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本編
第20話 吐露
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葛城宮が健仁を書斎に呼び、健仁の妻・ジュリアが子供達を連れて赤坂御用地を去った直後。姉の誠子内親王は弟の理仁親王に声を掛けた。
「理仁...何があったの?あなたが暴力を振るうなんてよっぽどのことだわ」
場所は宮邸分室の誠子の部屋。理仁はただ沈黙していた。
「無理に話さなくても大丈夫だけど...もし何か言いたくなったらまた教えて欲しい。」
そう誠子は優しく声を掛ける。
「...アイツが俺にこう言ったんだよ...皇室の存続を俺に押し付けた事について...『無意味な人生を肩代わりしてくれてありがとう』って...」
それを聞いた誠子は憤慨する。
「はぁっ!?何なのよそれ!?信じられない!」
「ホント...耳を疑ったよ...」
そう言って沈黙する理仁。
「そんな事気にしちゃダメ...あなたの人生は決して無意味なんかじゃない。それは意味を見出せなかったあの人の問題なんだから」
誠子は理仁を抱きしめてそうフォローする。
「分かってる...ただ、面と向かって言われたからムカついたんだよ...」
「本当に信じられない...どうしてそんな酷い事を言えるんだろうね...」
声を掛けながら泣きそうになる誠子。
「それに...アイツ、国民の事をクソだって言い切ったんだ。確かに一部に変なのはいるし...そのせいで誠子姉さまやお母さまが辛い思いをしたのは知ってる...そしてアイツがそういう人たちを沈黙させたことも...」
「ただ」と理仁は続ける。
「一部に変なのがいたとしても大勢の国民の方々は暖かく俺を迎えてくれていた...自分に重圧を課した事もそのことに無頓着なのも...この際どうでも良い。無理ゲーは覚悟の上だから。でも、自分を支えてくれた国民まで侮辱されたのが一番腹が立ったんだ」
理仁の言葉を聞き誠子は「そうだったのね。話してくれてありがとう」と優しく声を掛ける。
「少し話したらスッキリしたよ。今日は友達と電話するから部屋に戻るね」
そう言って立ち上がった理仁を誠子は優しく見送った。
「またね。何かあったらまた来て欲しい。いつでも力になるから」
「ありがとう、誠子姉さま。またね」
そう言って理仁は誠子の部屋を後にした。
◇
自室の中で彼はモヤモヤとした考えを抱きながらベッドで仰向けになっていた。自分自身、あそこまで感情を剥き出しにしたのは初めてだったので今になって『自分があそこまで怒りを抱いていたのか』と驚いていた。
しかし、彼の怒りの原動力は『皇位継承を押し付けられた事』がきっかけではあるがそれとは別の所にあった。
皇族として幸福を願い、苦楽を共にする国民への侮辱。それが理仁が健仁へ怒りを抱いた決定的な理由であった。
(正直冷静でいられなかったのは完全にミスだったな...仕方ない。)
そう理仁は判断した。
◇
今回の一件からしばらく経った頃。
理仁は珍しく佐喜子と2人きりだった。
「理仁君、珍しいね。いつもは明子ちゃんや智久くんがいるのに」
そう言いながらもどこか嬉しそうな表情を浮かべる佐喜子。
「ああ、そうだね。実は君に伝えなきゃいけない大事な事があるんだ。」
「なぁに?」
そう言ってから深呼吸をする理仁。
「佐喜子ちゃん。僕は君が好きだ。どうか僕と付き合ってほしい」
その告白を聞いた佐喜子は一瞬目を見開いた。そして言葉を続ける。
「はい、喜んで」
そう満面の笑顔で告げた佐喜子を理仁は力の限り抱きしめた。
「理仁...何があったの?あなたが暴力を振るうなんてよっぽどのことだわ」
場所は宮邸分室の誠子の部屋。理仁はただ沈黙していた。
「無理に話さなくても大丈夫だけど...もし何か言いたくなったらまた教えて欲しい。」
そう誠子は優しく声を掛ける。
「...アイツが俺にこう言ったんだよ...皇室の存続を俺に押し付けた事について...『無意味な人生を肩代わりしてくれてありがとう』って...」
それを聞いた誠子は憤慨する。
「はぁっ!?何なのよそれ!?信じられない!」
「ホント...耳を疑ったよ...」
そう言って沈黙する理仁。
「そんな事気にしちゃダメ...あなたの人生は決して無意味なんかじゃない。それは意味を見出せなかったあの人の問題なんだから」
誠子は理仁を抱きしめてそうフォローする。
「分かってる...ただ、面と向かって言われたからムカついたんだよ...」
「本当に信じられない...どうしてそんな酷い事を言えるんだろうね...」
声を掛けながら泣きそうになる誠子。
「それに...アイツ、国民の事をクソだって言い切ったんだ。確かに一部に変なのはいるし...そのせいで誠子姉さまやお母さまが辛い思いをしたのは知ってる...そしてアイツがそういう人たちを沈黙させたことも...」
「ただ」と理仁は続ける。
「一部に変なのがいたとしても大勢の国民の方々は暖かく俺を迎えてくれていた...自分に重圧を課した事もそのことに無頓着なのも...この際どうでも良い。無理ゲーは覚悟の上だから。でも、自分を支えてくれた国民まで侮辱されたのが一番腹が立ったんだ」
理仁の言葉を聞き誠子は「そうだったのね。話してくれてありがとう」と優しく声を掛ける。
「少し話したらスッキリしたよ。今日は友達と電話するから部屋に戻るね」
そう言って立ち上がった理仁を誠子は優しく見送った。
「またね。何かあったらまた来て欲しい。いつでも力になるから」
「ありがとう、誠子姉さま。またね」
そう言って理仁は誠子の部屋を後にした。
◇
自室の中で彼はモヤモヤとした考えを抱きながらベッドで仰向けになっていた。自分自身、あそこまで感情を剥き出しにしたのは初めてだったので今になって『自分があそこまで怒りを抱いていたのか』と驚いていた。
しかし、彼の怒りの原動力は『皇位継承を押し付けられた事』がきっかけではあるがそれとは別の所にあった。
皇族として幸福を願い、苦楽を共にする国民への侮辱。それが理仁が健仁へ怒りを抱いた決定的な理由であった。
(正直冷静でいられなかったのは完全にミスだったな...仕方ない。)
そう理仁は判断した。
◇
今回の一件からしばらく経った頃。
理仁は珍しく佐喜子と2人きりだった。
「理仁君、珍しいね。いつもは明子ちゃんや智久くんがいるのに」
そう言いながらもどこか嬉しそうな表情を浮かべる佐喜子。
「ああ、そうだね。実は君に伝えなきゃいけない大事な事があるんだ。」
「なぁに?」
そう言ってから深呼吸をする理仁。
「佐喜子ちゃん。僕は君が好きだ。どうか僕と付き合ってほしい」
その告白を聞いた佐喜子は一瞬目を見開いた。そして言葉を続ける。
「はい、喜んで」
そう満面の笑顔で告げた佐喜子を理仁は力の限り抱きしめた。
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