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第二章
調整師の独白…②
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また、同時期にロリッシュ・ノーエルというブティックがもてはやされ出した。
まるで運をつかんだように…。
だから、その辺りを重点的に見張った。
そうして、出くわしたのが壊れた聖装飾物にすがり、不運に見舞われた男の最後の瞬間だったのである。
「僕はついている。ついている…」
男は何度も、そうつぶやいていた。
聖装飾物に魅せられた者に多い症状だ。
その男の体から微量の運の匂いが漂ってくる。聖装飾物の名残だ。
おそらく壊れたのだろう。理由は推測するしかないが、聖装飾物が壊れた事で、この男が本来受け取るべきだった不運が一斉に押し寄せているのだ。
聖装飾物は持ち主を幸福にもするし、不運にもする。
その光景を俺は目撃しているのだ。
「不運鬼に魅入られたか!運を乱用する者が増えているな」
いつの時代も人は聖装飾物とされる物にすがる。
それが信仰という中でしか名を聞かなくなりつつあっても変わらない。
「何より…」
この件に誰かの思惑が絡んでいる。聖装飾物が壊れたとしても、これほどまでに不運に纏わりつかれているのは他にも理由があるはずだ。おそらく、近くに大量の運を持ち合わせている人間がいたのだ。予想が当たっていれば、スカイドレイルで大金を手にした女だろう。
「こっちだ!」
「いたぞ!」
どこからか叫び声が聞こえて、咄嗟に隠れた。
「死んでしまったの?」
「レディ・ローズ。申し訳ありません」
現れた女に男達は謝っていた。
彼女がボスか?
「こんな事ならさっさと私の手で葬ればよかった。娼館を安息の地だと思って来た女の子や男の子達を無残に殺したこの男だもの。せっかく、オーナーがその機会を与えてくれたのに。でも、仕方がない。いいわ。運んで」
「放置してもよろしいのでは?」
「もしも、この男の事が明るみになったら、下世話なスキャンダルとして娼館を悪く書かれるのが目に見えている。ここで生きる子達がどんな悲惨な人生を歩んできたかんて気にも留めない。そうされるぐらいなら第一皇子を取り巻く側近達の疑惑の噂として囁かれる方がいい。世間だってそっちの方が盛り上がるでしょうしね」
「分かりました」
そう言えば、娼婦や男娼が消えているという噂があったな。
なるほど、この男が犯人か。
淡々とした感想が浮かぶ中、すぐそばを走り抜ける馬車を視界に捉えた。
その周辺から強い運のエネルギーを感じとる。
間違いない。聖装飾物が騒ぎ、運の流れを変えている人物はあの中にいる。
「これほど強い力なら…。本人も危険にさらされているはずだ」
助ける義理はない。だが、役にも立つかもしれない。
何より、運を正常に戻すのが俺の役目だ。
「急がなくてはな。これでも調整師だから…」
まるで運をつかんだように…。
だから、その辺りを重点的に見張った。
そうして、出くわしたのが壊れた聖装飾物にすがり、不運に見舞われた男の最後の瞬間だったのである。
「僕はついている。ついている…」
男は何度も、そうつぶやいていた。
聖装飾物に魅せられた者に多い症状だ。
その男の体から微量の運の匂いが漂ってくる。聖装飾物の名残だ。
おそらく壊れたのだろう。理由は推測するしかないが、聖装飾物が壊れた事で、この男が本来受け取るべきだった不運が一斉に押し寄せているのだ。
聖装飾物は持ち主を幸福にもするし、不運にもする。
その光景を俺は目撃しているのだ。
「不運鬼に魅入られたか!運を乱用する者が増えているな」
いつの時代も人は聖装飾物とされる物にすがる。
それが信仰という中でしか名を聞かなくなりつつあっても変わらない。
「何より…」
この件に誰かの思惑が絡んでいる。聖装飾物が壊れたとしても、これほどまでに不運に纏わりつかれているのは他にも理由があるはずだ。おそらく、近くに大量の運を持ち合わせている人間がいたのだ。予想が当たっていれば、スカイドレイルで大金を手にした女だろう。
「こっちだ!」
「いたぞ!」
どこからか叫び声が聞こえて、咄嗟に隠れた。
「死んでしまったの?」
「レディ・ローズ。申し訳ありません」
現れた女に男達は謝っていた。
彼女がボスか?
「こんな事ならさっさと私の手で葬ればよかった。娼館を安息の地だと思って来た女の子や男の子達を無残に殺したこの男だもの。せっかく、オーナーがその機会を与えてくれたのに。でも、仕方がない。いいわ。運んで」
「放置してもよろしいのでは?」
「もしも、この男の事が明るみになったら、下世話なスキャンダルとして娼館を悪く書かれるのが目に見えている。ここで生きる子達がどんな悲惨な人生を歩んできたかんて気にも留めない。そうされるぐらいなら第一皇子を取り巻く側近達の疑惑の噂として囁かれる方がいい。世間だってそっちの方が盛り上がるでしょうしね」
「分かりました」
そう言えば、娼婦や男娼が消えているという噂があったな。
なるほど、この男が犯人か。
淡々とした感想が浮かぶ中、すぐそばを走り抜ける馬車を視界に捉えた。
その周辺から強い運のエネルギーを感じとる。
間違いない。聖装飾物が騒ぎ、運の流れを変えている人物はあの中にいる。
「これほど強い力なら…。本人も危険にさらされているはずだ」
助ける義理はない。だが、役にも立つかもしれない。
何より、運を正常に戻すのが俺の役目だ。
「急がなくてはな。これでも調整師だから…」
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