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第一章
ラルフの悲劇…①
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うちの家族は普通だと思う。昔は政治の中心で皇家と国のために活躍していた一族らしいが、僕が生まれた頃にはその面影はなくてただの田舎の貴族だった。父さまは、基本的にのほほんとした方で、母さまはいつもどこか不機嫌ではあるが、僕には優しい人だ。二番目のルシア姉さまは贅沢三昧してるみたいで、次から次へと贈り物が届く。その贈り主がみんな男の人だって知ったのは最近。弟の僕にはピンとこないが、ルシア姉さまは美人で男の人を魅了するらしい。それでも、実家は使用人すらまともに雇えないほど、没落していた。なんとか体裁を保っているのは一番上の姉さまが飢え死にしないように奔走しているからだ。僕には幼いからという理由で誰も教えてはくれないけれど、いつもくたびれた様子のエル姉さまの努力ぐらい分かる。ただ、貴族令嬢らしからぬ態度の姉さまに母さまは怒ってばかりなのが悲しい。僕は二人の姉さまが好きだ。でも、エル姉さまの苦労を思えば、何もできない自分が嫌だとも思う。だから、いつか僕がマーシャン家を告げる日が来たら、昔のような栄光を取り戻して、姉さまに楽をさせると決意した。もちろん、もう一人の姉さまや母さま、父さまもそこに含まれる。
だって、皆、僕の大切な家族だから。
でも、そんな覚悟だって所詮、子供の戯言だと思い知らされた。
建国祭は楽しい場所じゃないの?
どうして、ルシア姉さまが命を落として帰ってくるんだ!
エル姉さまはショックで部屋から出てこない。
そして僕は震える母さまの腕の中で事の成り行きを見守っていた。
「お前の娘は事もあろうに建国祭…それも皇家主催のパーティーで騒動を起こした。ただで済むと思っていたのか?」
「どのような罰も受けます。ですから、家族には…」
父さまは目の前の長身の男に頭を下げていた。
いつも笑っている父さまと同一人物とは思えないほど、汗をかき涙をこらえている。
ここにエル姉さまがいないのが唯一の救いだ。
ただでさえ、ルシア姉さまが亡くなって動揺しているのにこんな場面を見せたくない。
ずっと頑張ってきたエル姉さまにだけは…。
突然、屋敷に踏み入って来た招かれざる客達。
それでも父さま達は数人の男達を丁重にお出迎えした。
皆、お揃いのベストを着て、腕には剣を握った龍の紋章がつけられている。
その意味は僕だって知っている。
皇家直轄の騎士団所属の証だ。
聖騎士とも呼ばれるエリート達。
基本的に皇帝の言う事しか聞かないと以前、誰かが教えてくれた。
だから、分かる。ここで返答を間違えれば、取返しのつかない事態に陥ると…。
それでも怖い。僕は騎士でもなければ、一人前の男ですらないのだ。
だって今、目の前で父さまの首が斬り落とされても恐怖で動けないのだから。
だって、皆、僕の大切な家族だから。
でも、そんな覚悟だって所詮、子供の戯言だと思い知らされた。
建国祭は楽しい場所じゃないの?
どうして、ルシア姉さまが命を落として帰ってくるんだ!
エル姉さまはショックで部屋から出てこない。
そして僕は震える母さまの腕の中で事の成り行きを見守っていた。
「お前の娘は事もあろうに建国祭…それも皇家主催のパーティーで騒動を起こした。ただで済むと思っていたのか?」
「どのような罰も受けます。ですから、家族には…」
父さまは目の前の長身の男に頭を下げていた。
いつも笑っている父さまと同一人物とは思えないほど、汗をかき涙をこらえている。
ここにエル姉さまがいないのが唯一の救いだ。
ただでさえ、ルシア姉さまが亡くなって動揺しているのにこんな場面を見せたくない。
ずっと頑張ってきたエル姉さまにだけは…。
突然、屋敷に踏み入って来た招かれざる客達。
それでも父さま達は数人の男達を丁重にお出迎えした。
皆、お揃いのベストを着て、腕には剣を握った龍の紋章がつけられている。
その意味は僕だって知っている。
皇家直轄の騎士団所属の証だ。
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基本的に皇帝の言う事しか聞かないと以前、誰かが教えてくれた。
だから、分かる。ここで返答を間違えれば、取返しのつかない事態に陥ると…。
それでも怖い。僕は騎士でもなければ、一人前の男ですらないのだ。
だって今、目の前で父さまの首が斬り落とされても恐怖で動けないのだから。
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