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亜人攻略・魔王復活編
大陸制覇の野望
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「とーさま、何処まで行けばいいですか?」
黒曜にはドラゴン形態で飛んでもらう。
以前と同じ様に、馬車を掴んでそこにオレと雫、セレスト宰相とエレノア女王で乗りこむ。
リヴァーミアより巨大河川アクアリエルを越えて内陸に飛ぶ…
巨大な都市とも言えるコロニーが見えてくる。
こんな構造体は前回無かった。
未だ数ヶ月しか経っていない。
コロニーの中心で黒曜が馬車を降ろし、オレたちは降り立つと、突然の訪問にも関わらず、鉄魁が出迎えてくれた。
「シェル様、ようこそ!」
鉄魁は相変わらず元気そうだ。灰色の肌、美しい顔立ち。立派な身体…少し貫禄がついたかな?
「いきなりで悪いな…元気にしていたか?」
「特に問題無く。今日は…どの様なご要件…そちらの小さな御方は…」
エラリアは巨漢の鉄魁にも全く動じず前に出て挨拶する。場馴れはしているだろうが、普段とは状況が少し異なる。ソレでも小さい体で威風堂々としているのは大したものだ。
「エルダリア王国女王のエラリア・ヴォスじゃ…そちがこのコロニーの責任者か?」
「ハイ、コレは失礼致しました偉大なる大陸の王国、エルダリア王国女王様…この地域にてこのコロニーを組織しております、鉄魁と申します」
鉄魁は跪いて挨拶すしてくれる。王国の支配の及ばない地域をまとめているのに、謙虚で有難い。
「うむ、気を遣ってもらい悪いの…今回は少し願い事があって来たのだが……」
「母様ー」唐突に大きな声で差し込んできたのは赤褐色の肌で金髪碧眼の元気な女の子。
額に突き出した二本の角が特長…更にその手には青い肌の鬼子を抱いている。
「『はは』さま…って事は」
「はい、私の娘たちです」
心の奥底で何か明確な痛みを覚える。
鉄魁は母になったのだ。
しかし…子供の成長いくら何でも早く無い?
「鉄魁…この子達の名前とか教えてもらえるかい?」
「鉄心と鉄平です」
「え?女の子だよね?」
「そうですが…何か?」
「あ、いや、良いんだ。覚えやすくて良いんじゃ無いかな!」
オレの価値観を押し付けてはいかん。
ドゴン!と地面を打ち鳴らす振動が鳴り響く。
二つの巨体が現れる。ゆうに三メートルを超えるオーガだ。所謂赤鬼青鬼で精悍な顔つきで、仁王像の様な鍛えられたメリハリのある姿。
普通にデカすぎて脳が理解を拒むサイズだ。
オーガは希少種で個体同士が接触はほぼしないとナディアに聞いた気がするが…
「シンとヘイだ。私の警護と子供達の世話をしてもらっている」
「つまり、お前の子供の親なのか?」
「ソレは…分かりません。ですが、我に寄り添い仕えてくれているのです」
いや、ソレ間違いなく自分の子供って認識してんだろ!
……想像したくなくても想像してしまう。
夜の生活の事を。
「中々壮観じゃの。ワシの本題に入りたいのじゃが」少し不貞腐れてエレノアがツッコミして来る。
「ちっさい子供、何の用か?」鉄心が聞いてくる。
大きな瞳、尖った耳、鋭い爪と牙。
見た目は六~七歳に見えるが、生後半年程度のはず…言葉を話せるのなら結構凄い事だ。
「小さい言うな!コレでも気にしておるのじゃ!」
エレノアは身長120センチ程度なので、まぁ仕方ない。
「失礼した、エレノア様…。鉄心、母は大切な用事があるのだ。少し待てないのか?」
「母様、鉄平が…」「どうかしたのか?」「調子が良くなさそうなのだ」
「応!我等同意」頭の上から声が掛かる。
オーガのシンが少し心配そうな顔をしている…のか?良くわからん。
「雫、わかるか?」
「問題ない我が主」進み出る雫に、鉄魁から促されて鉄心が鉄平を渡す。
スレインの信仰の元になった治癒魔法でアッサリ治す。
「鉄魁も、我等主のシェル様の慈悲を得ているのだ。可能なはず…覚えるが良い」
えっと…鉄魁と雫がオレの顔を見る。
「分かったよ…」
「我が主の主人、女王エレノア様、誠に申し訳ございません…ご用件をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「全く…幸せ家族を見せつけおって…ワシも将来にに期待しても良いのかな?」
きゃっきゃと笑う鉄平を抱いて、笑う鉄心を見て少しシニカルな笑いをするエレノア。
それぞれの笑顔に違う意味が隠されて居る…
「さて、ワシが望むのはこの地を通る街道の整備と利用する人間の安全の確保じゃ。そもそも、過去においてわれらの認識は、この地に住む亜人達とは交流が難しいと言うものだ、だが、鉄魁殿の様に理解ある存在が中心に、コロニーを形成できる程度に文明化しておるなら、征服制圧以外の道を持って交渉可能では無いか?と言う事じゃ」
その話を聞いて、そう言った国家間の取り決め無しに、オレが勝手に協力関係を鉄魁を派遣して足場を固めてしまった事を、彼女なりに公式な取り決めにしたいと言う意図があるのかも…
そうしたエレノアの女王としての細やかな気遣いに感心する。
「この地の奥には、我々オーク、オーガ族以外にも山にはコボルド族、湿地にはリザード族がそれぞれ歪みあって居る。我等ともいざこざ以外の接触はない」鉄魁もここを支配し始めて間もない。
「だが…」鉄魁は広場に控える黒曜を見て「彼女がうまく立ち回れば、意外と素直に話は聞いてくれると思います」
それって威力制圧だけどなぁ…と思いつつ、不用意に近づくだけで攻撃受ける様なら、最初の一手としたら悪くないのかもしれない。
「分かった。ワシらも何かしらの形で亜人に対して交渉できるカードが持てるか考慮しよう。セレスト!」
「はい、女王様」
「今の件、聞いておったよな?」
「はい、こちらに広がる肥沃の土地は、マリヴェイルと同じ穀倉地帯に出来そうです。食料事情の安定化が平和の大切な一歩でしょうから、小難しい決まり事で同盟組んで…などより有効かと」
「これまでのシェルが手配した派遣業務に関しては引き続き継続を願おう。それで良いか?」
「は、はい!エレノア様」オレも慌てて返答する。
「分かりました。食料問題はコロニー形成で一番の問題ですので、助かります」鉄魁も納得する。
「では、ワシの目的は果たされた。帰るとしようか」
「すいません、エレノア様…私と雫は少し残ってやらねばならぬことが出来ましたので…先にお戻りください」
既にオレの袖を雫と鉄魁が掴んで離さない。
「分かっておる、全く…黒曜は借りるぞ。先に戻る故、後は任せた」エレノアはセレストを連れてさっさと帰ってしまった。
残ったオレは子持ちになった鉄魁と雫を共に抱き、絆と言う結びつきを強め、鉄魁に癒し手としての才能を授ける。
黒曜にはドラゴン形態で飛んでもらう。
以前と同じ様に、馬車を掴んでそこにオレと雫、セレスト宰相とエレノア女王で乗りこむ。
リヴァーミアより巨大河川アクアリエルを越えて内陸に飛ぶ…
巨大な都市とも言えるコロニーが見えてくる。
こんな構造体は前回無かった。
未だ数ヶ月しか経っていない。
コロニーの中心で黒曜が馬車を降ろし、オレたちは降り立つと、突然の訪問にも関わらず、鉄魁が出迎えてくれた。
「シェル様、ようこそ!」
鉄魁は相変わらず元気そうだ。灰色の肌、美しい顔立ち。立派な身体…少し貫禄がついたかな?
「いきなりで悪いな…元気にしていたか?」
「特に問題無く。今日は…どの様なご要件…そちらの小さな御方は…」
エラリアは巨漢の鉄魁にも全く動じず前に出て挨拶する。場馴れはしているだろうが、普段とは状況が少し異なる。ソレでも小さい体で威風堂々としているのは大したものだ。
「エルダリア王国女王のエラリア・ヴォスじゃ…そちがこのコロニーの責任者か?」
「ハイ、コレは失礼致しました偉大なる大陸の王国、エルダリア王国女王様…この地域にてこのコロニーを組織しております、鉄魁と申します」
鉄魁は跪いて挨拶すしてくれる。王国の支配の及ばない地域をまとめているのに、謙虚で有難い。
「うむ、気を遣ってもらい悪いの…今回は少し願い事があって来たのだが……」
「母様ー」唐突に大きな声で差し込んできたのは赤褐色の肌で金髪碧眼の元気な女の子。
額に突き出した二本の角が特長…更にその手には青い肌の鬼子を抱いている。
「『はは』さま…って事は」
「はい、私の娘たちです」
心の奥底で何か明確な痛みを覚える。
鉄魁は母になったのだ。
しかし…子供の成長いくら何でも早く無い?
「鉄魁…この子達の名前とか教えてもらえるかい?」
「鉄心と鉄平です」
「え?女の子だよね?」
「そうですが…何か?」
「あ、いや、良いんだ。覚えやすくて良いんじゃ無いかな!」
オレの価値観を押し付けてはいかん。
ドゴン!と地面を打ち鳴らす振動が鳴り響く。
二つの巨体が現れる。ゆうに三メートルを超えるオーガだ。所謂赤鬼青鬼で精悍な顔つきで、仁王像の様な鍛えられたメリハリのある姿。
普通にデカすぎて脳が理解を拒むサイズだ。
オーガは希少種で個体同士が接触はほぼしないとナディアに聞いた気がするが…
「シンとヘイだ。私の警護と子供達の世話をしてもらっている」
「つまり、お前の子供の親なのか?」
「ソレは…分かりません。ですが、我に寄り添い仕えてくれているのです」
いや、ソレ間違いなく自分の子供って認識してんだろ!
……想像したくなくても想像してしまう。
夜の生活の事を。
「中々壮観じゃの。ワシの本題に入りたいのじゃが」少し不貞腐れてエレノアがツッコミして来る。
「ちっさい子供、何の用か?」鉄心が聞いてくる。
大きな瞳、尖った耳、鋭い爪と牙。
見た目は六~七歳に見えるが、生後半年程度のはず…言葉を話せるのなら結構凄い事だ。
「小さい言うな!コレでも気にしておるのじゃ!」
エレノアは身長120センチ程度なので、まぁ仕方ない。
「失礼した、エレノア様…。鉄心、母は大切な用事があるのだ。少し待てないのか?」
「母様、鉄平が…」「どうかしたのか?」「調子が良くなさそうなのだ」
「応!我等同意」頭の上から声が掛かる。
オーガのシンが少し心配そうな顔をしている…のか?良くわからん。
「雫、わかるか?」
「問題ない我が主」進み出る雫に、鉄魁から促されて鉄心が鉄平を渡す。
スレインの信仰の元になった治癒魔法でアッサリ治す。
「鉄魁も、我等主のシェル様の慈悲を得ているのだ。可能なはず…覚えるが良い」
えっと…鉄魁と雫がオレの顔を見る。
「分かったよ…」
「我が主の主人、女王エレノア様、誠に申し訳ございません…ご用件をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「全く…幸せ家族を見せつけおって…ワシも将来にに期待しても良いのかな?」
きゃっきゃと笑う鉄平を抱いて、笑う鉄心を見て少しシニカルな笑いをするエレノア。
それぞれの笑顔に違う意味が隠されて居る…
「さて、ワシが望むのはこの地を通る街道の整備と利用する人間の安全の確保じゃ。そもそも、過去においてわれらの認識は、この地に住む亜人達とは交流が難しいと言うものだ、だが、鉄魁殿の様に理解ある存在が中心に、コロニーを形成できる程度に文明化しておるなら、征服制圧以外の道を持って交渉可能では無いか?と言う事じゃ」
その話を聞いて、そう言った国家間の取り決め無しに、オレが勝手に協力関係を鉄魁を派遣して足場を固めてしまった事を、彼女なりに公式な取り決めにしたいと言う意図があるのかも…
そうしたエレノアの女王としての細やかな気遣いに感心する。
「この地の奥には、我々オーク、オーガ族以外にも山にはコボルド族、湿地にはリザード族がそれぞれ歪みあって居る。我等ともいざこざ以外の接触はない」鉄魁もここを支配し始めて間もない。
「だが…」鉄魁は広場に控える黒曜を見て「彼女がうまく立ち回れば、意外と素直に話は聞いてくれると思います」
それって威力制圧だけどなぁ…と思いつつ、不用意に近づくだけで攻撃受ける様なら、最初の一手としたら悪くないのかもしれない。
「分かった。ワシらも何かしらの形で亜人に対して交渉できるカードが持てるか考慮しよう。セレスト!」
「はい、女王様」
「今の件、聞いておったよな?」
「はい、こちらに広がる肥沃の土地は、マリヴェイルと同じ穀倉地帯に出来そうです。食料事情の安定化が平和の大切な一歩でしょうから、小難しい決まり事で同盟組んで…などより有効かと」
「これまでのシェルが手配した派遣業務に関しては引き続き継続を願おう。それで良いか?」
「は、はい!エレノア様」オレも慌てて返答する。
「分かりました。食料問題はコロニー形成で一番の問題ですので、助かります」鉄魁も納得する。
「では、ワシの目的は果たされた。帰るとしようか」
「すいません、エレノア様…私と雫は少し残ってやらねばならぬことが出来ましたので…先にお戻りください」
既にオレの袖を雫と鉄魁が掴んで離さない。
「分かっておる、全く…黒曜は借りるぞ。先に戻る故、後は任せた」エレノアはセレストを連れてさっさと帰ってしまった。
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