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第四十話 がっちりサポートするからね
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龍空のマンションの近所にあったカフェを後にすると、私達は合コン会場となるお店へ向かった。
繁華街のど真ん中を異様な取り合わせの団体一行が人目も気にせず歩いて目的地へと向かう。
タクシーを選べばいいものを『これも自信を持って歩くための訓練の一環だからねえ』なんて言うバカホストの言葉に乗って、オフィス街を闊歩する。
カフェにいたときよりも明らかに人が増えてきているのはSNSのタイムラインに『謎の美女を見た』という情報が次から次に流れたからだ。
トレンド入りまでなるほどの情報をユウが逐一チェックして私達に報告する。
リクは満足げに笑い、他のオネエサマ方は呆れたように微苦笑していた。
増えていく野次馬に『どうせなら手を振ってあげたら?』『目立っていいんじゃない?』『お客さん増えそうだから引っ張ってよ』などとオネエサマ方にやんや言われて、仕方なく手を振りながら歩く。
まるで芸能人になったがごとく、の状況になる。
手を振れば『キャー』。
笑顔を見せれば『キャー』。
おまけにバカホストが自撮り撮影に快く応じるものだから、そこここで『こっちもおねがい』とか『リク~』とか『サインして~』とか言われては立ち止まるから、なかなか前へ進めない。
歩く先々には例の口紅のポスターがデカデカと貼られているし、本屋の入り口にはLunaを買って私と見比べる人まで出てきている。
掲載された写真をこちらに向けて『買いました~』なんてアピールをされれば『あんた、よくやったわ』と私の代わりにアフロオネエサマが手を振りかえすという奇妙な光景が展開される。
徒歩パレードをする私たちの後ろからやってくる人の波の尻尾は、すでに先頭を行く私の目からは確認できない状況までなっている。
どんどん膨らんでいく列を眺めながら、倫子はクスクスと笑い続けていた。
「ついに動画まで載りました」
スマホを確認しているユウの手元を見れば、ちょっと前の自分たちの姿がそこにある。
「こんなに騒ぎ大きくしちゃって……警察出てくるわよ」
「いいんじゃない? きっと警察もサインくださいなんてミーハーなこと言いだすと思うよ」
私を上から下まで舐めるように見ながら、龍空は意味深な視線を向けるだけ。
――別にいいですけどね、捕まらなければ。
おかげさまでと言っていいのか、この場合。
嫌でも人の目には慣れてきた。
自信を持って歩けるようにもなっている。
高いヒールも足に馴染んできて、どうやったら美しく見えるかを意識しながら歩く自分がいる。
手の振り方も笑顔の振りまき方も、自分が周りにどう見えるのか……それを考えながらやってみて思い知る。
皇室の方々や芸能人の偉大さを。
こんなプライバシーのない状況に笑顔で応対しているなんて、神としか言いようがない。
「で……いつになったら着くのよ?」
そう問うと、龍空は群衆ひしめく歩道ではなくて、反対車線にある大きなビルを指さして「あそこだよ」と笑った。
「Oホテルじゃない!?」
「うん、そこの一階のラウンジを貸切にさせてもらったよ。ちなみに酔いつぶれてもいいように部屋も予約《リザーブ》してる。もちろん合コン終わって盛り上がって、そのままオレと特別な夜を過ごしたいって思えばそのまま行っちゃえるから遠慮なく言ってね?」
「貸切……!」
「外から見えるようにしたし、食事はあえてビュッフェスタイルに変更してもらったし。今夜だけはホテルの従業員さんプラス臨時の従業員も派遣済み。すでに会場はセッティング完了されているからね。貸切にしたことがバレないようにお客さんも用意してる」
「サクラを用意したってこと!?」
「サクラっていうか、お仕事がらみ……?」
そう言って龍空はニヤッと笑った。
すると倫子が「イベント兼合コン会場なのよ」と続けた。
「意味がわからない」
「だってさ。有名ホテルのラウンジを抑えるからにはそれなりのお金が必要になるでしょ? どうせやるなら赤字より黒字にしたほうがオレとしても美味しいじゃん。二時間は愛希を他の男の手に委ねなくちゃならない、このつらさ、わかる? だから旨味がないとこっちもほら、やりきれないっていうかさ。それにこれもサプライズプランの一つだから。ああ、そんな顔しない。美味しいお酒も食事も飲み放題、食べ放題のフリープランなんだから、ね? 楽しもうよ、お祭りってことで。とりあえず、会場の様子を見てもらって、それから予約した部屋で合コンの時間までゆっくりして、あの人たちよりも遅れて入ってさ。とことん焦らしてやろうよ? ね?」
龍空はにやにやしながら一気にそう言った。
合コン兼イベントに不安しか感じない。
それに一階でやるとなれば、かなりのギャラリーが集まるのではないだろうか?
「もしかして……今日、ここで私が夜飲み食いすることを告知してないよね?」
「え? してるけど?」
「……遊んでるよね?」
「いいじゃん、お祭りだもん」
龍空はカラカラと声を上げて笑った。
すかさず拳を作る私の手を握ったのは倫子だった。
見上げた彼女はにこやかな笑みを湛え「それはとっておきなさい」と告げた。
「でも……」
「サンドバッグにしてやる男はリクじゃないでしょ?」
『勿体ないわよ』と付け加えられ、私はしぶしぶ拳を開けて深呼吸をした。
悠々と人の波を掻き分けて横断歩道を渡る龍空を追いかけるように後へと続く。
ホテルの一階のラウンジスペースにはお客さんらしき姿はまったく見えず、イベントのための準備が急ピッチで進められている。
忙しく動き回る黒いベストに黒のパンツ、白シャツの男の人たちなのだけれど……ホテルの従業員にしてはやけに派手な茶色や金髪、なかにはカラスのような黒色の髪の青年もいる。
その人たちがテキパキとラウンジの中を動き回っていた。
するとそのうちの一人がこちらに気づき、手を振った。
「リクさ~ん、こっちの準備は順調っす」
金色に近い茶色の髪のトップに少しボリュームを持たせた若い子を見た途端、マリリンが巨体を揺らして私達の間をすり抜けていった。
「きゃ~、充希ちゃぁ~ん」
「あはっ、マリリンさん。来てたんすね……」
片手を上げた充希と呼ばれた青年の顔も体もマリリンに抱きつかれて即刻固まった。
そんなマリリンの手を黒髪の青年が柔らかく握ると彼女の耳になにかをこそりと告げる。瞬間、マリリンは顔を真っ赤にして乙女のように顔を両手で覆い、こちらに戻ってくると倫子に抱きついた。
「なに言われたんだろうね……」
「お楽しみは後でね、マリちゃん……ってところかなあ」
「マリちゃん?」
「うちの店ではマリリンはマリちゃんって呼ばれてるから」
「マリちゃん……」
あらためてアフロオネエサマを見れば、まだ興奮冷めやらぬのか、倫子に抱きつきながらモジモジしている。
「オレの店ってことは……ホテルの人っぽくない派手な髪型の人たちは全部、あんたの店の……」
「そうだよ。冴えてるねえ、愛希。あの茶髪君がオレの後輩、充希。あっちの黒髪の男前がうちの店のナンバー2の翼。今宵の合コンはオレたち、パッションレッドのホスト全員でガッチリサポートするから安心してね」
そう言ってパチンとウィンクして見せた龍空の顔を呆れたまま見つめるしかなかった。
――がっちりサポートって。一体何をする気だよ!
そう思いつつ、私はそのまま予約していた部屋で休ませてもらうことにした。
不安に胸を痛ませながら――
そして二時間後。
戦闘服に身を包んだオネエサマ方と再びラウンジ内へと降り立った私は、ついにあの男と会い見《まみ》えることになった。
黒地のスーツに白のドット柄の黒いネクタイという出で立ちの甲山貴斗は、あの頃と変わらぬ爬虫類を髣髴とさせるシャープな目をこちらに向けてほほ笑んでいた。
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掲載された写真をこちらに向けて『買いました~』なんてアピールをされれば『あんた、よくやったわ』と私の代わりにアフロオネエサマが手を振りかえすという奇妙な光景が展開される。
徒歩パレードをする私たちの後ろからやってくる人の波の尻尾は、すでに先頭を行く私の目からは確認できない状況までなっている。
どんどん膨らんでいく列を眺めながら、倫子はクスクスと笑い続けていた。
「ついに動画まで載りました」
スマホを確認しているユウの手元を見れば、ちょっと前の自分たちの姿がそこにある。
「こんなに騒ぎ大きくしちゃって……警察出てくるわよ」
「いいんじゃない? きっと警察もサインくださいなんてミーハーなこと言いだすと思うよ」
私を上から下まで舐めるように見ながら、龍空は意味深な視線を向けるだけ。
――別にいいですけどね、捕まらなければ。
おかげさまでと言っていいのか、この場合。
嫌でも人の目には慣れてきた。
自信を持って歩けるようにもなっている。
高いヒールも足に馴染んできて、どうやったら美しく見えるかを意識しながら歩く自分がいる。
手の振り方も笑顔の振りまき方も、自分が周りにどう見えるのか……それを考えながらやってみて思い知る。
皇室の方々や芸能人の偉大さを。
こんなプライバシーのない状況に笑顔で応対しているなんて、神としか言いようがない。
「で……いつになったら着くのよ?」
そう問うと、龍空は群衆ひしめく歩道ではなくて、反対車線にある大きなビルを指さして「あそこだよ」と笑った。
「Oホテルじゃない!?」
「うん、そこの一階のラウンジを貸切にさせてもらったよ。ちなみに酔いつぶれてもいいように部屋も予約《リザーブ》してる。もちろん合コン終わって盛り上がって、そのままオレと特別な夜を過ごしたいって思えばそのまま行っちゃえるから遠慮なく言ってね?」
「貸切……!」
「外から見えるようにしたし、食事はあえてビュッフェスタイルに変更してもらったし。今夜だけはホテルの従業員さんプラス臨時の従業員も派遣済み。すでに会場はセッティング完了されているからね。貸切にしたことがバレないようにお客さんも用意してる」
「サクラを用意したってこと!?」
「サクラっていうか、お仕事がらみ……?」
そう言って龍空はニヤッと笑った。
すると倫子が「イベント兼合コン会場なのよ」と続けた。
「意味がわからない」
「だってさ。有名ホテルのラウンジを抑えるからにはそれなりのお金が必要になるでしょ? どうせやるなら赤字より黒字にしたほうがオレとしても美味しいじゃん。二時間は愛希を他の男の手に委ねなくちゃならない、このつらさ、わかる? だから旨味がないとこっちもほら、やりきれないっていうかさ。それにこれもサプライズプランの一つだから。ああ、そんな顔しない。美味しいお酒も食事も飲み放題、食べ放題のフリープランなんだから、ね? 楽しもうよ、お祭りってことで。とりあえず、会場の様子を見てもらって、それから予約した部屋で合コンの時間までゆっくりして、あの人たちよりも遅れて入ってさ。とことん焦らしてやろうよ? ね?」
龍空はにやにやしながら一気にそう言った。
合コン兼イベントに不安しか感じない。
それに一階でやるとなれば、かなりのギャラリーが集まるのではないだろうか?
「もしかして……今日、ここで私が夜飲み食いすることを告知してないよね?」
「え? してるけど?」
「……遊んでるよね?」
「いいじゃん、お祭りだもん」
龍空はカラカラと声を上げて笑った。
すかさず拳を作る私の手を握ったのは倫子だった。
見上げた彼女はにこやかな笑みを湛え「それはとっておきなさい」と告げた。
「でも……」
「サンドバッグにしてやる男はリクじゃないでしょ?」
『勿体ないわよ』と付け加えられ、私はしぶしぶ拳を開けて深呼吸をした。
悠々と人の波を掻き分けて横断歩道を渡る龍空を追いかけるように後へと続く。
ホテルの一階のラウンジスペースにはお客さんらしき姿はまったく見えず、イベントのための準備が急ピッチで進められている。
忙しく動き回る黒いベストに黒のパンツ、白シャツの男の人たちなのだけれど……ホテルの従業員にしてはやけに派手な茶色や金髪、なかにはカラスのような黒色の髪の青年もいる。
その人たちがテキパキとラウンジの中を動き回っていた。
するとそのうちの一人がこちらに気づき、手を振った。
「リクさ~ん、こっちの準備は順調っす」
金色に近い茶色の髪のトップに少しボリュームを持たせた若い子を見た途端、マリリンが巨体を揺らして私達の間をすり抜けていった。
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