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第十四話 あぐらかいているでしょ?
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龍空に手を引かれるままたどり着いた扉の前に立つと、彼は小さく部屋をノックした。
「どうぞ」
少し低めの気だるそうな声が扉の向こうから返ってきたのを確認して、彼は静かに扉を開けた。
ゆっくりと開かれる扉の向こうに目を凝らすと、すらりとしたモデル体型の女性が椅子に軽く腰を預けるような姿勢で煙草をふかしていた。
腰まである艶やかな黒髪が目を引く。
サイドへ自然に流れる前髪からのぞく切れ長の目が私たちを伺うように動いた。
芯の通った細い鼻の下にある光沢感に満ちた唇がこちらを視認すると同時にすぅっと綺麗な弓の形を描いた。
「ずいぶん待たせてくれるじゃないの、龍空? こっちは忙しい身の上なのに、わかってやってんでしょねえ、あんた?」
と言いながら、ふかしていたタバコを持っていた携帯灰皿へと押しつけた。
「いやあ。彼女の心が決まるのに時間が欲しくて」
こりこりと頭を掻いて反省しているっぽく見せかけながらも、あまり反省していないような軽い口調で龍空は返した。
すると女性は長い手を伸ばして龍空の顎を掴むと力いっぱい持ち上げた。
そこに自分の顔を近づけるとさらに大きく口を歪めた。
「おまえってば昔っからそういうところ変わってねぇな、おいっ」
――ええッ!?
女性とはほど遠い野太い声と荒々しい口調にぽかんとなる。
「リンちゃん、ちょっと彼女硬直しちゃうから……」
「彼女ねえ……」
龍空の顎から手を放して預けていた椅子から立ち上がった女性を見た瞬間に体が石像になったみたいに固まった。
身の丈180センチほどはある龍空よりも少しばかり身長が高いその女性の足元は普通のスニーカー。
10センチ高のヒールを履いているわけではないのにこの長身。
そして女性にしてはかなり大きな足にゾクリと背筋が寒くなった。
ノックしたときはちょっとハスキーかなってかんじの女性の声は、今は龍空と変わらない低さに戻っている。
この声。
この足のサイズ。
そしてこの身長。
勘違いであればいい。
だけど悪い予感は今まで何ひとつ外れてこなかった。
――たぶんこの人……
「愛希、今日メイクをしてくれる倫子さん。えっと、オレの血のつながったお兄様です」
「そこ、『お姉さん』でいいだろうが」
紹介が気に食わなかったらしい女性が龍空の首を絞めながら、頭を拳でぐりぐり小突く。
「いてててッ、リンちゃん。それでもちゃんと倫子さんって紹介したじゃない、倫太郎さんって言わずに!」
「そういうところ、本当に可愛いねえ、リクぅ!」
女性の恰好をした男性がバカホストをいじっている姿をどう見ていたらいいと?
隣同士に並んだ二人の顔を見比べる。
言われればたしかに顔の造りが少し似ている。
「えっとね。オレ、三兄弟で末っ子。この人はオレの一番上のお兄ちゃん……じゃなくてお姉さまで、現在、日本一お金を集めるショーパブのママさんです」
「えっ? ええっ!?」
首絞めと頭ぐりぐりの刑から解放された龍空が丁寧に女性を紹介してくれる。
三兄弟の一番上のお兄ちゃん?
末っ子?
じゃあ、二番目は?
すると倫子はニッコリ営業スマイルを湛えた。
「本当にいい迷惑だわ。あなたみたいに女ってだけでそこにあぐらかいてる女のために、私の貴重な睡眠時間を削られるんだもの」
「ちょっ! どういう意味ですか!?」
別に私が頼んだわけじゃないのにひどい言われようだ。
そんな私の目の前で倫子は「これだから女って嫌なのよ」とふぅっと深いため息をついた。
彼女は私の頬をツンっと人差し指で軽く突いてから厳しい口調で「なってない」と答えた。
「まともにお手入れしてないでしょ? 肌の水分と脂分のバランスがなってない。水分なさすぎで肌に弾力がない。手もそう。爪のお手入れしてないわよね? 表面くらい磨きなさいよ。最低限、それは女としての身だしなみでしょうが」
そう言うとピカピカに光っている指先をこちらに見せつける。
肌も潤いたっぷり、触れたくなるようなプルプル感が漂っている。
それに比べると確かに私の肌も爪も劣っている。
爪は切るけれど、表面を磨くなんてしていない。
肌も安い化粧水を寝る前にパチパチやる程度で、やれ乳液だ、やれ美容液だ、やれアイクリームだ、なんて塗ってない。
胡坐かいているというのが手入れを怠っているということであるならごもっともな指摘だ。
反論の余地は一ミリもない。
「で、撮影何時からだって?」
「15分後には始めたいって」
「そう。私も早く帰って寝たいし、さっさと始める。おまえもさっさと自分の支度してあっちで待ってな」
「ありがとう。リンちゃんなら彼女、変えてくれるって信じているからさ。頼むね」
「おまえの頼むはいつも軽いんだよね。ま、そういう軽さも嫌いじゃないから仕方ないけど」
高くつくぞと一言脅し、龍空を追い出すと倫子は大きくため息をついた。
それから鏡の前に座れと私に椅子を指し示した。
「お……ねがいします」
小さく会釈をしてから椅子に座る。
倫子は手慣れた様子で黙ってメイク箱を開け広げた。
すぐに私の顔にかかる長い髪をてきぱきまとめて留めると「自覚あるの?」と訊いてきた。
「自覚……ですか?」
「女の自覚、あんたなさそうだからね」
「あるような、ないような」
「じゃあ、今日から根性入れなおして自覚しなさい。肌も爪も、見えるところも見えないところも、とにかく手入れをしなさい」
根性入れなおして自覚して、見えるところも見えないところもとにかく手入れする?
肌と爪のほかになにをしろと?
見えないところってなにするの?
「足を見る限り、なにか運動やっていたわよね。なにやってたの?」
「ええ……っと。空手を少々」
「空手? あんたが?」
「うちの父が道場を開いていて……私一人っ子なんで道場継ぐためにかなり仕込まれたんですけど嫌で都会に逃げたというか……」
「へえ。そりゃあ女の磨き方もわからなくなっちゃうわねえ。でも道場継ぐのが嫌で逃げて来たんだったら余計にやらなきゃダメよ。腰のくびれはなかなか魅力的だし、顔の造りも悪くない。胸もぺちゃんこじゃないし、足も長い。いいもの持っていても磨かなかったら意味ないのよ。ダイヤだって磨かなきゃただの石ころよ。まずは自分がダイヤの原石だっていう自覚を持つことよ。ダイヤだって自覚したら、あとは必死に磨くのみ!」
メイクの箱からいろんなものを取り出して、顔や首に塗っていきながら倫子は力説した。
ほんの少ししか一緒にいないのに、かなりいろいろ見られているなと驚かされる。
さっき龍空が言っていた『日本一お金を集めるショーパブのママ』さんはそういう人間の観察眼も優れているということなんだろうか?
「名前聞いてなかったわね」
「藤崎……愛希です。愛する希望の希で愛希です」
「そう。可愛い名前じゃない」
「ありがとうございます……」
「でも、名前負けしているわよ」
一言余分なのは血筋なんだろうか?
目を瞑るように言われてからはなにをされているのかまったくわからなかった。
沈黙が続く中での作業は窮屈で、息が詰まって仕方ない。
なにかこちらから話しかけたほうがいいんだろうか?
そう思った時だった。
「さあ、できたわよ。目、開けてごらんなさい」
そう促され、ゆっくりとまぶたを持ち上げる。
鏡に映しだされている自分の姿に目が白黒した。
知らない顔がある。
ものすごく厚い化粧をしているというわけじゃなくて、自然なんだ。
たっぷり潤った肌。
ぱっちり大きく見える目。
通った鼻筋。
ぷるんと水分たっぷりに膨らんだ淡い桃色の唇。
どこをどう見たって自分じゃない!
「これ……」
「それが本当のあんた。ちゃんと磨けばこうやって輝ける。でも本当にすごいのはこれを15分で作り上げた私の腕だからね。そこ勘違いしない。あんた自身が磨かれた結果じゃない。これは撮影のための仮面だと思いなさい」
すると倫子はツンツンと人差し指を上下に揺らし、椅子から立ち上がるように指示した。
瞬間、すごい勢いで倫子の両手が肩を掴んでガウンを一気に押し下げられた。
反射的に両腕を抱えようとしたが遅かった。
ガウンは肩から上腕に滑り落ち、そして……驚いて声も上げられない自分の腰元に倫子の手が伸びると彼女はニッと底意地の悪い笑みを浮かべた。
身構えた私よりも一コマ早く、彼女の手が解いたのはガウンを抑えるタオル地の紐で――
「キャ――ッ!」
叫んだ時にはもう遅くて――
ヌードカラーのヌーブラ、Tバックの姿のほぼ生まれたままの姿を、会って30分ほどしか経っていない男性の目に晒すことになってしまったのだ。
「どうぞ」
少し低めの気だるそうな声が扉の向こうから返ってきたのを確認して、彼は静かに扉を開けた。
ゆっくりと開かれる扉の向こうに目を凝らすと、すらりとしたモデル体型の女性が椅子に軽く腰を預けるような姿勢で煙草をふかしていた。
腰まである艶やかな黒髪が目を引く。
サイドへ自然に流れる前髪からのぞく切れ長の目が私たちを伺うように動いた。
芯の通った細い鼻の下にある光沢感に満ちた唇がこちらを視認すると同時にすぅっと綺麗な弓の形を描いた。
「ずいぶん待たせてくれるじゃないの、龍空? こっちは忙しい身の上なのに、わかってやってんでしょねえ、あんた?」
と言いながら、ふかしていたタバコを持っていた携帯灰皿へと押しつけた。
「いやあ。彼女の心が決まるのに時間が欲しくて」
こりこりと頭を掻いて反省しているっぽく見せかけながらも、あまり反省していないような軽い口調で龍空は返した。
すると女性は長い手を伸ばして龍空の顎を掴むと力いっぱい持ち上げた。
そこに自分の顔を近づけるとさらに大きく口を歪めた。
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――ええッ!?
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「彼女ねえ……」
龍空の顎から手を放して預けていた椅子から立ち上がった女性を見た瞬間に体が石像になったみたいに固まった。
身の丈180センチほどはある龍空よりも少しばかり身長が高いその女性の足元は普通のスニーカー。
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そして女性にしてはかなり大きな足にゾクリと背筋が寒くなった。
ノックしたときはちょっとハスキーかなってかんじの女性の声は、今は龍空と変わらない低さに戻っている。
この声。
この足のサイズ。
そしてこの身長。
勘違いであればいい。
だけど悪い予感は今まで何ひとつ外れてこなかった。
――たぶんこの人……
「愛希、今日メイクをしてくれる倫子さん。えっと、オレの血のつながったお兄様です」
「そこ、『お姉さん』でいいだろうが」
紹介が気に食わなかったらしい女性が龍空の首を絞めながら、頭を拳でぐりぐり小突く。
「いてててッ、リンちゃん。それでもちゃんと倫子さんって紹介したじゃない、倫太郎さんって言わずに!」
「そういうところ、本当に可愛いねえ、リクぅ!」
女性の恰好をした男性がバカホストをいじっている姿をどう見ていたらいいと?
隣同士に並んだ二人の顔を見比べる。
言われればたしかに顔の造りが少し似ている。
「えっとね。オレ、三兄弟で末っ子。この人はオレの一番上のお兄ちゃん……じゃなくてお姉さまで、現在、日本一お金を集めるショーパブのママさんです」
「えっ? ええっ!?」
首絞めと頭ぐりぐりの刑から解放された龍空が丁寧に女性を紹介してくれる。
三兄弟の一番上のお兄ちゃん?
末っ子?
じゃあ、二番目は?
すると倫子はニッコリ営業スマイルを湛えた。
「本当にいい迷惑だわ。あなたみたいに女ってだけでそこにあぐらかいてる女のために、私の貴重な睡眠時間を削られるんだもの」
「ちょっ! どういう意味ですか!?」
別に私が頼んだわけじゃないのにひどい言われようだ。
そんな私の目の前で倫子は「これだから女って嫌なのよ」とふぅっと深いため息をついた。
彼女は私の頬をツンっと人差し指で軽く突いてから厳しい口調で「なってない」と答えた。
「まともにお手入れしてないでしょ? 肌の水分と脂分のバランスがなってない。水分なさすぎで肌に弾力がない。手もそう。爪のお手入れしてないわよね? 表面くらい磨きなさいよ。最低限、それは女としての身だしなみでしょうが」
そう言うとピカピカに光っている指先をこちらに見せつける。
肌も潤いたっぷり、触れたくなるようなプルプル感が漂っている。
それに比べると確かに私の肌も爪も劣っている。
爪は切るけれど、表面を磨くなんてしていない。
肌も安い化粧水を寝る前にパチパチやる程度で、やれ乳液だ、やれ美容液だ、やれアイクリームだ、なんて塗ってない。
胡坐かいているというのが手入れを怠っているということであるならごもっともな指摘だ。
反論の余地は一ミリもない。
「で、撮影何時からだって?」
「15分後には始めたいって」
「そう。私も早く帰って寝たいし、さっさと始める。おまえもさっさと自分の支度してあっちで待ってな」
「ありがとう。リンちゃんなら彼女、変えてくれるって信じているからさ。頼むね」
「おまえの頼むはいつも軽いんだよね。ま、そういう軽さも嫌いじゃないから仕方ないけど」
高くつくぞと一言脅し、龍空を追い出すと倫子は大きくため息をついた。
それから鏡の前に座れと私に椅子を指し示した。
「お……ねがいします」
小さく会釈をしてから椅子に座る。
倫子は手慣れた様子で黙ってメイク箱を開け広げた。
すぐに私の顔にかかる長い髪をてきぱきまとめて留めると「自覚あるの?」と訊いてきた。
「自覚……ですか?」
「女の自覚、あんたなさそうだからね」
「あるような、ないような」
「じゃあ、今日から根性入れなおして自覚しなさい。肌も爪も、見えるところも見えないところも、とにかく手入れをしなさい」
根性入れなおして自覚して、見えるところも見えないところもとにかく手入れする?
肌と爪のほかになにをしろと?
見えないところってなにするの?
「足を見る限り、なにか運動やっていたわよね。なにやってたの?」
「ええ……っと。空手を少々」
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「へえ。そりゃあ女の磨き方もわからなくなっちゃうわねえ。でも道場継ぐのが嫌で逃げて来たんだったら余計にやらなきゃダメよ。腰のくびれはなかなか魅力的だし、顔の造りも悪くない。胸もぺちゃんこじゃないし、足も長い。いいもの持っていても磨かなかったら意味ないのよ。ダイヤだって磨かなきゃただの石ころよ。まずは自分がダイヤの原石だっていう自覚を持つことよ。ダイヤだって自覚したら、あとは必死に磨くのみ!」
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さっき龍空が言っていた『日本一お金を集めるショーパブのママ』さんはそういう人間の観察眼も優れているということなんだろうか?
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「藤崎……愛希です。愛する希望の希で愛希です」
「そう。可愛い名前じゃない」
「ありがとうございます……」
「でも、名前負けしているわよ」
一言余分なのは血筋なんだろうか?
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なにかこちらから話しかけたほうがいいんだろうか?
そう思った時だった。
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そう促され、ゆっくりとまぶたを持ち上げる。
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知らない顔がある。
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たっぷり潤った肌。
ぱっちり大きく見える目。
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ぷるんと水分たっぷりに膨らんだ淡い桃色の唇。
どこをどう見たって自分じゃない!
「これ……」
「それが本当のあんた。ちゃんと磨けばこうやって輝ける。でも本当にすごいのはこれを15分で作り上げた私の腕だからね。そこ勘違いしない。あんた自身が磨かれた結果じゃない。これは撮影のための仮面だと思いなさい」
すると倫子はツンツンと人差し指を上下に揺らし、椅子から立ち上がるように指示した。
瞬間、すごい勢いで倫子の両手が肩を掴んでガウンを一気に押し下げられた。
反射的に両腕を抱えようとしたが遅かった。
ガウンは肩から上腕に滑り落ち、そして……驚いて声も上げられない自分の腰元に倫子の手が伸びると彼女はニッと底意地の悪い笑みを浮かべた。
身構えた私よりも一コマ早く、彼女の手が解いたのはガウンを抑えるタオル地の紐で――
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