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御遼神社の狐と神様
【3】若作りな神様
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翌日は火曜日で、クリニックは休診日だった。
昼威の心療内科・精神科クリニックは、月・水・木・土に診察を行っている。
時間は午前十時から十二時と午後三時から夕方七時までである。
なお、木曜日は午前中のみの診察だ。
億劫だったが、御遼神社に抗議に行こうと考えて、昼威は久方ぶりに私服をまとって外へと出た。庭に咲き誇る紫陽花の花を眺めてから、石段へと向かう。
そして――眉間にシワを寄せて、立ち止まった。
神聖な気配がしたからである。しかしそれは、昼威にとっては『嫌な』気配だ。
溜息とつきながら踵を返し、視界に入れるのを回避しようと試みる。
「藍円寺昼威」
だが、振り返ると真正面に、今しがた避けようとした相手が立っていた。
御遼神社の神の遣い――妖狐の水咲である。
神社……神道ゆかりの狐なのだろうが、堂々と寺にいる。
昼威は、頭痛を覚えた。
赤い着流し姿で、季節外れの白いマフラーを巻いている少年は、左側に回している狐面を右手で撫でながら、気だるそうな眼差しで昼威を見ている。その時、強い風が吹いたのだが、昼威の黒髪は揺れたけれど、水咲のふわふわの髪は揺れない。狐色の柔らかそうな髪は、自然の風には乱されないらしい。少年は、大きな緋色の澄んだ瞳で、まじまじと昼威を見ている。
「アメ様がお呼びだ」
水咲の声に、昼威は左目だけを細めた。
アメ様というのは、この妖狐が呼ぶ、御遼神社の神様の名前である。
天御中主神の『天』から、アメなのだろう。
「――御遼神社の跡取り神主に詐欺行為をされて、抗議に行こうとしていてな。独り言であり、俺には今、狐耳の人物は視えないが」
昼威が静かに呟くと、水咲が腕を組んだ。
「お布施は現金とは限らない。きちんと俺が言った通りの報酬が支払われたのを見ていた」
何も言い返せず、昼威は顔を背けた。
「――じゃあ、御遼神社に行く用事は無くなったな」
「アメ様がお呼びだと言っただろう」
「何故俺が、非科学的な……それはともかく、神社の神様に呼び出されなければならないんだ?」
あくまでも、昼威は寺の息子である。そしてそれ自体、昼威が望んだ境遇ではない。
「直接聞いてくれ。俺はあくまでも、遣いだ。水先案内人の御先狐だ。ついてこい。案内する」
そう言って歩き出した水咲を一瞥し、肩を落としてから、昼威は従う事にした。
――大人しく従った理由は、バス代が節約できるからだ。
水咲について石段を一番下まで降りて、一歩進むと、正面の景色が歪んだ。水面に渦巻きができたかのように、風景がねじれたのである。そのまま膜を全身で突き破ったような錯覚に囚われて、昼威は瞬きをした。すると次の瞬間には、御遼神社の石段の前に立っていた。
この妖狐には、目的地に人間を移動させる力があるらしい。昼威は、口に出してそれを認める事は無いが、内心ではそう理解していた。
バイクできても良かったのだが、侑眞は度々アルコールを勧めてくるので(御神酒)、念のためバスを利用しようと考えていた所だった。
神社の石段を登りきり、鳥居をくぐると、普段は観光客で混雑している御遼神社が、本日は静かだった。昼威は、この状態にも既視感があった。
ここは確かに、御遼神社なのだが――それは人間のテリトリーにある神社ではない。”神様のテリトリー”に広がる御遼神社であるらしい。
鏡にうつるかのように、二つの神社があるという。あの世とこの世の御遼神社だ。神様のテリトリーには、招かれなければ、足を踏み入れる事が出来ない。唯一、神社の隣に広がる通称迷いの森のみ、時折境界線が曖昧になるらしいが――というのが、昼威の持つ知識だった。
「連れてきたぞ」
水咲はそう言うと、御神木へと飛び上がり、太い枝へと腰を下ろした。
この場所では、飛べば水咲のマフラーは揺れる。
だが、基本的に、昼威の知るような自然現象の”風”は、この場には吹かない。
「あざおでぇす」
そう言ってへらりと笑った天御中主神――アメと名乗る神様は、境内に座って、盃を傾けていた。妖狐の”飼い主”である神様は、二十代前半に見える外見だから、一見すればダメな若者が昼間から日本酒を飲んでいるように見える。
緑色の髪と瞳も、今ならばいくらでも染めるなどして、再現可能だろう。
だが――彼がまとっている狩衣は、コスプレ認定するには、少し値が張りそうだ。
烏帽子はかぶっていないが、真っ白で白磁のようなその肌も含めて、人間離れしている。
「なんのようだ、お内裏様」
昼威が忌々しいものを見るような眼差しで聞いた。
「んー? リアルガチで頼みたい事があってねぇ」
間延びした神様の声を聞き、昼威は脱力しそうになった。
リアルガチという言葉を、昼威は聞いた事が無かった。
――この神様は、何かと新しい言葉を使いたがる。
そもそも、平安貴族風の服装をしている理由も、新しい流行を取り入れたからであるらしい。
天御中主神という神様にとっては、現代のJK語も平安時代の装束も、同程度の『若さ』であるようだ。昼威には理解できない感性である。とりあえず、若作りだと認識している。
「あのさ、別れさせ屋って知ってる?」
神様の声を聞いて、昼威は遠い目をした。
「知らん。ただ、名前からして、恋人同士の仲を引き裂くだとか、不倫相手との縁切りでもするんじゃないのか?」
この場所には、自分以外の人間はいない上、正面の二体はオカルト現象であるので、昼威は素直に言葉を返すようにしている。嫌いではあるが、別段昼威は神を敬う気持ちがゼロというわけではない。実家が寺であるとはいえ、神棚も藍円寺の住居側には存在している。
「まぁ、そういう事になるねぇ。ご明察ぅ!」
「……で? それが?」
「実はねぇ、妖専門の別れさせ屋がいるの。正確には、妖と人間も含まれているみたいだけど」
「は?」
「一応、僕を祀っている御遼神社は、縁結びの神様だからさぁ。迷惑なんだよね。せっかく成就しても、呪術で無理に引き裂くんだもの、その人々」
そう言うと、神様があからさまに嘆くような顔をした。
「御遼神社には、妖達もお参りにくるからさぁ。僕は八百万、全てのものを愛しているから、基本的には叶えているんだけれどね、ご縁があると見た場合は。それを、僕が認めている愛ある二人であっても引き裂かれるとさぁ、気分も悪いし、僕にはご利益がないみたいな噂もたつしでね……だからさ、藍円寺昼威。君にぜひ、別れさせ屋を撃退して欲しいんだ」
昼威はそれを聞いて、頬を引きつらせた。
「妨害されて壊れるような恋や愛なんて、その程度だったって事じゃないのか? そもそも、恋愛なんて幻想だ。俺は、恋心など脳の電気信号の一つだとしか思わない」
それを聞くと、神様が首を振った。
「君が独り身だからって、ひがむのはやめたほうが良いね」
「うるさい。そもそも、俺ではなくて、自分を祀っている侑眞に頼め」
「当然、御神体の鏡を通じで、ご神託として、御遼家の者にも伝えたよ――この言葉をさぁ、古典風にして」
昼威は腕を組んだ。
「古典風?」
「あー、だから、さ。君には、JKとかが使う若者言葉でこうやって話すのを、百人一首の和歌風に伝えた感じ」
「じゃあ侑眞にやらせればそれで良いだろう」
そう告げた昼威を見て、神様が首を振る。枝の上で足をぶらぶらさせている妖狐は、ただ興味深そうに聴いているだけだ。
「一つ、侑眞だけでは不安なんだ。別れさせ屋をやっているのは、大手の呪殺会社の御曹司でね……腕が立つ。悪くすれば、この御遼神社を守る侑眞の身が危ない。その点、君なら死んでも、僕には特に問題はないし」
率直な言葉に、昼威は咳き込みそうになった。
「もう一つ。今、御遼神社は――先代の奥方が妾を囲っているとして、揉めているんだ」
「妾? それは、愛人という事か?」
「まぁね。そう。『御遼神社の男妾騒動』として、一部の近隣住人も噂をしている」
そんな話は聞いた事が無かったので、昼威は首を捻った。
昼威の心療内科・精神科クリニックは、月・水・木・土に診察を行っている。
時間は午前十時から十二時と午後三時から夕方七時までである。
なお、木曜日は午前中のみの診察だ。
億劫だったが、御遼神社に抗議に行こうと考えて、昼威は久方ぶりに私服をまとって外へと出た。庭に咲き誇る紫陽花の花を眺めてから、石段へと向かう。
そして――眉間にシワを寄せて、立ち止まった。
神聖な気配がしたからである。しかしそれは、昼威にとっては『嫌な』気配だ。
溜息とつきながら踵を返し、視界に入れるのを回避しようと試みる。
「藍円寺昼威」
だが、振り返ると真正面に、今しがた避けようとした相手が立っていた。
御遼神社の神の遣い――妖狐の水咲である。
神社……神道ゆかりの狐なのだろうが、堂々と寺にいる。
昼威は、頭痛を覚えた。
赤い着流し姿で、季節外れの白いマフラーを巻いている少年は、左側に回している狐面を右手で撫でながら、気だるそうな眼差しで昼威を見ている。その時、強い風が吹いたのだが、昼威の黒髪は揺れたけれど、水咲のふわふわの髪は揺れない。狐色の柔らかそうな髪は、自然の風には乱されないらしい。少年は、大きな緋色の澄んだ瞳で、まじまじと昼威を見ている。
「アメ様がお呼びだ」
水咲の声に、昼威は左目だけを細めた。
アメ様というのは、この妖狐が呼ぶ、御遼神社の神様の名前である。
天御中主神の『天』から、アメなのだろう。
「――御遼神社の跡取り神主に詐欺行為をされて、抗議に行こうとしていてな。独り言であり、俺には今、狐耳の人物は視えないが」
昼威が静かに呟くと、水咲が腕を組んだ。
「お布施は現金とは限らない。きちんと俺が言った通りの報酬が支払われたのを見ていた」
何も言い返せず、昼威は顔を背けた。
「――じゃあ、御遼神社に行く用事は無くなったな」
「アメ様がお呼びだと言っただろう」
「何故俺が、非科学的な……それはともかく、神社の神様に呼び出されなければならないんだ?」
あくまでも、昼威は寺の息子である。そしてそれ自体、昼威が望んだ境遇ではない。
「直接聞いてくれ。俺はあくまでも、遣いだ。水先案内人の御先狐だ。ついてこい。案内する」
そう言って歩き出した水咲を一瞥し、肩を落としてから、昼威は従う事にした。
――大人しく従った理由は、バス代が節約できるからだ。
水咲について石段を一番下まで降りて、一歩進むと、正面の景色が歪んだ。水面に渦巻きができたかのように、風景がねじれたのである。そのまま膜を全身で突き破ったような錯覚に囚われて、昼威は瞬きをした。すると次の瞬間には、御遼神社の石段の前に立っていた。
この妖狐には、目的地に人間を移動させる力があるらしい。昼威は、口に出してそれを認める事は無いが、内心ではそう理解していた。
バイクできても良かったのだが、侑眞は度々アルコールを勧めてくるので(御神酒)、念のためバスを利用しようと考えていた所だった。
神社の石段を登りきり、鳥居をくぐると、普段は観光客で混雑している御遼神社が、本日は静かだった。昼威は、この状態にも既視感があった。
ここは確かに、御遼神社なのだが――それは人間のテリトリーにある神社ではない。”神様のテリトリー”に広がる御遼神社であるらしい。
鏡にうつるかのように、二つの神社があるという。あの世とこの世の御遼神社だ。神様のテリトリーには、招かれなければ、足を踏み入れる事が出来ない。唯一、神社の隣に広がる通称迷いの森のみ、時折境界線が曖昧になるらしいが――というのが、昼威の持つ知識だった。
「連れてきたぞ」
水咲はそう言うと、御神木へと飛び上がり、太い枝へと腰を下ろした。
この場所では、飛べば水咲のマフラーは揺れる。
だが、基本的に、昼威の知るような自然現象の”風”は、この場には吹かない。
「あざおでぇす」
そう言ってへらりと笑った天御中主神――アメと名乗る神様は、境内に座って、盃を傾けていた。妖狐の”飼い主”である神様は、二十代前半に見える外見だから、一見すればダメな若者が昼間から日本酒を飲んでいるように見える。
緑色の髪と瞳も、今ならばいくらでも染めるなどして、再現可能だろう。
だが――彼がまとっている狩衣は、コスプレ認定するには、少し値が張りそうだ。
烏帽子はかぶっていないが、真っ白で白磁のようなその肌も含めて、人間離れしている。
「なんのようだ、お内裏様」
昼威が忌々しいものを見るような眼差しで聞いた。
「んー? リアルガチで頼みたい事があってねぇ」
間延びした神様の声を聞き、昼威は脱力しそうになった。
リアルガチという言葉を、昼威は聞いた事が無かった。
――この神様は、何かと新しい言葉を使いたがる。
そもそも、平安貴族風の服装をしている理由も、新しい流行を取り入れたからであるらしい。
天御中主神という神様にとっては、現代のJK語も平安時代の装束も、同程度の『若さ』であるようだ。昼威には理解できない感性である。とりあえず、若作りだと認識している。
「あのさ、別れさせ屋って知ってる?」
神様の声を聞いて、昼威は遠い目をした。
「知らん。ただ、名前からして、恋人同士の仲を引き裂くだとか、不倫相手との縁切りでもするんじゃないのか?」
この場所には、自分以外の人間はいない上、正面の二体はオカルト現象であるので、昼威は素直に言葉を返すようにしている。嫌いではあるが、別段昼威は神を敬う気持ちがゼロというわけではない。実家が寺であるとはいえ、神棚も藍円寺の住居側には存在している。
「まぁ、そういう事になるねぇ。ご明察ぅ!」
「……で? それが?」
「実はねぇ、妖専門の別れさせ屋がいるの。正確には、妖と人間も含まれているみたいだけど」
「は?」
「一応、僕を祀っている御遼神社は、縁結びの神様だからさぁ。迷惑なんだよね。せっかく成就しても、呪術で無理に引き裂くんだもの、その人々」
そう言うと、神様があからさまに嘆くような顔をした。
「御遼神社には、妖達もお参りにくるからさぁ。僕は八百万、全てのものを愛しているから、基本的には叶えているんだけれどね、ご縁があると見た場合は。それを、僕が認めている愛ある二人であっても引き裂かれるとさぁ、気分も悪いし、僕にはご利益がないみたいな噂もたつしでね……だからさ、藍円寺昼威。君にぜひ、別れさせ屋を撃退して欲しいんだ」
昼威はそれを聞いて、頬を引きつらせた。
「妨害されて壊れるような恋や愛なんて、その程度だったって事じゃないのか? そもそも、恋愛なんて幻想だ。俺は、恋心など脳の電気信号の一つだとしか思わない」
それを聞くと、神様が首を振った。
「君が独り身だからって、ひがむのはやめたほうが良いね」
「うるさい。そもそも、俺ではなくて、自分を祀っている侑眞に頼め」
「当然、御神体の鏡を通じで、ご神託として、御遼家の者にも伝えたよ――この言葉をさぁ、古典風にして」
昼威は腕を組んだ。
「古典風?」
「あー、だから、さ。君には、JKとかが使う若者言葉でこうやって話すのを、百人一首の和歌風に伝えた感じ」
「じゃあ侑眞にやらせればそれで良いだろう」
そう告げた昼威を見て、神様が首を振る。枝の上で足をぶらぶらさせている妖狐は、ただ興味深そうに聴いているだけだ。
「一つ、侑眞だけでは不安なんだ。別れさせ屋をやっているのは、大手の呪殺会社の御曹司でね……腕が立つ。悪くすれば、この御遼神社を守る侑眞の身が危ない。その点、君なら死んでも、僕には特に問題はないし」
率直な言葉に、昼威は咳き込みそうになった。
「もう一つ。今、御遼神社は――先代の奥方が妾を囲っているとして、揉めているんだ」
「妾? それは、愛人という事か?」
「まぁね。そう。『御遼神社の男妾騒動』として、一部の近隣住人も噂をしている」
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