堕落した淫魔は夢を見る

雪之丞 親実

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男達のホワイトデー※ホワイトデーss

初ホワイトデーその2

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「世間は再び桃色じゃ」
 
  デパートのあちこちがピンクや赤の暖簾や横断幕が飾られている。
  
「何故じゃろうか、とってもワクワクするのじゃ!」

  エルドラは辺りをキョロキョロ見渡すと、目を輝かせた。

「あまりキョロキョロすんなや。小っ恥ずかしい……」

  少し後ろを歩く真幸は肩を落とした。

「付き合えとゆーたのはお前じゃろ?恥ずかしがっても仕方がない」

  ほらほらとエルドラは真幸の手を引いた。

「いろいろミスったわ……」

  真幸は溜息を吐いた。
  ヨゾラへのホワイトデーにいろいろ悩んだ。
  今までバレンタインで貰った子達には、全く悩まずにちょっと良いお菓子を返していた。
  だが、今回は違う気がする。
  ヨゾラから貰った時は嬉しかったのもある。
  手作りでも良かったがマンションだとバレるし、バイト先の厨房だと何をツッコまれるか分かったもんじゃない。
  ちゃんとした店の出入りはちょっと恥ずかしいので、エルドラを連れて来た。
  が、エルドラは初めて見る女の子への世界にはしゃいでいる。
  クリスマスの時には瑠依に無理矢理連れ出されたのだが、今回は瑠依とて貰う側だ。
  あてには出来ない。
  女の子目線でエルドラを連れて来たが、周りが振り返る程のはしゃぎ様に、真幸は頭を抱えた。

「ほれ、真幸。この店なぞ良くは無いか?」

  エルドラが指差した先が、白とピンクを基調とし可愛いぬいぐるみやヒラヒラなグッズが眩しい、如何にも女の子のお店だった。
  さすが天使長の奥さんと言うべきか、甘ロリ的な店が似合う。

「ちょぉ待てやっ!あんたやないでヨゾラへのプレゼントやで?こない女の子チックなんは要らんやろ」

  真幸は店に入ろうとするエルドラを引っ張って阻止した。

「そうかの。ヨゾラにも似合いそうじゃが……。我ら天界の血も混ざっとるわけじゃし」
「せやかて男の子やろ」
「これなんぞ、あの三兄弟にそっくりじゃ」

  エルドラは入口に飾ってあるウサギのぬいぐるみ達を指差した。
  白とピンクと薄い水色の小さなモフモフのウサギのぬいぐるみだ。
  お尻にひよこマークのかぼちゃパンツが可愛い。
  水色のウサギさんは、耳がピンと張っていて、少しヤンチャそうな赤い目もキリッとしている。
  薄いピンクのかぼちゃパンツで、大きなニンジンを抱き締めていた。

「ほれ見ぃ、強気な顔付きがヨゾラに似とるじゃろ」

  エルドラはそれを取ると真幸に突き出した。
  そして、右に左に揺らして見せた。
  確かに、雰囲気が似ている。
  そう思うと、少し笑えて来る。
  買って渡したら、失敗してもネタくらいにはなりそうだ。
  真幸はそのぬいぐるみを手に取った。




  通信販売と言う手があったやんけ!と気付くのは、まだまだ先の話。 
  
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