
エリカは、どこにもぶつけようがなかった思いを、ひたすらに自分に投げつけていた。
「剛士はね。私を責めるどころか、寂しい思いをさせた自分が悪かったとか、言っちゃってさ……最後まで、私に怒ってくれなかった。本音をぶつけてはくれなかったよ。それで……それで、おしまい」
ふうっと、話に幕を引くように、エリカは息を吐いた。
沈黙。
エリカは自分の心を見つめるように目を閉じた。
悠里は彼女の次の言葉を、静かに待つ。
エリカは深呼吸をすると、ふわりと花が匂い立つような美しい微笑を浮かべた。
悠里は吸い寄せられるように、彼女の笑顔を見つめる。
エリカはまず、悠里への感謝を口にした。
「悠里ちゃんにとって、楽しい話でもないのに。聞いてくれて、ありがとうね」
「……いいえ」
悠里は必死に、笑みを作ってみせる。
「エリカさんの気持ち……聞くことができて、良かったです」
「……はは。悠里ちゃんは本当に、優しいなあ。敵わない」
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「最低なことに、私、剛士を失っちゃうと思ったら、怖くて仕方なくなったんだ。高木さんに好きだって告白しておきながら、剛士の顔を見た瞬間、やっぱり彼が好きだ。離れたくないって、思ったんだよ」
悠里は思わず、ぎゅっと両手を握りしめる。
エリカの口から、剛士が好きだと聞かされるのは、たとえ過去のことであろうと辛かった。
エリカは、声を振り絞る。
「剛士に、許して欲しい、やり直したいって、その夜に電話した。最悪だよね。剛士なら、許してくれるって、本気で思ってたんだ。大きなケンカになるかも知れないけど、これでお互いに本音をぶつけ合えるって。きっと、わかり合えるって」
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「私は、剛士の優しさを、都合のいいように扱おうとした。愛されてる自覚を、最悪な方向で利用した」
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「……でもね。剛士は、終わりにしようって。高木さんと、幸せになれよって。電話で、それだけ。それで、おしまいだった」
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ふうっと、話に幕を引くように、エリカは息を吐いた。
沈黙。
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悠里は彼女の次の言葉を、静かに待つ。
エリカは深呼吸をすると、ふわりと花が匂い立つような美しい微笑を浮かべた。
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エリカはまず、悠里への感謝を口にした。
「悠里ちゃんにとって、楽しい話でもないのに。聞いてくれて、ありがとうね」
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