悪役の教室

猫宮乾

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―― 本編 ――

【第四話】昼食の常

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 お昼休みになり、永良は購買に向かう事にした。
 一階にて購買部がパンや簡単なおにぎりやお弁当を売っている。コンビニよりも安いので、節約中の永良は専らこちらで購入している。決済は、正義の味方システムにより付加されたポイントを電子マネーにして使っている。

 本日は何にしようかなと眺め、ナポリタンパンと焼きそばパンを見比べた。一つはカレーパンにしようと決めている。飲み物はいつも、ヨーグルト風飲料の紙パックにしている。

「ナポリタンパンにしよ」

 呟き、永良は昼食を購入した。
 それを持参した鞄に入れていると、人ごみがざわついた。
 なんだろうかと視線を向けると、そこには伊夜と環が立っていた。実力No.1の正義の味方である【メルクリウス】の内のこの二名も、永良同様この聖ユスティーツ学園に通っている。ただし二人は、優等生クラスと呼ばれるA組の生徒だ。周囲も二人の姿にキラキラとした視線を向けている。永良だけが、殴られた事を思い出して、辟易した。

 二人とも、美男美女だ。
 平々凡々を自負している永良は、黒い髪に、目の色だけ少し特徴的で蒼だ。
 伊夜は綺麗な長い髪を本日は後ろでふんわりとまとめている。
 環は長身で、整った顔立ちだが、男のイケメンを見ても別に嬉しくないので、永良は再び伊夜に視線を戻した。制服の上からもはっきりと分かる豊満な胸を見て、漠然と大きいなぁと感じた。そんな感想を抱いてから、二人に気づかれる前に、永良はサッとその場を後にする。

 そして教室に戻ると、お弁当を持参している隆史が、前の席の渡来彩夏わたらいあやかと話していた。彩夏は、〝ラグナロク〟に所属している実況系正義の味方でもある。

「でも本当、環くんと伊夜ちゃんとサハラさんって強いよねぇ。現在のランキング一位は、不動っていうか」
「現在って事は、過去にもいたんだろ? たとえば有名だったのは?」

 何気ない声で厚焼き玉子を食べながら、隆史が聞き返している。
 すると彩夏が腕を組んだ。

「そりゃあ、しばらく前は、『審判ジャッチメント』が最強って言われてたみたいよ?」
「審判?」
「そう。単独で活躍していた正義の味方みたいだけど、素性は誰も知らないらしいよ」

 二人のそんなやり取りを聞きながら、永良は自分の椅子を引いた。
 すると彩夏と隆史がそれぞれ永良を見た。

「永良くん、おかえり」
「今日は何パンだ?」
「ナポリタンとカレー」

 こうして永良も加わり、三人での昼食が始まった。
 午後は座学でなく、訓練時間となるのだが、サボりたい放題なので、三人は非常にゆっくりと食事をしたのだった。
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