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【SeasonⅡ】―― 終章:学校の七不思議 ――
【081】裏学校
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そうして、教室からぼく達三人以外誰もいなくなった。
「行こうか」
立ち上がった道家くんが、扉にむかう。ぼくと哀名はその後ろについていった。
道家くんが教室に出て、壁ぎわによる。ぼく達もその横にならぶと、道家くんが扉を閉めた。教室の後ろ側の扉だ。扉の正面に、道家くんが立つ。
「ここで、『裏学校』って三回言うと、扉の向こうが裏学校になるんだ。誰もいない放課後に。言ってみて」
「わ、わかった。『裏学校』『裏学校』『裏学校』『裏学校』『裏学校』『裏学校』『裏学校』」
ぼくが言うと、うなずいた道家くんが、扉をあけた。
中を見て、ぼくは目を丸くした。さっきまでぼく達以外誰もいなかった教室が、ざわざわしていて、全部の机の前に、男子や女子が座っている。ぼくと哀名は顔を見合わせてから、また中を見た。ぼうぜんとしてしまう。だれも見たことがない子だ。
「入るよ」
しかし道家くんに気にした様子はなく、中に入っていく。哀名がぼくの腕をそっと掴んだので、ぼくはそのまま二人で中に入った。哀名も怖いんだと思うから、ぼくは大丈夫なふりをした。なにかあったら、哀名を守ってあげたい。
「ここは幽霊の学校なんだ。人の呪い方、 取り憑いて殺す方法とかを教えてる」
道家くんの説明に、ぼくはゾクっとした。
「今はボクが気づかれないようにしてるけど、一人で来て気づかれると、呪い殺されるんだよ。だから七番目を知ると死ぬのは本当だよ」
ぼくは息をのんだ。ぶわりと冷やあせが出てくる。
すると教室の前のほうの扉が開いて、先生らしき人が入ってきた。
「えー、みんなそろってるな? 今日は人間を事故に遭わせる方法を教える!」
怖くて、ぼくはこおりつきそうになった。哀名も、ぼくのうでをギュッとだきしめている。ふだんだったらうれしくてよろこんだかもしれないけど、今はそんな場合じゃない。
「道家くん、帰ろう」
ぼくは小さな声で言った。すると道家くんがうなずき、外に向かって歩きはじめた。ぼも哀名を連れて、急いで教室から出る。ぼく達が出てから扉をしめた道家くんが、今度は小さく笑って言った。
「あとは、『学校』って三回いえば、元の世界に戻るよ」
「『学校』『学校』『学校』!!」
ぼくが言うと、道家くんが扉を開けた。そこにはだれもいない、無人の教室が広がっている。力が抜けた僕は、ほっとした。哀名もほっとしたみたいで、手の力がゆるんだ。そちらを見るとハッとした顔をして、照れるような顔をしてから、哀名が手をはなした。ぼくまで照れてしまった。
「まぁ、学校にかぎらず、きさらぎ市には、違う世界に繋がっているところがたくさんあるんだよ。鏡の中もその一つだけどね」
道家くんがそう言った。実際に見たから、なっとくして、ぼくはうなずいた。
こうしてぼく達は、三人で生徒玄関まで向かい、一緒に帰った。
「行こうか」
立ち上がった道家くんが、扉にむかう。ぼくと哀名はその後ろについていった。
道家くんが教室に出て、壁ぎわによる。ぼく達もその横にならぶと、道家くんが扉を閉めた。教室の後ろ側の扉だ。扉の正面に、道家くんが立つ。
「ここで、『裏学校』って三回言うと、扉の向こうが裏学校になるんだ。誰もいない放課後に。言ってみて」
「わ、わかった。『裏学校』『裏学校』『裏学校』『裏学校』『裏学校』『裏学校』『裏学校』」
ぼくが言うと、うなずいた道家くんが、扉をあけた。
中を見て、ぼくは目を丸くした。さっきまでぼく達以外誰もいなかった教室が、ざわざわしていて、全部の机の前に、男子や女子が座っている。ぼくと哀名は顔を見合わせてから、また中を見た。ぼうぜんとしてしまう。だれも見たことがない子だ。
「入るよ」
しかし道家くんに気にした様子はなく、中に入っていく。哀名がぼくの腕をそっと掴んだので、ぼくはそのまま二人で中に入った。哀名も怖いんだと思うから、ぼくは大丈夫なふりをした。なにかあったら、哀名を守ってあげたい。
「ここは幽霊の学校なんだ。人の呪い方、 取り憑いて殺す方法とかを教えてる」
道家くんの説明に、ぼくはゾクっとした。
「今はボクが気づかれないようにしてるけど、一人で来て気づかれると、呪い殺されるんだよ。だから七番目を知ると死ぬのは本当だよ」
ぼくは息をのんだ。ぶわりと冷やあせが出てくる。
すると教室の前のほうの扉が開いて、先生らしき人が入ってきた。
「えー、みんなそろってるな? 今日は人間を事故に遭わせる方法を教える!」
怖くて、ぼくはこおりつきそうになった。哀名も、ぼくのうでをギュッとだきしめている。ふだんだったらうれしくてよろこんだかもしれないけど、今はそんな場合じゃない。
「道家くん、帰ろう」
ぼくは小さな声で言った。すると道家くんがうなずき、外に向かって歩きはじめた。ぼも哀名を連れて、急いで教室から出る。ぼく達が出てから扉をしめた道家くんが、今度は小さく笑って言った。
「あとは、『学校』って三回いえば、元の世界に戻るよ」
「『学校』『学校』『学校』!!」
ぼくが言うと、道家くんが扉を開けた。そこにはだれもいない、無人の教室が広がっている。力が抜けた僕は、ほっとした。哀名もほっとしたみたいで、手の力がゆるんだ。そちらを見るとハッとした顔をして、照れるような顔をしてから、哀名が手をはなした。ぼくまで照れてしまった。
「まぁ、学校にかぎらず、きさらぎ市には、違う世界に繋がっているところがたくさんあるんだよ。鏡の中もその一つだけどね」
道家くんがそう言った。実際に見たから、なっとくして、ぼくはうなずいた。
こうしてぼく達は、三人で生徒玄関まで向かい、一緒に帰った。
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