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第1章 幼少期編
第10話 冒険者登録
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やって来ました冒険者ギルド。昨日ぶり。
馬車の中では、移動時間で結局祈祷された。巫女様からは逃げられない! 幸いにも定員上限まで人が乗り、多少手狭だった事もあって、母は自重してくれた。
ギルドに着くと、シーラ様の馬車で入口横付けだ。ちょっと目立って無いですかね?
シーラ様に聞くと、今後冒険者活動をするにあたり、俺が他の冒険者に舐められないように、箔付けを兼ねているらしい。逆効果にならない事を祈っておこう。
中に入ると、新年とか関係なく忙しい冒険者の人達で溢れ返っていた。そう言えば、朝起きて直ぐに来たから、朝飯もまだなんだよね。思い出したら、お腹空いて来た。
「おい、何だあの集団」
「ああ、神殿の巫女様に、大神官、それに疾風迅雷のサーシャ様だ。一体何事だ?」
「いやーん。一緒に居る坊やかわいいわ~(ダミ声」
ギルド内ではそんなヒソヒソ話が聞こえて来る。シーラ様だけならまだしも、父も母も有名人なんだな。と言うか最後のダミ声の人、間違いなくオネエだ・・・。目を付けられないようにしないと。
「み、巫女様、本日はどんな御用でしょうか?」
そんな中を進んでいくと、ギルドの職員と思われるお姉さんが出て来た。犬耳の獣人さんだ。
「おはようございます。すみませんが、支部長の所に案内して頂けますか?」
「は、はいっ、只今っ!」
可哀想に職員のお姉さんは、尻尾が足の間に入ってる。犬がビクついた時のシグナルだった気がする。
これは相当萎縮してるのかな? まあ、そりゃ急に神殿のナンバー1(巫女)、ナンバー2(大神官)と元だけど伝説の? 神殿騎士が揃ってやって来たら、何事かと心配にもなるよね。
「お姉さん、大丈夫ですよ。今日は僕の用事に付いて来て頂いただけなので、ご心配なさらないで下さい」
「あ、ありがとう坊や。貴方、優しいのね?」
「はいっ! (犬が)大好きですからね!」
「えっ、あっ! そ、そう言うのは後10年くらい経ってからね?」
あれ? 何か勘違いされた? お姉さん顔が真っ赤だ。
「もうリョーマ、何を遊んでいるの? 行くわよ?」
「あっ! すみません。直ぐにご案内致します。こちらにどうぞ」
そして俺達は顔を真っ赤にした犬耳獣人のお姉さんに案内されて、支部長の部屋の前に着いた。
お姉さんは、先に支部長の部屋に入って行く。多分、俺たちが来た事を説明しているのだろう。
中から、昨日の今日でもう来たのか!? とか聞こえて来たけど、何の話だろう?
ん? シーラ様がニヤニヤして嬉しそうだ。
「どうぞ、支部長がお待ちですので、お入り下さい」
犬耳のお姉さんは、そう言うと俺たちを中に入れ、そそくさと去って行った。お疲れ様でした。
「おはようございます。それでシーラ様、本日はどのようなご用件でしょうか?」
中に入ると、支部長が事務机の前に立ち、出迎えてくれた。ハーフ魔人のこの人でも、シーラ様にはアタマが上がらないんだな。
「あら、お願いしてありましたよね? この子の冒険者登録ですよ」
「やっぱり、そうですよね。てっきり数年は先の事かと思っていましたが、まさか昨日の今日で登録とは・・・」
あれ、よく考えたら俺、保護者同伴で冒険者登録とか、結構恥ずかしい状況じゃ無い!? 読んでいた小説とかでも、保護者同伴の冒険者登録は聞いた事がないような・・・。
「まあ、実力的にも人格的にも問題は無いし、神殿の巫女様のお墨付きもある。俺の権限で、登録させて頂きますよ。将来有望な若者を、我が支部で登録するのは大歓迎です」
何でも、将来冒険者として名が売れた時に、どこどこの国のどこどこの支部出身、みたいな紹介がされるそうだ。そうなると、出身の支部は人気が出たりして栄える事もあるとか、ないとか。そう言う意味では俺が将来活躍さえできたら、WIN-WINの関係ってヤツなのかも?
「ありがとうございます。やはり持つべきものは、優秀な支部長の知り合いですね」
「全く、シーラ様も人が悪い。昨日の内に言っておいてくれたら、もっとスムーズに手続きもできたんですがね」
「あら、それでは面白くないでは無いですか? この歳にもなると、こんなサプライズ的な事しか楽しみが無いのですよ」
うん、やっぱりシーラ様はちょっと黒いよね!
「とりあえず、冒険者登録ですな。暫くお待ちを」
そう言うと、支部長のアルフさんは部屋を出て行き、数分後に先程の犬耳お姉さんを連れて戻ってきた。
「登録に関しての説明はこの子が対応してくれます。応接室の方に移動して頂く事になりますが、全員で向かわれますか?」
いや、さすがに登録作業まで保護者同伴は恥ずかしすぎる。
「シーラ様とお父様、お母様はここまでで大丈夫ですよ? 冒険者登録くらい一人で行けます」
「そう言う事なら、お三方はこの部屋でお茶でもいかがですかな? この子を冒険者登録する理由などもお聞かせ頂きたい」
「ええ、そうですね。冒険者登録ができたら、次はリョーマ君に指名依頼を出す必要がありますし、その辺りを詰めましょうか」
指名依頼とは、特定の冒険者を指名して依頼を出す事で、本来なら今日登録したばかりの初心者にする事ではない。その辺りも含めての話なんだろう。
「では、リョーマさんはこちらへ」
俺は犬耳のお姉さんに連れられて、応接室に向かうのであった。
応接室に入ると、ソファに座るように言われ、ソファに座る。お姉さんは机を挟んだ反対側に座った。
短いスカートで少し背の低いソファに座ってるから、太ももがチラチラ見えて、子供の教育にはよろしくない。実にけしからん。・・・はい【ポーカーフェイス】さんお仕事ですよ。
くっ! 【ポーカーフェイス】で目線までは隠せない。
「? それでは改めて、登録を担当させてもらう受付嬢のマリーナよ。依頼などでお世話をする事もあると思うので、覚えておいてね?」
俺がアホな事を考えていたら、自己紹介が始まっていた。
「あ、ボクはリョーマ。リョーマ・グレイブです。見ての通り、5歳ですが特例で冒険者登録させて頂ける事になりました。よろしくお願いします」
「まだ小さいのに、丁寧な言葉も使えて凄いわね。でも、あまり丁寧な言葉を使っていると、周りの冒険者に舐められたりもするから、気をつけてね?」
なるほど、そう言えばファンタジー物の小説とかでも、丁寧な言葉を使う冒険者なんて、ほぼ居なかったな。
「ご忠告ありがとうございます。でも、さすがに見た目がお子様の僕が、砕けた言葉で話しかけたら、それこそ争いの火種になりかねませんので、暫くは丁寧な言葉でいきたいと思います」
「そうね、それも一理あると思うわ。子供だから、逆に気にしなくても良い気もするけど、そこはリョーマさんの判断な任せるわね。
さて、じゃあ冒険者について簡単に説明するから、分からない事があれば、都度質問してね?」
そう言いながら、マリーナさんは冒険者と冒険者ギルドについて説明してくれた。説明された内容を要約すると、次の通りだ。
まず、冒険者ギルドは大半の国に存在する、国からは独立した組織である。
基本的に国の要請で戦争などに戦力を供給するような事はない。あくまでも対魔物がメインのようだ。
ギルドランクはFから始まり、1番上がSの7種類。何と支部長のアルフさんは、元Aランク冒険者だったらしい。あのレベルなら納得かな。
依頼の種類は採集、討伐、護衛、その他に分かれていて、Fランクだと採集やその他の雑用をこなして実績を積むらしい。
受けられる依頼はソロなら自分のランクの一つ上までで、パーティを組めばまた話は違うらしい。そして依頼を一定数失敗せずに達成すると、昇格試験を受けて、晴れてランクアップとの事だ。FからE、EからDは試験もなく条件さえ満たしたら昇格らしいけどね。
大まかには、そんな感じの説明の後、ギルドカードを作成した。カードの色でギルドランクが分かるらしい。ギルドカードは血を垂らすと、名前とレベルが刻まれる。ファンタジー物のお決まり機能だけど、相変わらず謎仕様である。
「はい! これでリョーマさんの冒険者登録は終わりよ。前情報だと、もう少しレベルが高いのかと思っていたけど、そうでもないのね? まあ、その歳では異常な高さだけど」
そう、俺のギルドカードにも名前の下にレベルが表示された。レベルがバレて、大騒ぎになるんじゃないかと焦ったけど、下2桁だけで22と表示されていた。
人類史上、文献に残っている最高レベルが77なので2桁までしか想定されていなかったようだ。良かった・・・。
馬車の中では、移動時間で結局祈祷された。巫女様からは逃げられない! 幸いにも定員上限まで人が乗り、多少手狭だった事もあって、母は自重してくれた。
ギルドに着くと、シーラ様の馬車で入口横付けだ。ちょっと目立って無いですかね?
シーラ様に聞くと、今後冒険者活動をするにあたり、俺が他の冒険者に舐められないように、箔付けを兼ねているらしい。逆効果にならない事を祈っておこう。
中に入ると、新年とか関係なく忙しい冒険者の人達で溢れ返っていた。そう言えば、朝起きて直ぐに来たから、朝飯もまだなんだよね。思い出したら、お腹空いて来た。
「おい、何だあの集団」
「ああ、神殿の巫女様に、大神官、それに疾風迅雷のサーシャ様だ。一体何事だ?」
「いやーん。一緒に居る坊やかわいいわ~(ダミ声」
ギルド内ではそんなヒソヒソ話が聞こえて来る。シーラ様だけならまだしも、父も母も有名人なんだな。と言うか最後のダミ声の人、間違いなくオネエだ・・・。目を付けられないようにしないと。
「み、巫女様、本日はどんな御用でしょうか?」
そんな中を進んでいくと、ギルドの職員と思われるお姉さんが出て来た。犬耳の獣人さんだ。
「おはようございます。すみませんが、支部長の所に案内して頂けますか?」
「は、はいっ、只今っ!」
可哀想に職員のお姉さんは、尻尾が足の間に入ってる。犬がビクついた時のシグナルだった気がする。
これは相当萎縮してるのかな? まあ、そりゃ急に神殿のナンバー1(巫女)、ナンバー2(大神官)と元だけど伝説の? 神殿騎士が揃ってやって来たら、何事かと心配にもなるよね。
「お姉さん、大丈夫ですよ。今日は僕の用事に付いて来て頂いただけなので、ご心配なさらないで下さい」
「あ、ありがとう坊や。貴方、優しいのね?」
「はいっ! (犬が)大好きですからね!」
「えっ、あっ! そ、そう言うのは後10年くらい経ってからね?」
あれ? 何か勘違いされた? お姉さん顔が真っ赤だ。
「もうリョーマ、何を遊んでいるの? 行くわよ?」
「あっ! すみません。直ぐにご案内致します。こちらにどうぞ」
そして俺達は顔を真っ赤にした犬耳獣人のお姉さんに案内されて、支部長の部屋の前に着いた。
お姉さんは、先に支部長の部屋に入って行く。多分、俺たちが来た事を説明しているのだろう。
中から、昨日の今日でもう来たのか!? とか聞こえて来たけど、何の話だろう?
ん? シーラ様がニヤニヤして嬉しそうだ。
「どうぞ、支部長がお待ちですので、お入り下さい」
犬耳のお姉さんは、そう言うと俺たちを中に入れ、そそくさと去って行った。お疲れ様でした。
「おはようございます。それでシーラ様、本日はどのようなご用件でしょうか?」
中に入ると、支部長が事務机の前に立ち、出迎えてくれた。ハーフ魔人のこの人でも、シーラ様にはアタマが上がらないんだな。
「あら、お願いしてありましたよね? この子の冒険者登録ですよ」
「やっぱり、そうですよね。てっきり数年は先の事かと思っていましたが、まさか昨日の今日で登録とは・・・」
あれ、よく考えたら俺、保護者同伴で冒険者登録とか、結構恥ずかしい状況じゃ無い!? 読んでいた小説とかでも、保護者同伴の冒険者登録は聞いた事がないような・・・。
「まあ、実力的にも人格的にも問題は無いし、神殿の巫女様のお墨付きもある。俺の権限で、登録させて頂きますよ。将来有望な若者を、我が支部で登録するのは大歓迎です」
何でも、将来冒険者として名が売れた時に、どこどこの国のどこどこの支部出身、みたいな紹介がされるそうだ。そうなると、出身の支部は人気が出たりして栄える事もあるとか、ないとか。そう言う意味では俺が将来活躍さえできたら、WIN-WINの関係ってヤツなのかも?
「ありがとうございます。やはり持つべきものは、優秀な支部長の知り合いですね」
「全く、シーラ様も人が悪い。昨日の内に言っておいてくれたら、もっとスムーズに手続きもできたんですがね」
「あら、それでは面白くないでは無いですか? この歳にもなると、こんなサプライズ的な事しか楽しみが無いのですよ」
うん、やっぱりシーラ様はちょっと黒いよね!
「とりあえず、冒険者登録ですな。暫くお待ちを」
そう言うと、支部長のアルフさんは部屋を出て行き、数分後に先程の犬耳お姉さんを連れて戻ってきた。
「登録に関しての説明はこの子が対応してくれます。応接室の方に移動して頂く事になりますが、全員で向かわれますか?」
いや、さすがに登録作業まで保護者同伴は恥ずかしすぎる。
「シーラ様とお父様、お母様はここまでで大丈夫ですよ? 冒険者登録くらい一人で行けます」
「そう言う事なら、お三方はこの部屋でお茶でもいかがですかな? この子を冒険者登録する理由などもお聞かせ頂きたい」
「ええ、そうですね。冒険者登録ができたら、次はリョーマ君に指名依頼を出す必要がありますし、その辺りを詰めましょうか」
指名依頼とは、特定の冒険者を指名して依頼を出す事で、本来なら今日登録したばかりの初心者にする事ではない。その辺りも含めての話なんだろう。
「では、リョーマさんはこちらへ」
俺は犬耳のお姉さんに連れられて、応接室に向かうのであった。
応接室に入ると、ソファに座るように言われ、ソファに座る。お姉さんは机を挟んだ反対側に座った。
短いスカートで少し背の低いソファに座ってるから、太ももがチラチラ見えて、子供の教育にはよろしくない。実にけしからん。・・・はい【ポーカーフェイス】さんお仕事ですよ。
くっ! 【ポーカーフェイス】で目線までは隠せない。
「? それでは改めて、登録を担当させてもらう受付嬢のマリーナよ。依頼などでお世話をする事もあると思うので、覚えておいてね?」
俺がアホな事を考えていたら、自己紹介が始まっていた。
「あ、ボクはリョーマ。リョーマ・グレイブです。見ての通り、5歳ですが特例で冒険者登録させて頂ける事になりました。よろしくお願いします」
「まだ小さいのに、丁寧な言葉も使えて凄いわね。でも、あまり丁寧な言葉を使っていると、周りの冒険者に舐められたりもするから、気をつけてね?」
なるほど、そう言えばファンタジー物の小説とかでも、丁寧な言葉を使う冒険者なんて、ほぼ居なかったな。
「ご忠告ありがとうございます。でも、さすがに見た目がお子様の僕が、砕けた言葉で話しかけたら、それこそ争いの火種になりかねませんので、暫くは丁寧な言葉でいきたいと思います」
「そうね、それも一理あると思うわ。子供だから、逆に気にしなくても良い気もするけど、そこはリョーマさんの判断な任せるわね。
さて、じゃあ冒険者について簡単に説明するから、分からない事があれば、都度質問してね?」
そう言いながら、マリーナさんは冒険者と冒険者ギルドについて説明してくれた。説明された内容を要約すると、次の通りだ。
まず、冒険者ギルドは大半の国に存在する、国からは独立した組織である。
基本的に国の要請で戦争などに戦力を供給するような事はない。あくまでも対魔物がメインのようだ。
ギルドランクはFから始まり、1番上がSの7種類。何と支部長のアルフさんは、元Aランク冒険者だったらしい。あのレベルなら納得かな。
依頼の種類は採集、討伐、護衛、その他に分かれていて、Fランクだと採集やその他の雑用をこなして実績を積むらしい。
受けられる依頼はソロなら自分のランクの一つ上までで、パーティを組めばまた話は違うらしい。そして依頼を一定数失敗せずに達成すると、昇格試験を受けて、晴れてランクアップとの事だ。FからE、EからDは試験もなく条件さえ満たしたら昇格らしいけどね。
大まかには、そんな感じの説明の後、ギルドカードを作成した。カードの色でギルドランクが分かるらしい。ギルドカードは血を垂らすと、名前とレベルが刻まれる。ファンタジー物のお決まり機能だけど、相変わらず謎仕様である。
「はい! これでリョーマさんの冒険者登録は終わりよ。前情報だと、もう少しレベルが高いのかと思っていたけど、そうでもないのね? まあ、その歳では異常な高さだけど」
そう、俺のギルドカードにも名前の下にレベルが表示された。レベルがバレて、大騒ぎになるんじゃないかと焦ったけど、下2桁だけで22と表示されていた。
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