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孤独な子

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夕方。
丘の上に二つの墓があり、その前で少年が泣いていた。
「うわぁぁぁん。お父さん、お母さん、なんで死んじゃったの!?」
ばさばさ。
彼の肩の上に庭の白い鳥が止まった。
鳥が言った。
「さみしいの? 一人じゃないよ」
少年はきょとんとする。
ばさばさばさばさ。
大量の鳥がやって来て少年の肩に止まり足で腕などをがしっと掴み羽ばたく。
少年は空高くあがったが、途中怖くなり暴れだした。
「嫌だよー! 下ろしてよー!」
どさっ。

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