159 / 159
第4章 魔界編(仮)
第7話 従魔契約完了と今後
しおりを挟む
週2更新と言う事もあり、話がなかなか進展しなくて申し訳ありません。
そろそろ話が動く予定ですのでもう暫くお付き合い下さいm(_ _)m
─────────────
「リョーマ、さっきの人でこの村の住人は全員リョーマの従魔になったよ」
この村の長、アンナさんからそんな説明を受けた。やっと村人全員と従魔契約が完了したみたいだ。疲れたぁ。
グリモールが俺の従魔である事を素直に説明して、その後も紆余曲折はあったが村の全員が俺の従魔(グリモールの配下)になる事になった。
しかし、この場に居ない(と言うか世界が違う?)従魔の配下に設定するには予想以上に魔力を消費するようで、今のレベルでは1日に10人が限界だった。
毎日レベルは上がっていたので、少しづつ魔力も上がり、村の住人96人を従魔にするのにかかったのは7日だった。
その間、俺は村長の家に住まわせて貰っていた。魔力に余裕があれば【万物創造】で自分の家を作る事も出来るけど、村人を従魔にする為に魔力を使ってたからね。
そして、毎晩ポチに会う夢を見てる気がするんだけど、夢だからか起きたら全く覚えていない。本人と言うか本犬? が目の前で寝てるとは言え、夢で会った事を覚えていないのは少し寂しい。まあ、夢なんだけどね。
「それにしても凄まじいですね。【従魔超強化】ですか? この村の戦力が一気に高まりました。
先日狩りにも行きましたが、今まで苦戦していた魔物を難なく狩れただけでなく、レベルもかなり上がりましたよ」
そう言うのは、俺をこの村まで案内してくれた青年。名前はミヅキと言うらしい。
「ホントね。予言は間違ってなかった。最初にリョーマの従魔になるって聞いた時は半信半疑だったけど、ここまでの恩恵があるとは。
しかも私たち悪魔王グリモール様の直轄配下でしょ? ホントに夢のようね」
この村の人たちは例外なくグリモールを信仰していた。一応、アンナさんは巫女で遊戯の女神の【神託】を聞く事ができるけど、ずっと音沙汰がなかった神様だし、そこまで信仰されていなかったようだ。
「期待に応えられたみたいで良かったです。
さて、それで今後の事ですが・・・」
「ええ、【神託】では「配下を増やして自軍を強化しろ」だったわね。
この村全体を配下にしても特に変化はなかったのよね?」
まだ最後の人を配下にしたばかりだから分からないけど、特に変化はないのかな?
《配下が10名を超えた時、僅かに従魔ポチに変化が有りましたが、その後は大きな変化は観測できていません》
【アナウンス】さんが言うならそうなんだろう。今96人だから100人くらいで何か起きないかな?
「はい。今のところ変化は無いですね。
でもこれ以上配下を増やそうと思ったら、あの山を越えないといけないんですよね?」
この7日の間に聞いた話によると、ここから俺が来た方向。つまり荒野の方向には何もないそうだ。魔界の果て。そう呼ばれる荒野が広がっているだけらしい。
そして荒野から目印にしてやってきたこの大山脈、その山の向こうにはそこそこ豊潤な土地が広がっていて、色々な悪魔族が住んでいるそうだ。
因みに少し試してみたけど、村の周りの魔物は何故か従魔にできないようだった。
「そう伝わっているわ。ここ数百年、山の向こうとは交流がないから本当のところは分からないけどね。
私達の一族は予言を信じて、この地に留まり続けてたの」
この村は外界との交流も少なく、文明も結構退化してきたらしい。本来、魔界はもう少し文明レベルが高いそうだ。
しかし、文明レベルが退化してしまったとは言え、ここにはアレがあった。日本人のソウルフード。そう、お米だ!
俺も約8年ぶりに米を食べる事ができた。ただ、ここの食べ方は玄米をお粥にして食べる方法だけで、精米して炊くと言う調理法がなかった。そこは今後教えて行こうと思う。俺もうろ覚えだけどね。
「そうだ。1つ気になることがあったんですが」
「何かな?」
「ここに来る前、荒野で1人の鬼人に会ったんです。
少年だと思うけど、お腹を空かせていて食べ物を上げるとまた去って行きました」
この1週間従魔契約が忙しくて半分忘れかけてたけど、不思議な子だったな。最初は普通に話してたのに急に喋らなくなったり。
「荒野に鬼人の子? 私は心当たりないわ。
カンナ、ミヅキ、何か知ってる?」
アンナが妹と狩人に質問する。
「いえ、私は心当たりないです。
狩に行くのも近くの森までで、荒野には行かないですしね」
「私も心当たりないかな。あ、ないです。
私は村から出る事も無いですしね」
どうやら2人とも知らないようだ。カンナは無理やり丁寧な言葉で話さなくても良いとは言ってるけど、滅相もないとか言って丁寧な言葉遣いを貫いている。最初の数分で挫折した姉を見習えば良いのに。もう少しフレンドリーに接したいな。
「うーん。そうですか。また村人の人たちにも聞いてみますね」
仕方ない。この件は保留かな。でも、またやって来そうな気もするんだよね。そんな【予感】がする。山の麓に集落がある事も知ってたし。
「それで話を戻しますが、この山はどうやって越えるんですか?」
標高は軽く前世の世界の最高記録を更新して1万メートルを超えている。普通に登ると遭難する未来しか見えない。
「ああ、それはね。中腹にあるダンジョンが山の反対側に繋がってるんだよ」
なるほど山を越えるよりは危険度が少ないって事かな? いや、俺のステータスなら普通に越える事も出来るかも知れないけど、生身で標高1万メートル超えは空気が薄い未知の世界だしね。
「けど冬になるから春までは無理かな?
雪に埋もれて入口も分からなくなるから」
あら、そう言う事なら多少無理しても山を越えるしかないのか。
「そうそう、山を越えるのはオススメできないよ。
山の上は空気がないからね」
まさか空気がないとか! ここで越冬決定!?
そろそろ話が動く予定ですのでもう暫くお付き合い下さいm(_ _)m
─────────────
「リョーマ、さっきの人でこの村の住人は全員リョーマの従魔になったよ」
この村の長、アンナさんからそんな説明を受けた。やっと村人全員と従魔契約が完了したみたいだ。疲れたぁ。
グリモールが俺の従魔である事を素直に説明して、その後も紆余曲折はあったが村の全員が俺の従魔(グリモールの配下)になる事になった。
しかし、この場に居ない(と言うか世界が違う?)従魔の配下に設定するには予想以上に魔力を消費するようで、今のレベルでは1日に10人が限界だった。
毎日レベルは上がっていたので、少しづつ魔力も上がり、村の住人96人を従魔にするのにかかったのは7日だった。
その間、俺は村長の家に住まわせて貰っていた。魔力に余裕があれば【万物創造】で自分の家を作る事も出来るけど、村人を従魔にする為に魔力を使ってたからね。
そして、毎晩ポチに会う夢を見てる気がするんだけど、夢だからか起きたら全く覚えていない。本人と言うか本犬? が目の前で寝てるとは言え、夢で会った事を覚えていないのは少し寂しい。まあ、夢なんだけどね。
「それにしても凄まじいですね。【従魔超強化】ですか? この村の戦力が一気に高まりました。
先日狩りにも行きましたが、今まで苦戦していた魔物を難なく狩れただけでなく、レベルもかなり上がりましたよ」
そう言うのは、俺をこの村まで案内してくれた青年。名前はミヅキと言うらしい。
「ホントね。予言は間違ってなかった。最初にリョーマの従魔になるって聞いた時は半信半疑だったけど、ここまでの恩恵があるとは。
しかも私たち悪魔王グリモール様の直轄配下でしょ? ホントに夢のようね」
この村の人たちは例外なくグリモールを信仰していた。一応、アンナさんは巫女で遊戯の女神の【神託】を聞く事ができるけど、ずっと音沙汰がなかった神様だし、そこまで信仰されていなかったようだ。
「期待に応えられたみたいで良かったです。
さて、それで今後の事ですが・・・」
「ええ、【神託】では「配下を増やして自軍を強化しろ」だったわね。
この村全体を配下にしても特に変化はなかったのよね?」
まだ最後の人を配下にしたばかりだから分からないけど、特に変化はないのかな?
《配下が10名を超えた時、僅かに従魔ポチに変化が有りましたが、その後は大きな変化は観測できていません》
【アナウンス】さんが言うならそうなんだろう。今96人だから100人くらいで何か起きないかな?
「はい。今のところ変化は無いですね。
でもこれ以上配下を増やそうと思ったら、あの山を越えないといけないんですよね?」
この7日の間に聞いた話によると、ここから俺が来た方向。つまり荒野の方向には何もないそうだ。魔界の果て。そう呼ばれる荒野が広がっているだけらしい。
そして荒野から目印にしてやってきたこの大山脈、その山の向こうにはそこそこ豊潤な土地が広がっていて、色々な悪魔族が住んでいるそうだ。
因みに少し試してみたけど、村の周りの魔物は何故か従魔にできないようだった。
「そう伝わっているわ。ここ数百年、山の向こうとは交流がないから本当のところは分からないけどね。
私達の一族は予言を信じて、この地に留まり続けてたの」
この村は外界との交流も少なく、文明も結構退化してきたらしい。本来、魔界はもう少し文明レベルが高いそうだ。
しかし、文明レベルが退化してしまったとは言え、ここにはアレがあった。日本人のソウルフード。そう、お米だ!
俺も約8年ぶりに米を食べる事ができた。ただ、ここの食べ方は玄米をお粥にして食べる方法だけで、精米して炊くと言う調理法がなかった。そこは今後教えて行こうと思う。俺もうろ覚えだけどね。
「そうだ。1つ気になることがあったんですが」
「何かな?」
「ここに来る前、荒野で1人の鬼人に会ったんです。
少年だと思うけど、お腹を空かせていて食べ物を上げるとまた去って行きました」
この1週間従魔契約が忙しくて半分忘れかけてたけど、不思議な子だったな。最初は普通に話してたのに急に喋らなくなったり。
「荒野に鬼人の子? 私は心当たりないわ。
カンナ、ミヅキ、何か知ってる?」
アンナが妹と狩人に質問する。
「いえ、私は心当たりないです。
狩に行くのも近くの森までで、荒野には行かないですしね」
「私も心当たりないかな。あ、ないです。
私は村から出る事も無いですしね」
どうやら2人とも知らないようだ。カンナは無理やり丁寧な言葉で話さなくても良いとは言ってるけど、滅相もないとか言って丁寧な言葉遣いを貫いている。最初の数分で挫折した姉を見習えば良いのに。もう少しフレンドリーに接したいな。
「うーん。そうですか。また村人の人たちにも聞いてみますね」
仕方ない。この件は保留かな。でも、またやって来そうな気もするんだよね。そんな【予感】がする。山の麓に集落がある事も知ってたし。
「それで話を戻しますが、この山はどうやって越えるんですか?」
標高は軽く前世の世界の最高記録を更新して1万メートルを超えている。普通に登ると遭難する未来しか見えない。
「ああ、それはね。中腹にあるダンジョンが山の反対側に繋がってるんだよ」
なるほど山を越えるよりは危険度が少ないって事かな? いや、俺のステータスなら普通に越える事も出来るかも知れないけど、生身で標高1万メートル超えは空気が薄い未知の世界だしね。
「けど冬になるから春までは無理かな?
雪に埋もれて入口も分からなくなるから」
あら、そう言う事なら多少無理しても山を越えるしかないのか。
「そうそう、山を越えるのはオススメできないよ。
山の上は空気がないからね」
まさか空気がないとか! ここで越冬決定!?
23
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(112件)
あなたにおすすめの小説
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
双華さん、お元気ですか?
うちのポチを楽しみにしてます。ポチの話を聞くのが、大好きです😆💕
もう更新は無いのでしょうか?
第4章めっちゃ楽しみです!
毎回更新をワクワクしながら待ってます!
ポチの『哲学なのだ』が可愛くて好きですw
感想ありがとうございます!
応援頂けると励みになります!
4章も頑張りますm(_ _)m