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piece4 それぞれの翌々日
バスケ部の仲間たち
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***
現れた仲間の顔に、剛士は目を見開いた。
「……健斗?」
副キャプテンの山口健斗、その後ろにも、大勢の部員が並んでいる。
今日の練習は、午後からなのに。
「どうして……」
掠れた声で問う剛士に向かい、健斗は真剣な瞳で頷いた。
そして、剛士を押し除けるほどの勢いで、部屋に雪崩れ込んでくる。
「監督」
ソファに腰掛けていた監督の元に、健斗は大股で歩み寄った。
彼に続くように、部員たちが監督を取り囲む。
健斗が監督の前に、書類を突き出した。
「署名集めてきました。部員全員分です」
健斗はテーブルに書類を置くと、深々と頭を下げた。
「どうか寛大な措置をお願いします」
「お願いします!」
監督を取り囲んでいた部員たちも、同様に首を垂れた。
呆然とする剛士の傍に、同級生の部員がやって来た。
北澤誠。レギュラーの1人であり、いつも明るく元気なムードメーカーだ。
誠が大きな手で、しっかりと剛士の肩を掴む。
「……健斗がさ。お前を辞めさせたくないって。嘆願書作ってさ。賛同してくれる部員は署名してくれって。昨日の夕方、駆けずり回ったんだよ」
息を飲み、剛士は傍らの仲間を見つめた。
誠が、ニッと剛士に笑いかける。
「みんなで声掛け合ってさ。速攻で全員の署名が集まった。すげぇだろ?」
剛士はじっと、監督に向かって頭を下げる健斗の背を見つめた。
彼と一緒に頭を下げてくれている、部員たちを見た。
そうしてもう一度、隣にいる誠を見た。
剛士を励ますように、誠が力強く、肩を叩いてくれる。
彼は冗談めかした声音で、囁いた。
「後で健斗のこと、褒めてやれよな?」
震えるほどに、胸が熱くなった。
申し訳なくて、悲しくて、悔しくて。
それ以上に、有り難かった。
自分のために、こんなに必死になってくれる。
痛いほどに、理解した。
――この仲間を、失いたくない。
心の底から、願った。
「柴崎」
監督がソファにもたれるようにして、部員たちの身体ごしに剛士を見た。
監督に倣い、皆の視線も剛士に向かう。
監督は、真っ直ぐに剛士を見据えた。
「お前さっき、『どんな処分でも受ける』と言ったな。それがキャプテン解任でも、退部勧告でも」
健斗、そして部員たちに緊張が走る。
答えられず、剛士はグッと唇を引き結ぶ。
「柴崎」
監督が、ゆっくりと問いかける。
「その気持ちは、変わらないか?」
剛士は、微かに首を横に振った。
監督の元に、歩を進める。
部員たちが、そっと道を開け、監督の傍に立つ健斗の隣りが空いた。
剛士は真っ直ぐに、そこに辿り着く。
剛士はまず、真摯に謝罪の言葉を重ねた。
「俺は自分の立場を考えず、みんなの前で酷いことをしました。本当にすいません。許されないことをしたと思ってます」
監督は口を挟まず、ソファに座ったまま黙して剛士を見上げる。
小さく息を吸い、剛士は素直な気持ちを吐き出した。
「けど俺……バスケ部を辞めたくないです。今回のことで裏切ってしまった皆に、償いたいです。一緒に……バスケやりたいです」
剛士の目に、テーブルに置かれた嘆願書と、部員皆の名前がびっしりと連なった署名が映った。
逃げたくない。戦いたい。
皆の気持ちに、報いたい――
心から、そう思った。
剛士は、両拳をグッと握り締めた。
「何でもします。お願いします。俺に、もう一度チャンスをください」
心を込めて、頭を下げた。
隣にいる健斗が同じように、頭を下げてくれているのがわかった。
周りにいる部員たちが、固唾を飲んで見守ってくれているのが、わかった。
感謝の気持ちが溢れて、止まらない。
剛士は震えそうになる唇を引き締め、固く目を閉じた。
現れた仲間の顔に、剛士は目を見開いた。
「……健斗?」
副キャプテンの山口健斗、その後ろにも、大勢の部員が並んでいる。
今日の練習は、午後からなのに。
「どうして……」
掠れた声で問う剛士に向かい、健斗は真剣な瞳で頷いた。
そして、剛士を押し除けるほどの勢いで、部屋に雪崩れ込んでくる。
「監督」
ソファに腰掛けていた監督の元に、健斗は大股で歩み寄った。
彼に続くように、部員たちが監督を取り囲む。
健斗が監督の前に、書類を突き出した。
「署名集めてきました。部員全員分です」
健斗はテーブルに書類を置くと、深々と頭を下げた。
「どうか寛大な措置をお願いします」
「お願いします!」
監督を取り囲んでいた部員たちも、同様に首を垂れた。
呆然とする剛士の傍に、同級生の部員がやって来た。
北澤誠。レギュラーの1人であり、いつも明るく元気なムードメーカーだ。
誠が大きな手で、しっかりと剛士の肩を掴む。
「……健斗がさ。お前を辞めさせたくないって。嘆願書作ってさ。賛同してくれる部員は署名してくれって。昨日の夕方、駆けずり回ったんだよ」
息を飲み、剛士は傍らの仲間を見つめた。
誠が、ニッと剛士に笑いかける。
「みんなで声掛け合ってさ。速攻で全員の署名が集まった。すげぇだろ?」
剛士はじっと、監督に向かって頭を下げる健斗の背を見つめた。
彼と一緒に頭を下げてくれている、部員たちを見た。
そうしてもう一度、隣にいる誠を見た。
剛士を励ますように、誠が力強く、肩を叩いてくれる。
彼は冗談めかした声音で、囁いた。
「後で健斗のこと、褒めてやれよな?」
震えるほどに、胸が熱くなった。
申し訳なくて、悲しくて、悔しくて。
それ以上に、有り難かった。
自分のために、こんなに必死になってくれる。
痛いほどに、理解した。
――この仲間を、失いたくない。
心の底から、願った。
「柴崎」
監督がソファにもたれるようにして、部員たちの身体ごしに剛士を見た。
監督に倣い、皆の視線も剛士に向かう。
監督は、真っ直ぐに剛士を見据えた。
「お前さっき、『どんな処分でも受ける』と言ったな。それがキャプテン解任でも、退部勧告でも」
健斗、そして部員たちに緊張が走る。
答えられず、剛士はグッと唇を引き結ぶ。
「柴崎」
監督が、ゆっくりと問いかける。
「その気持ちは、変わらないか?」
剛士は、微かに首を横に振った。
監督の元に、歩を進める。
部員たちが、そっと道を開け、監督の傍に立つ健斗の隣りが空いた。
剛士は真っ直ぐに、そこに辿り着く。
剛士はまず、真摯に謝罪の言葉を重ねた。
「俺は自分の立場を考えず、みんなの前で酷いことをしました。本当にすいません。許されないことをしたと思ってます」
監督は口を挟まず、ソファに座ったまま黙して剛士を見上げる。
小さく息を吸い、剛士は素直な気持ちを吐き出した。
「けど俺……バスケ部を辞めたくないです。今回のことで裏切ってしまった皆に、償いたいです。一緒に……バスケやりたいです」
剛士の目に、テーブルに置かれた嘆願書と、部員皆の名前がびっしりと連なった署名が映った。
逃げたくない。戦いたい。
皆の気持ちに、報いたい――
心から、そう思った。
剛士は、両拳をグッと握り締めた。
「何でもします。お願いします。俺に、もう一度チャンスをください」
心を込めて、頭を下げた。
隣にいる健斗が同じように、頭を下げてくれているのがわかった。
周りにいる部員たちが、固唾を飲んで見守ってくれているのが、わかった。
感謝の気持ちが溢れて、止まらない。
剛士は震えそうになる唇を引き締め、固く目を閉じた。
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