不運なプリンスの闘い~未来の天皇は家族の危機に立ち向かう~

オーガスト

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本編

最終話 穏やかな日々

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 2050年代半ばの皇居。

 2人の男女-天皇に即位した理仁おさひとと皇后となった佐喜子さきこ-が皇居の敷地を散策していた。

 「頼仁よりひと(理仁と佐喜子の第1子で長男。現在の皇太子)の下に第1子となる男の子が産まれたそうだ。少なくとも、これで22世紀までの皇統の存続は確定した。」

 理仁はどこか嬉しそうにそう言った。佐喜子も「そうですわね、主上おかみ」と同意する。

 彼には5人の子女-3男2女-の子供達がいた。

 「この間は宗仁むねひと(第3子で次男。)の婚約が決まったし、峰子みねこ(第2子で長女。高校卒業後に自らの医師で皇室を離れた)も就職の目途が立って春から社会人だそうだ」

 理仁は子供達の近況についてそう語る。

 「勇仁いさひと(第4子で三男。)も来年には成年式ですし、美子よしこ(第5子で次女)も小学校に上がりますわね」

 美子は第4子と11歳程年が離れており年の離れた末っ子としてかなり愛されている。理仁自身上の姉とはかなり年が離れており何かと支えてもらった事から似た境遇の美子は可愛くてたまらないのだ。

 「皆...それぞれ歩みを進めていて誇らしいよ」

 「そういえば...お友達の近況はご存じですか?」

 佐喜子はそう理仁に尋ねる。

 「そういえば智久は両親の事務所を継いだと言っていたな。マスコミ相手の訴訟では負けなしだそうだ。明子も医者として大学病院で働いているらしい。」

 そして近況報告は両親、姉、そして彼の兄にも広がった。

 「両親は思い入れのある宮邸で穏やかな老後を過ごしておられる。誠子姉さまや時子姉さまも結婚されて家族と一緒に普通の幸せを楽しんでいるそうだ。健仁さんは...つい最近世界で3番目の『個人資産額1兆ドル』の富豪になったそうだ。相変わらず規格外だよ。」

 そう言って途方もない兄の存在感に嘆息する。

 「相変わらず規格外ですわね...健仁さんは」

 「あの人には色々と世話になったからね。今ではもうわだかまりもないよ」

 彼はそう言って過去を振り返る。

 実は、彼は後になって健仁の自前の諜報機関が自分達を影日向から守っていた事を知ったほか、彼が自らの過ちを後悔し更にパレスチナ人の少女に刺された事をきっかけにこれまでの非人道的な強硬姿勢を放棄し融和路線へと舵を切った事から少しずつ信頼を取り戻して行った。

 「何より、頼仁の留学の時に彼に世話になったからね。いとこ同士の仲も良いみたいだしもういがみ合ってても仕方ないからさ」

 そう言って理仁は穏やかな表情を浮かべる。そしてこれまでの過去を振り返っていた。

 ◇

 理仁が皇位を継承したのは今から10年以上前の2045(英弘26)3月31日である。彼の伯父に当たる英弘の天皇が高齢を理由に父と同様に退位した。

 しかし、兄と5歳しか年齢が違わない皇嗣葛城宮は高齢を理由に即位を辞退。

 これは国会でもある程度予想されており比較的若い理仁へと皇位が継承された。

 また、理仁と佐喜子は大学卒業から2年後の2031(英弘13)年に結婚し翌年に第1子となる男の子が誕生していた。

 その後も子宝に恵まれ育児や公的な活動に励む日々が続いた。

 週刊誌報道による誹謗中傷は健仁の強硬策によって絶えて久しくそれは今も尚変わらなかった。

 「佐喜子ちゃん...君には大変な重圧を敷いてしまったけれども...大丈夫かい?辛くはなかった?」

 これまでの歩みを振り返りながらこの20数年自分を支えてくれた妻にそう心配そうに尋ねる理仁。そんな彼に佐喜子は笑顔で首を振った。

 「いいえ主上おかみ。大変ではなかったと言えばウソになりますが国民の皆様や宮様方のお支えのおかげで楽しくその務めを果たすことができましたので、辛くはありませんでした」

 そう言った佐喜子を理仁は強く抱きしめる。

 「ありがとう...佐喜子ちゃん。君と結婚できて本当に良かった」

 「私もあなたと結婚出来て本当に良かった」

 「これからもよろしくね。」

 「ええ、こちらこそ」

 そう言って抱き合う2人。そんな2人を勇仁と美子が後ろから遠目に眺めていた。

 -完-

 あとがき

 理仁sideだと元々の妄想のストックに乏しく大分いい加減と言うか端折はしょってしまう結果となってしまいました。

 もう少し深堀出来れば良かったのですが今のスペックだとこれが限界です。

 あとリアルが忙しいので(これが一番の理由です)ここで実質打ち切りみたいになります。

 また機会があれば一話完結型等の妄想小説を書いて行こうかなと思います。

 ご愛読ありがとうございました。
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感想 3

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みんなの感想(3件)

田吾作
2025.10.30 田吾作
ネタバレ含む
2025.10.30 オーガスト

田吾作さま、感想ありがとうございます!

葛城宮の皇族としての矜持や学友たちの友情を楽しんでいただけて何よりです!

理仁は一部の心無い人々からの中傷が浴びせられていましたが周囲は彼の味方であり正に「万民輔翼」と言った感じでした。

佐喜子とは両想いではあるものの皇室の置かれた状況や身内の女性の苦悩を知っていることから躊躇してしまっております。

私見ではあるものの男性皇族の場合、同じ身位でも皇位に就くかどうかで状況が全く異なるので姉の絆が理仁の孤独さを強調しています...

田吾作さまの作品の春日宮さま同様、理仁も繊細な時子に重荷を背負わせたくないという矜持を持っております。

はい、誠子を追い込み、皇室の分断を煽る皇室ウォッチャー界隈は動画配信者やインフルエンサー諸共相応の”報い”を受ける事となります。

ただし狭い世界とは言えSNS空間でそれなりの人数がいたので一部の影響力の大きい個人を除いて個人情報の拡散と言う形での制裁が主となっております!

稚作を楽しんでいただけて光栄です!田吾作さまの作品も楽しませていただきます!

解除
田吾作
2025.10.22 田吾作
ネタバレ含む
2025.10.22 オーガスト

田吾作さま、感想ありがとうございます!

稚作の描写をお褒め頂き恐縮です!

皇室は理仁1人に継承の全てが掛かっている状態となったためとくに宗教関連では徹底的なリスク管理が行われました

彼の改宗や図書室の配慮についてはマスコミもある事ない事書き立て葛城宮家に対し余計なストレスを与えたものと思われます。

鋭意制作中ですのでお待ちください!田吾作さまの作品も楽しみに待っております!

解除
田吾作
2025.10.21 田吾作
ネタバレ含む
2025.10.21 オーガスト

田吾作さま、感想ありがとうございます!

理仁の学友は彼の藩屏となって欲しいと思ったので旧華族で固めました!

もしかすれば2度目の公武合体となるかもしれません(一度目は高松宮宣仁親王殿下と高松宮妃喜久子殿下)

はい、御賢察の通り理仁の運転する車は黄色い外車です!

稚作を楽しんでいただき恐縮です!田吾作様の作品の更新も楽しみに待っています!

解除

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