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ムーンライト・ホーリースライム編
黒き竜の娘
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三ヶ月も経ったある日、雫との間に卵を置きながら雑談をしていると遂に亀裂が入る。
卵の殻を破って出てきたのは愛らしい瞳の大きなドラゴンの子供だった。
身体を覆う鱗は黒く美しく、顎下から腹にかけては赤い。
繊細で艷やかで目が開くとオレと雫を見て小さなアクビをして笑ったように見えた。
途轍もなく愛おしく見える…ヒュドラを生み出した時は思うがままではあったが、こちらは手間がかかった分喜びも一入だ(ヤリ捲っていただけだけど)
「汝が望む高品位の娘が生まれたの」
雫が未だ両手の中に収まるドラゴンをオレに優しく差し出すので慎重に受け取る。
「え?娘なの?」
「汝は男子が望みだったか?」
「いや、全然……」
「気持ちの良い答えです我主」
雫が笑う。受け取ったドラゴンは俺の手の中でモゾリと動き、落ちそうになるので慌てて抱きしめる。
オレの胸の中で、安心したのか、ドラゴンの幼生は眠りに落ちた。
「名前をつけよう…何がいいかな?」
「汝と我の娘だ、好きに付けると良い」
ははは…人間とスライムの子供がドラゴンとか笑える。
「黒曜はどうだろうか?」
「私に合わせた言語起源なのだな…汝我が君、愛しき人よ」雫が泣いている様に見えて少し動揺する。感情的になるタイプではないと思ったからだ。
「ふふ…我にも心はあるぞ…出会って久しいが、契約だけか汝と共にある理由でないと知れ」
「そ、そうか…ありがとう、オレも嬉しいよ」
その言葉に応えるように、腕の中で黒曜がウニャムニャと言って顔を埋めた。
愛と愛液と女達のスキルに浸って生まれた黒曜は孵化してからの成長は早く、あっという間に専用に作った巨大ホール(後楽園球場一個分)に狭さを感じるほどの巨軀になった。オレの貧相な発想関係なく最強を名乗って良い黒竜に成った。
だが、驚いたのはそこではない。
俺の姿を認めるとシュルシュルと変化して美しい少女の姿に変化する。
「とーさま!」と竜の特長は残るものの美しい裸体をお構い無しに抱きつかれるのは、コレまで他の女性には抱いたことのない複雑な感情が湧き上がる。
このままにしておけないと言う親心?親切心で彼女の衣装を揃えようとする。
冒険者ギルド盟主のトリオを呼び出して衣装を取り繕ってもらおうとしたら、アストリッドが黒曜の姿を見るなり卒倒した。
「何だどうした?」
「しぇ…シェル様…の娘と仰るのですか?この子が?」
「何だお前も抱いてもらった卵から孵ったドラゴンだぞ…?」
「と、飛んてもない才能を秘めた…かい…生命体ですね…うひひ…」
「ヤダ~超カワイイ!」ナディアはそのまま黒曜の姿を気に入って抱きしめる。
「ぴっ!」驚いた黒曜はかぷとナディアの肩に噛みついた。齧っちゃダメ…のサインを送るが…時すでに遅し。ナディアの肩口の肉が無くなっている。
慌ててナディアの手当てをする。
「落ち着いて黒曜。父さんの友達は食べちゃダメだ」
「とーさまの敵なら食っても良いか?」
「敵と分かっているならな…」
「分かった」
「ナディア大丈夫か?」
「いやぁ~ビックリだよ…怖いのは痛みもなく焼きたてパンより簡単に持っていかれちゃったよ……え、コワッ…」既にナディアの肩は再生しているが、そのアッサリ痛みも感じない行為に今更ながらに驚いているようである。
因みにレイラは既にドン引きである。
そんな騒動を経て街中に出向いた一行は、ドレス、メイド服、ロリータと変遷して、アストリッドの趣味でゴスロリ服に決まった。
「とーさまどうか?」と聞く姿含めカワイイ。
さて、黒曜を可愛がるのは良いが、彼女の力を探らなければならない。
「オーク共を蹴散らしてみてはどうか?」
雫の提案は悪くない。
早速黒曜を外でドラゴン化してもらい、彼女の背に雫と乗って大陸の西に向かう。
コレは気持ちが良いな…だが、ウッカリすると上空の気圧と気温にやられそうになる。
国境にある河の近くは下手に目撃証言でも流れても今は面倒だ。亜人達の生活圏奥深くに降り立つ。
大きな村落に降り立つと、黒曜の異様にオーク達はざわめき、男たちが武器を持って取り囲み、この垣根を割ってオークの長らしき人物が出て来る。
「黒き悪魔に乗りし小さき王よ…我等が領土に降り立ち何を望む?」
思っていたより文明を持っているし、言葉も通じる。
黒曜に蹂躙させようと思っていたのに…何か肩透かしを食らった気分。
「お前達は以前の飢饉の際に東の国の国境を越えて侵攻した事があるだろう?」
「飢饉で食うものない、止むなき事だ」
ソレは頭が良いとは言えない対応だな…
「お前たちには言語があり、交渉が可能であるなら、取引さは可能か?」
「我等は取引きは苦手だ…過去に失敗。苦しんだ」
「よく分かった、交渉はナシだ、オレの指揮下に入れ」
「我等は交渉苦手だが支配はもっと望まぬ!」
オークの男達がその二メートルを超える巨軀で一斉に襲い掛かってくる。
「黒曜、薙ぎ払え」このセリフを言ってみたかった。
横一文字に火炎を吐く。
「うわっちゃ!」
オレの頭上からなんだけど、とんでもない熱量である…
あっという間にオーク数十人が黒焦げに…
唖然とする長…
「コレは交渉じゃあない、命令だ」
「この理不尽な怪物を飼い慣らす小さき王よ、お主は何を望むか?」
「取って食おうって訳じゃ無い…力を借りたい」
「近い内に鋼鉄の軍団がこの土地を落とそうと攻め入って来る事が想定される…お前達が戦力として力を発揮してくれれば、必要な物資だけでなく自給できるための技術供与を約束してやろう。…支配する種族が餓え死んでも意味ないからな」
「分かった…お前の支配を受け入れよう」
今回は抱くことでの内面の支配は難しいなと思うが…うまく行ったと言うべきか…
拠点の街フォージリッジに帰るために再び黒曜に乗る。
道中、「汝は努力する男性に甘いようだ」雫は少しだけ呆れた顔をしている。そうなのか?単に男達肉体をどうこうしたくないだけかなと思う。
「ところで、焼けた死体は回収したの?」
「意外と強かだな我が主」
「彼らの女王を作ろう」
「汝のそのイカれた発想に敬意を」
「褒め言葉だよな?」
「汝の思うがままに」
「とーさま、黒曜は役にたった?」
「勿論だ」空を舞う巨躯は黒く禍々しく美しく、一度変化すればゴスロリ美少女の自慢の娘よ…
しかし、こうして戦力を地道に積み上げている間にもやはりガルバルディ帝国の侵攻は再度その牙をこの国に向けて来ていた。
卵の殻を破って出てきたのは愛らしい瞳の大きなドラゴンの子供だった。
身体を覆う鱗は黒く美しく、顎下から腹にかけては赤い。
繊細で艷やかで目が開くとオレと雫を見て小さなアクビをして笑ったように見えた。
途轍もなく愛おしく見える…ヒュドラを生み出した時は思うがままではあったが、こちらは手間がかかった分喜びも一入だ(ヤリ捲っていただけだけど)
「汝が望む高品位の娘が生まれたの」
雫が未だ両手の中に収まるドラゴンをオレに優しく差し出すので慎重に受け取る。
「え?娘なの?」
「汝は男子が望みだったか?」
「いや、全然……」
「気持ちの良い答えです我主」
雫が笑う。受け取ったドラゴンは俺の手の中でモゾリと動き、落ちそうになるので慌てて抱きしめる。
オレの胸の中で、安心したのか、ドラゴンの幼生は眠りに落ちた。
「名前をつけよう…何がいいかな?」
「汝と我の娘だ、好きに付けると良い」
ははは…人間とスライムの子供がドラゴンとか笑える。
「黒曜はどうだろうか?」
「私に合わせた言語起源なのだな…汝我が君、愛しき人よ」雫が泣いている様に見えて少し動揺する。感情的になるタイプではないと思ったからだ。
「ふふ…我にも心はあるぞ…出会って久しいが、契約だけか汝と共にある理由でないと知れ」
「そ、そうか…ありがとう、オレも嬉しいよ」
その言葉に応えるように、腕の中で黒曜がウニャムニャと言って顔を埋めた。
愛と愛液と女達のスキルに浸って生まれた黒曜は孵化してからの成長は早く、あっという間に専用に作った巨大ホール(後楽園球場一個分)に狭さを感じるほどの巨軀になった。オレの貧相な発想関係なく最強を名乗って良い黒竜に成った。
だが、驚いたのはそこではない。
俺の姿を認めるとシュルシュルと変化して美しい少女の姿に変化する。
「とーさま!」と竜の特長は残るものの美しい裸体をお構い無しに抱きつかれるのは、コレまで他の女性には抱いたことのない複雑な感情が湧き上がる。
このままにしておけないと言う親心?親切心で彼女の衣装を揃えようとする。
冒険者ギルド盟主のトリオを呼び出して衣装を取り繕ってもらおうとしたら、アストリッドが黒曜の姿を見るなり卒倒した。
「何だどうした?」
「しぇ…シェル様…の娘と仰るのですか?この子が?」
「何だお前も抱いてもらった卵から孵ったドラゴンだぞ…?」
「と、飛んてもない才能を秘めた…かい…生命体ですね…うひひ…」
「ヤダ~超カワイイ!」ナディアはそのまま黒曜の姿を気に入って抱きしめる。
「ぴっ!」驚いた黒曜はかぷとナディアの肩に噛みついた。齧っちゃダメ…のサインを送るが…時すでに遅し。ナディアの肩口の肉が無くなっている。
慌ててナディアの手当てをする。
「落ち着いて黒曜。父さんの友達は食べちゃダメだ」
「とーさまの敵なら食っても良いか?」
「敵と分かっているならな…」
「分かった」
「ナディア大丈夫か?」
「いやぁ~ビックリだよ…怖いのは痛みもなく焼きたてパンより簡単に持っていかれちゃったよ……え、コワッ…」既にナディアの肩は再生しているが、そのアッサリ痛みも感じない行為に今更ながらに驚いているようである。
因みにレイラは既にドン引きである。
そんな騒動を経て街中に出向いた一行は、ドレス、メイド服、ロリータと変遷して、アストリッドの趣味でゴスロリ服に決まった。
「とーさまどうか?」と聞く姿含めカワイイ。
さて、黒曜を可愛がるのは良いが、彼女の力を探らなければならない。
「オーク共を蹴散らしてみてはどうか?」
雫の提案は悪くない。
早速黒曜を外でドラゴン化してもらい、彼女の背に雫と乗って大陸の西に向かう。
コレは気持ちが良いな…だが、ウッカリすると上空の気圧と気温にやられそうになる。
国境にある河の近くは下手に目撃証言でも流れても今は面倒だ。亜人達の生活圏奥深くに降り立つ。
大きな村落に降り立つと、黒曜の異様にオーク達はざわめき、男たちが武器を持って取り囲み、この垣根を割ってオークの長らしき人物が出て来る。
「黒き悪魔に乗りし小さき王よ…我等が領土に降り立ち何を望む?」
思っていたより文明を持っているし、言葉も通じる。
黒曜に蹂躙させようと思っていたのに…何か肩透かしを食らった気分。
「お前達は以前の飢饉の際に東の国の国境を越えて侵攻した事があるだろう?」
「飢饉で食うものない、止むなき事だ」
ソレは頭が良いとは言えない対応だな…
「お前たちには言語があり、交渉が可能であるなら、取引さは可能か?」
「我等は取引きは苦手だ…過去に失敗。苦しんだ」
「よく分かった、交渉はナシだ、オレの指揮下に入れ」
「我等は交渉苦手だが支配はもっと望まぬ!」
オークの男達がその二メートルを超える巨軀で一斉に襲い掛かってくる。
「黒曜、薙ぎ払え」このセリフを言ってみたかった。
横一文字に火炎を吐く。
「うわっちゃ!」
オレの頭上からなんだけど、とんでもない熱量である…
あっという間にオーク数十人が黒焦げに…
唖然とする長…
「コレは交渉じゃあない、命令だ」
「この理不尽な怪物を飼い慣らす小さき王よ、お主は何を望むか?」
「取って食おうって訳じゃ無い…力を借りたい」
「近い内に鋼鉄の軍団がこの土地を落とそうと攻め入って来る事が想定される…お前達が戦力として力を発揮してくれれば、必要な物資だけでなく自給できるための技術供与を約束してやろう。…支配する種族が餓え死んでも意味ないからな」
「分かった…お前の支配を受け入れよう」
今回は抱くことでの内面の支配は難しいなと思うが…うまく行ったと言うべきか…
拠点の街フォージリッジに帰るために再び黒曜に乗る。
道中、「汝は努力する男性に甘いようだ」雫は少しだけ呆れた顔をしている。そうなのか?単に男達肉体をどうこうしたくないだけかなと思う。
「ところで、焼けた死体は回収したの?」
「意外と強かだな我が主」
「彼らの女王を作ろう」
「汝のそのイカれた発想に敬意を」
「褒め言葉だよな?」
「汝の思うがままに」
「とーさま、黒曜は役にたった?」
「勿論だ」空を舞う巨躯は黒く禍々しく美しく、一度変化すればゴスロリ美少女の自慢の娘よ…
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