堕落した淫魔は夢を見る

雪之丞 親実

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男達のホワイトデー※ホワイトデーss

初ホワイトデーその6

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  空が薄ら明るくなった頃、漸く部屋に帰り着いた。
  カードキーで玄関を開けると、廊下は暗い。
  ただその先のリビングはそこはかとなく明るい。
  また、何か変な事を企んで居るのだろうか、と思うと疲れた身体に溜息が出る。
  仕方がない、溜息を吐きながらリビングへと向かった。

「お、お帰りーっ!」

  千皇に気が付いたカグヤは、にっと笑顔を見せた。
  疲れのせいか、その笑顔さえ怪しく見える。
  ほら、座れと言わんばかりにカグヤはソファーを叩いた。
  絶対何か余計な事を企んでいる、そう千皇は確信した。
  小さく千皇は溜息を吐いた。
  そして、仕方なくカグヤの横に座った。
  
「お前ってば、俺の事好きなんだよな?」

  座って直ぐに、そう言ってきた。

「……は?」

  千皇の眉間に皺が寄る。

「この前、チョコレートパフェ作ってくれたじゃん?あれってそー言う意味だろ?」

  カグヤの質問に、千皇は口を閉ざした。

「まぁ、好きって意味がどの意味か分かんねぇけど、ほら、お返しっ!」

  千皇の手を取ると、カグヤは隠し持っていた飴玉を一つ握らせた。
  眉間に皺を寄せたまま、千皇はそれをじっと見詰めた。
  そして、カグヤを見ると満足気な笑顔だ。

「何かさ飴玉のお返しには意味があったけど、まぁいーよな」

  仕事上、ホワイトデーのお返しの意味は知っている。
 
「お前は俺が好きなのか?」

  飴玉に再び目を向けると、千皇はそう聞いた。

「何だよ、いきなり」
「そう言う意味だ。これ」

  そう言うと千皇は飴玉を開け口に入れた。

「好きって意味が分かれば、いろいろ考えねぇよ」
「ふーん……」
「あー、でも、……こうして誰かを待つって悪くはねぇよな。留守番は寂しいけど、お前はちゃんと帰って来るしさ。何だかんだと傍に居てくれるのは、嬉しいかも」

  飴玉を舐める千皇の横顔を眺めながら、カグヤはにっと笑う。

「まぁ、飴玉は余興だ。こっちのが喜ぶんじゃねぇかって」
  
  そう言うカグヤは、ソファーのクッションの下から、長い箱型のラッピングされた物を取り出した。

「……じゃねぇか、って。誰から聞いた……?」

  嫌な予感がする。

「楼依君の妹。飴玉を送るって事はてれびで知ったけど、他はどんなんがあるか聞いてみた」

  千皇の表情がどんどん険しくなる。
  早く開けろ、と謎の期待を持つカグヤを見ると、溜息しか出ない。
  仕方なく開けてみると、ブランド物の香水だった。
  千皇は頭を抱えた。
  カグヤからすれば間違いでは無い。

「どーした?嬉しくねぇの?」

  カグヤはオロオロし始める。
  千皇は頭を抱えながら、溜息と共にカグヤの頭を撫でた。









※香水→あなたと親密になりたい。
または、あなたを独占したい。
贈る側のセクシャルなイメージが強いらしい。
  
  

















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