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本編
第12話 傲慢な兄
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英弘7(2025)12月
理仁理仁と誠子内親王は無表情でとある映像を見ていた。
それは健仁のSNSアカウントに掲載されていた1つの投稿に添付されていたもの。
『太陽テレビの映像、当たり障りのない感じに編集されててつまらなかったからこっちで全部流しますね~😄』
その言葉と共に彼は太陽テレビがカットした部分を含めた投稿を展開していた。
彼はこの中で皇族として歩んできた2人にとって受け入れ難い暴言を連発していた。
『ジュデア・サマリア(ヨルダン川西岸)地区のドブネズミ共を500匹駆除した』
『私を止められる人間はこの世界に存在しない』
『日本列島丸ごとガザの様に更地にするくらいの懲罰に値する蛮行を私より劣るクズ共が行っていた』
健仁の隠そうともしない傲慢さに2人は辟易していた。
一旦動画を止めると誠子は少し悲し気に呟いた。
「この前京都に公務で行った時ね...この時健仁さんに殺された方の遺族と会ったの...何も悪い事してないのに健仁さんの奥さんを誘拐した犯人と同じ村に住んでたってだけで殺されたんだって...お腹には不妊治療の末にようやく授かったお子さんもいたみたい...」
「そんな事が...」
「昔はもっと優しかったのに...どうしてこうなっちゃったんだろう...」
そう嘆く誠子の姿は本当に悲しそうだった。
「僕はこの人の事全く知らないけど...誠子姉さまがそんなに悲しむってことはこの人昔は本当に良い人だったんだね」
理仁は健仁の記憶は全くない。それでも、かつての彼を知る彼女が現在の健仁に強い嫌悪感と共に悲しみを覚える姿にかつての健仁が優しい良い人であったのだと想像する事が出来た。
「どうする?続き見る?」
「そうね...続けましょう」
そう言って再生ボタンを押す。
その後も彼はかなり傲慢な発言を繰り返していた。彼はその中で理仁が姉の代わりに学業と並行して公務を行っている事について『自分が早く介入しておけば大学生活を犠牲にせずに済んだかもしれない』と言っていた。
理仁はそれを聞いて(いやアンタが残ってればそうせずに済んだんだけどな)と毒づく。
しかし、その後が酷かった。
血統上、天皇家の男系男子に該当する4人の息子の皇籍取得について彼はこう語った。
『自分より劣る人間に自分や家族の地位を委ねたいとは思わない』
『皇籍取得させたいなら宮中三殿と日本中全ての神社を破壊しろ。』
神道祭祀を通じて国家・国民の安寧を祈る存在である皇室の継承者である理仁にとって彼の発言は到底受け入れ難いものであった。
健仁の信仰する宗教はユダヤ教。厳格な戒律を持つ一神教であり、十戒には『私の他に神があってはならない』と明記されている。
彼がインタビュー内で語った通り、彼にとって神道の神は紛い物の神なのだ。
「やっぱり...この人の言う事は受け入れられない...」
「私も...この人に助けられたのは事実だけどそれとこれとは話が別だわ...」
2人共彼が投稿したインタビューの全編を見て改めてそう思った。
よほど腹に据えかねていたのかかなり強めの表現を用いている。少なくとも、英語やヘブライ語でのインタビューでは比較的穏当であったからだ。
例えば文子が結婚した1年後の2022年に英国メディアの取材に応じた際、彼は葛城宮家へのバッシングについて聖書を引用してこう述べた。
『聖書の民数記55章33節にはこう書かれています。『その地の住民をあなた方の前から追い払わなければ、彼らは目の棘となり、わき腹のいばらとなり、あなた方が住むその土地であなた方を悩ますことになる』と。
早いうちに彼らを排除しなければ延々と思い悩まされることになりますよ。』
さらにこう続けた。
『皇室が望めば、私の持つ武力も富も提供します。それは彼らを守る城壁となり、彼らの敵を貫く剣となるでしょう。』
他にも『申命記25章17節には『アマレクがあなた方にしたことを忘れてはならない』、19節には『天の下からアマレクの記憶を消し去らなければならない』とあります。彼らの神様ではなく、私達の神様の言葉に則って行動することも一つの選択肢としてありなのではないでしょうか?』とも述べており、比較的早い段階から誹謗中傷に対する武力行使を示唆していたことが伺える。
それから3年後の現在、健仁の武力は日本で行使されわずか一晩で皇室バッシングは収束することとなった。
それでも、受け入れ難いものは受け入れ難いのだ。
「何か疲れちゃったね...ちょっと気晴らしに散歩でも行かない?」
誠子は理仁にそう声を掛ける。
「いいね、行こう行こう」
そう言って彼は立ち上がる。
◇◇◇
赤坂御用地内を散歩中、彼は誠子に声を掛けた。
「ねえ、誠子姉さま。あの人って皇室にいた頃はどんな人だったの?俺が物心ついた頃にはいなかったから良く知らないんだよね」
「そうね...凄い優しい人だったわ...パソコンいじるのが好きでエラーとか出て宮内庁の職員さんが困ってた時にアッサリ直したりしてたし。後は...」
そう言って彼女は少し遠くを指さす。そこにはシロツメクサが咲いていた。
「あそこにシロツメクサがあるでしょう?子供の頃よくあそこで花冠を作ってくれていたの。確か大分昔のだけど健仁さんが私とお姉ちゃん、お母さまの為に3つ位作って頭に掛けてる映像もあるの」
「そうなんだ...」
「他にも動物園でお小遣いが足りなくて欲しかった文房具が買えなかった時も代わりに買ってくれたしね...」
そう言った彼女の目から涙が溢れていた。
「誠子姉さま、あっちのベンチに座らない?」
「ええ...そうね...」
そう言って理仁は彼女の手を引いてベンチまで向かい2人隣り合って座る。顔を覆いすすり泣く彼女の背中を彼は優しくさすっていた。
「ごめん...気晴らしにって連れ出したのにこんな風になっちゃって...」
「大丈夫だよ、誠子姉さま。それだけ昔はあの人と仲良かったんでしょ?」
「うん...本当に仲が良かったよ...あんなに優しくて大好きだったのに...」
そう言って泣き崩れる誠子。こんなに泣く姿を見たのは誹謗中傷に耐えきれず、健仁の手引きでアメリカでの静養を開始する前後以来だ。
そんな彼女に理仁は声を掛ける。
「そんなに泣く位良い人だったんだねあの人...その優しさの一かけらでも僕らにも向けてくれれば良いのにね...」
「そうね...」
「泣き止んだら部屋に戻ってアルバム見ても良い?あの人の写真にちょっと興味が沸いたんだ」
そう言って微笑む理仁。誠子も「良いわよ。理仁が産まれる前の写真も見せてあげるね」と答えた。
その後、誠子がかつて大好きだった兄のアルバムを見るべく歩みを進めた。
理仁理仁と誠子内親王は無表情でとある映像を見ていた。
それは健仁のSNSアカウントに掲載されていた1つの投稿に添付されていたもの。
『太陽テレビの映像、当たり障りのない感じに編集されててつまらなかったからこっちで全部流しますね~😄』
その言葉と共に彼は太陽テレビがカットした部分を含めた投稿を展開していた。
彼はこの中で皇族として歩んできた2人にとって受け入れ難い暴言を連発していた。
『ジュデア・サマリア(ヨルダン川西岸)地区のドブネズミ共を500匹駆除した』
『私を止められる人間はこの世界に存在しない』
『日本列島丸ごとガザの様に更地にするくらいの懲罰に値する蛮行を私より劣るクズ共が行っていた』
健仁の隠そうともしない傲慢さに2人は辟易していた。
一旦動画を止めると誠子は少し悲し気に呟いた。
「この前京都に公務で行った時ね...この時健仁さんに殺された方の遺族と会ったの...何も悪い事してないのに健仁さんの奥さんを誘拐した犯人と同じ村に住んでたってだけで殺されたんだって...お腹には不妊治療の末にようやく授かったお子さんもいたみたい...」
「そんな事が...」
「昔はもっと優しかったのに...どうしてこうなっちゃったんだろう...」
そう嘆く誠子の姿は本当に悲しそうだった。
「僕はこの人の事全く知らないけど...誠子姉さまがそんなに悲しむってことはこの人昔は本当に良い人だったんだね」
理仁は健仁の記憶は全くない。それでも、かつての彼を知る彼女が現在の健仁に強い嫌悪感と共に悲しみを覚える姿にかつての健仁が優しい良い人であったのだと想像する事が出来た。
「どうする?続き見る?」
「そうね...続けましょう」
そう言って再生ボタンを押す。
その後も彼はかなり傲慢な発言を繰り返していた。彼はその中で理仁が姉の代わりに学業と並行して公務を行っている事について『自分が早く介入しておけば大学生活を犠牲にせずに済んだかもしれない』と言っていた。
理仁はそれを聞いて(いやアンタが残ってればそうせずに済んだんだけどな)と毒づく。
しかし、その後が酷かった。
血統上、天皇家の男系男子に該当する4人の息子の皇籍取得について彼はこう語った。
『自分より劣る人間に自分や家族の地位を委ねたいとは思わない』
『皇籍取得させたいなら宮中三殿と日本中全ての神社を破壊しろ。』
神道祭祀を通じて国家・国民の安寧を祈る存在である皇室の継承者である理仁にとって彼の発言は到底受け入れ難いものであった。
健仁の信仰する宗教はユダヤ教。厳格な戒律を持つ一神教であり、十戒には『私の他に神があってはならない』と明記されている。
彼がインタビュー内で語った通り、彼にとって神道の神は紛い物の神なのだ。
「やっぱり...この人の言う事は受け入れられない...」
「私も...この人に助けられたのは事実だけどそれとこれとは話が別だわ...」
2人共彼が投稿したインタビューの全編を見て改めてそう思った。
よほど腹に据えかねていたのかかなり強めの表現を用いている。少なくとも、英語やヘブライ語でのインタビューでは比較的穏当であったからだ。
例えば文子が結婚した1年後の2022年に英国メディアの取材に応じた際、彼は葛城宮家へのバッシングについて聖書を引用してこう述べた。
『聖書の民数記55章33節にはこう書かれています。『その地の住民をあなた方の前から追い払わなければ、彼らは目の棘となり、わき腹のいばらとなり、あなた方が住むその土地であなた方を悩ますことになる』と。
早いうちに彼らを排除しなければ延々と思い悩まされることになりますよ。』
さらにこう続けた。
『皇室が望めば、私の持つ武力も富も提供します。それは彼らを守る城壁となり、彼らの敵を貫く剣となるでしょう。』
他にも『申命記25章17節には『アマレクがあなた方にしたことを忘れてはならない』、19節には『天の下からアマレクの記憶を消し去らなければならない』とあります。彼らの神様ではなく、私達の神様の言葉に則って行動することも一つの選択肢としてありなのではないでしょうか?』とも述べており、比較的早い段階から誹謗中傷に対する武力行使を示唆していたことが伺える。
それから3年後の現在、健仁の武力は日本で行使されわずか一晩で皇室バッシングは収束することとなった。
それでも、受け入れ難いものは受け入れ難いのだ。
「何か疲れちゃったね...ちょっと気晴らしに散歩でも行かない?」
誠子は理仁にそう声を掛ける。
「いいね、行こう行こう」
そう言って彼は立ち上がる。
◇◇◇
赤坂御用地内を散歩中、彼は誠子に声を掛けた。
「ねえ、誠子姉さま。あの人って皇室にいた頃はどんな人だったの?俺が物心ついた頃にはいなかったから良く知らないんだよね」
「そうね...凄い優しい人だったわ...パソコンいじるのが好きでエラーとか出て宮内庁の職員さんが困ってた時にアッサリ直したりしてたし。後は...」
そう言って彼女は少し遠くを指さす。そこにはシロツメクサが咲いていた。
「あそこにシロツメクサがあるでしょう?子供の頃よくあそこで花冠を作ってくれていたの。確か大分昔のだけど健仁さんが私とお姉ちゃん、お母さまの為に3つ位作って頭に掛けてる映像もあるの」
「そうなんだ...」
「他にも動物園でお小遣いが足りなくて欲しかった文房具が買えなかった時も代わりに買ってくれたしね...」
そう言った彼女の目から涙が溢れていた。
「誠子姉さま、あっちのベンチに座らない?」
「ええ...そうね...」
そう言って理仁は彼女の手を引いてベンチまで向かい2人隣り合って座る。顔を覆いすすり泣く彼女の背中を彼は優しくさすっていた。
「ごめん...気晴らしにって連れ出したのにこんな風になっちゃって...」
「大丈夫だよ、誠子姉さま。それだけ昔はあの人と仲良かったんでしょ?」
「うん...本当に仲が良かったよ...あんなに優しくて大好きだったのに...」
そう言って泣き崩れる誠子。こんなに泣く姿を見たのは誹謗中傷に耐えきれず、健仁の手引きでアメリカでの静養を開始する前後以来だ。
そんな彼女に理仁は声を掛ける。
「そんなに泣く位良い人だったんだねあの人...その優しさの一かけらでも僕らにも向けてくれれば良いのにね...」
「そうね...」
「泣き止んだら部屋に戻ってアルバム見ても良い?あの人の写真にちょっと興味が沸いたんだ」
そう言って微笑む理仁。誠子も「良いわよ。理仁が産まれる前の写真も見せてあげるね」と答えた。
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