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――第二章:花が咲く庭――
【十一】
しおりを挟む塔の中には、螺旋階段と巨大な寝台があった。
「この塔全体にも魔術がかかっているんだ」
ゼルスはそう言いながら、力の入らない僕の体を白いシーツの上に下ろし、服を剥いた。全裸になった僕の折った太股の間に体を置き、僕の後頭部に腕を回して何度も首筋を舐める。
そうしてベルトを外された。太股が外気に触れる。するとゼルスは、僕の下着の上から、後孔を刺激した。気づけばそこからは、ドロリとした体液が漏れ出していた。下着がどんどん濡れていく。何度か下着から陰嚢までを指でなぞった後、ぐちゃぐちゃになってしまった下着の横から、ゼルスが直接的に後孔へと指を挿れた。痛みはない。
「はしたないな」
「あ、あ、嫌だ……ッ、ぁ……ああ!! かき混ぜちゃだめ、ああ、ア!!」
「こんなにドロドロにして、どこが欠陥品なんだ?」
ゾクリとするような声音で、ゼルスが言った。思わず僕が腰を引くと、体を反転させられた。
「ああ!! ……ッ、んア――!!」
そしてゼルスは容赦なく僕のうなじを噛んだ。その度に、僕の内側からは粘度の高いドロドロの液体が溢れる。眼窩の奥がチカチカと白く染まり始める。
「キルト、這ってごらん」
「あ、あ、あ」
僕が言われた通りにすると、ゼルスが巨大な亀頭を、僕の中に埋めた。太く長い。そのままのしかかるようにされ、後ろから左手首を捕まれる。同時に再びうなじを噛まれた。僕の内側が蠢いている。繋がっている箇所が気持ち良い。どんどんゼルスの肉茎が僕の中を押し広げていく。その度に、僕の内側からはドロドロの体液が溢れる。
「いや、いや……」
「何がだ? 嘘は良くないな。腰が動いているぞ」
「だめだよ、なにかクる、あ……――ああ――!! や、やぁ」
「Ω特有の性感帯だ。たっぷりこれから可愛がってやる。ここだろう?」
「あ、ああ……ああ!!」
意地悪くゼルスが腰を揺すった。すると先端が、僕の内部の感じる場所を抉るように刺激する形になった。声を上げ、僕は号泣した。気づくと僕の陰茎は反り返っていて、白液が飛び散っていた。
「勝手に一人だけ気持ち良くなったな。悪い子だ」
「う、うう……うああああああ!!」
その時ゼルスが、根本まで一気に挿入した。αは陰茎の付け根に特有の瘤がある。それまでグッと押し込まれ、僕は体を震わせた。逃れようと藻掻いた右手もまた、左手と同じようにぎゅっと握られシーツに押しつけられる。その状態で内部の感じる場所を押し上げられた。
「いっぱい種をつけてやるからな」
ゼルスが動き始めた。激しく抽挿され、何度も瘤まで突き立てられて、僕は咽び泣いた。あんまりにも気持ちが良すぎた。
「出すぞ。これからは、俺で染め尽くしてやる」
「ひぁああ!! ああああ、熱い、あああああ!!」
大量の精液が僕の中に注がれた。ゼルスの瘤が栓をする。おなかの中が熱いほどだった。
――事後。
どれほどの間交わっていたのかは分からないが、ゼルスが陰茎を引き抜くと、僕の内側からドロリと精液が溢れた。ぐったりとし寝台に沈んでいた僕は、後孔から流れ落ち足の合間を濡らしていく白液を肌で感じていた。
「目が覚めたか?」
気づくと僕は、ゼルスに腕枕をされていた。先ほどまでの行為を思い出して、僕は怖くなり、思わずギュッとゼルスに抱きついた。優しい顔をしているゼルスはいつも通りに戻っている。先程までの、僕が知らない捕食者のような顔はもうしていない。
「すまない。抑制が効かなかった。欲するがままに夢中で求めてしまったんだ。体は大丈夫か?」
「うん……平気」
「良かった。清楚で無垢なキルトを染め上げる事は、たまらないな。もっともっと俺の手で、淫靡に作り替えたくなる」
「そうなると、僕はどうなるの?」
「俺なしではいられなくなると言うことだ」
「僕は今も、ゼルスがいなかったら辛いよ」
「可愛い事を言うんだな。だが心も体も、もっと求めるように、一つ一つ教え、開いてやる」
ゼルスの瞳が、再び獰猛に煌めいた。ゾクリとして、僕はギュッと目を閉じ、ゼルスに抱きついていた。そんな僕の髪を撫で、ゼルスが僕の頬にキスをした。
「必ず幸せにするからな」
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最高です
最高
語彙力ないのでこれで失礼しましたm(_ _)m
ありがとうございます……!
嬉しいです!!(〃▽〃)ポッ
まったりマイペース更新ですが、今後もお付合い頂けましたら幸いです。
本当に有難うございます!!
急な更新にめちゃめっちゃビックリしました!!嬉し過ぎます😭❤️🔥
襲撃は思いもよらない展開でビックリしましたがみんな無事で本当に良かった....
ゼルスとキルトがほのぼのラブラブしてるだけで読みながら自然とニコニコしてしまいます。
キルトの、外の世界を見た時の反応がとても気になってたしなんなら私が見せてあげたい...!(誰)と思っていたので、更新本当に幸せです..!!!
ちょいエロも見れて感無量....
更新も嬉しいですが無理はなさらないでください!!
ご感想本当に有難うございます(〃▽〃)ポッ
少しまたまったり更新となりますが、今後もマイペースに頑張りたいと思いますので、お付合い頂けましたら幸いです!
ニコニコしていただけて本当に嬉しいです。外の世界は、多分衝撃的だっただろうなぁと!///
マイペースに本当に少しずつの更新となるかもしれませんが、本当にどうぞよろしくお願いします。嬉しいご感想有難うございます!!
設定が凄く好きです!夜はSということなのでそこも楽しみです!早く続きが読めることを祈ってます!
コメントありがとうございます!!
続き頑張りたいと思いました(〃▽〃)ポッ 本当に励みになります、ありがとうございます!