孤独な私は転生して娘たちが出来たので、溺愛して絶対に守ります。

如月りよん

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かわいい娘たち 初めまして!

かわいい娘たち! 愛してる!

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白い壁。
白い床。
白い天井。
部屋──病室の入り口から見て奥に小さな窓があり、青空に浮かぶ太陽から日が差し込んでおいる。
部屋の真ん中にあるベッドには長い黒髪の──痩せこけた十代後半の少女ミナチが上半身を起こして寝ており、膝の上のパソコンのキーボードを叩く。
ミナチは画面を見て呟く。
『私も、この小説みたいに家族に愛されていたらなぁ……』
彼女は異世界ファンタジー小説を書いている。主人公は可愛い娘たちに囲まれた幸せな令嬢だ。
ミナチは難病患者で、家族に見捨てられ、病院に幽閉状態だ。
ミナチはゆっくりと目を閉じる。
そして息を引き取った。

クリーム色の天井、周囲を見ると、四人の少女と五十代の男が自分を覗きんでいる──ミナチが目を覚まして見た光景だ。
「お母さん、大丈夫?!」
 四人の少女のうち最も背が高い少女──フェティがミナチに言った。
ミナチは困惑で少し黙ってから聞く。
「私がお母さん…………?」
五十代の男が言った。
「おいおい、セルフィーネ。頭をぶったせいで自分の娘のことを忘れたのか? 夫である俺も? 」
ミナチは自分がセルフィーネという名前で呼ばれてることに気づいた。
「私、自分が書いた小説の主人公になってる?」
背の高い少女はセルフィーネ(自分)の長女のフェティ。そのとなりのとてもメガネをかけた少女は次女のシンシア。さらにそのとなりにいるとても長い黒髪の少女は三女のミノニュ。ミノニュの側にいるのがとても背の低い末っ子のリン。そして五十代の男は夫のオルゲンだ。

セルフィーネはしばらくベッドで寝て療養することになった。
部屋は広く、紫色の天蓋付きのベッド。奥には壁一面の大きな窓。
こんこん。
セルフィーネは入るよう促した。
フェティが薬袋を乗せた白いトレイを持って入ってきた。
「お母さん、体調良くならない? 記憶も戻ってなさそうだし……」
セルフィーネは俯いてゆっくり頷く。
フェティはベッドの側へ行き、その場に座る。
「ごめんなさい。フェティ、私、変になったと思う」
「?」
「もう、お母さんは別人になっちゃったの。みんなの知ってる私じゃな………」
フェティは片手で制して話を遮った。
「お母さん、元気だしなよ。きっと治るし、そういう気持ちでいよ? …………どんなことがあっても私たちの大切なお母さんなのは変わらないよ」
セルフィーネがぽろぽろ涙を溢す。
フェティが優しく抱き締める。フェティは唇を噛んで泣きたくなるのを我慢していた。
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