結婚したい男

猫宮乾

文字の大きさ
3 / 6

【三】取り敢えず食べてみる。(★)

しおりを挟む


 バーに入って一時間が経過した頃だ、アリスが言ったのは。

「周さんのお部屋に行っても良い?」
「うん良いよ。部屋で飲み直そうか」

 本当にアリスは積極的である。更にアリスは、部屋に入ると述べた。

「シャワー、借りても良い?」
「どうぞ」

 寝台に座りながら、周はアリスを見送った。ちょっと計画と違う点は、言葉巧みに部屋に誘う予定だった部分が――彼女の積極的な言動により、不要になった事だろうか。ジャケットを脱いでハンガーにかけてから、周はネクタイを緩めた。ここまで来たら、ヤれるだろう。期待しながら、周は避妊具の袋を確認した。

 そこへアリスが戻ってきた。裸体にバスタオルを巻いているだけである。彼女もまた、ヤる気であるのは明らかだった。瞳が艶っぽく煌めいている。

「何持ってるのー?」
「ん」
「あー、ゴムだ。準備いいなぁ。全然考えてなかったんじゃなかったの?」

 寝台に歩み寄ってきたアリスは、そう言うと、正面から周に抱きついた。受け止めた周は、コンドームの封をベッドサイドに置いてから、優しく微笑してみせた。普段の職場の彼からは考えられない優しい上辺の笑みである。勤務中の周は、どちらかといえば無愛想だ。

 小ぶりな胸が、シャツ越しに、周の体に触れる。両腕を背中に回すと、やはりアリスの体は柔らかかった。そのまま彼女の首筋に、周は顔を埋めた。そしてまずは触れるだけのキスをする。するとピクンと彼女の体が揺れた。それに気を良くして、今度は少し強めに吸ってみる。はっきりとキスマークを残してから、周は彼女の腕を引いて、反転させて押し倒した。

 アリスのバスタオルを剥ぎ取って、じっと周は彼女の顔を覗き込む。そして左手で覆うように、アリスの右胸を覆った。やはり小ぶりだ。右胸の乳首は唇ではさみ、乳頭を舌先で刺激する。

「ん……」

 鼻を抜けるような甘い声を、アリスが漏らした。胸が感じるらしい。というより、感度が良さそうだ。慣れていそうだなと、周は漠然とした感想を抱いた。結婚するならば、処女とは言わないが、身持ちは硬い女性が望ましい……。なお言えば、自分はする可能性がゼロでは無いが、相手には不倫はして欲しくない。一夜限りのあやまちを自分が犯さない可能性は、確率的な意味合いで言うのならばゼロとは言い切れないが、ある程度貞淑な奥さんが欲しかった。冷静にそんな事を考えながら、舌で乳輪をなぞる。するとアリスが震えた。

「ぁ……」
「胸、好き?」
「恥ずかし、い……聞かないで」

 照れている姿は、しおらしい。こういう反応自体は嫌いではない。
 最後に娼館に足を運んだのは、三ヶ月前であるから、周は久しぶりの行為に没頭し始めた。左手で、アリスの秘所をなぞると、既に愛液で濡れていた。

「グチャグチャだね」
「……っ、ひぁ……」

 ぬめる蜜に誘われるように、周の中指がすんなりとアリスの中へと入った。指を折り曲げるようにしてほぐしながら、周は一度荒く吐息した。右手では、自分のベルトを引き抜く。その後、下衣を脱いでから、周はアリスの左の太ももを持ち上げた。そして今度は右手の人差し指と中指を、アリスの中に挿入する。

「ん、ぅ……ぁ、は……」

 絡み付いてくるような内部の感触に、自然と周の体も昂ぶっていく。指を抜き差ししながら、より奥深くを探っていく。すると右奥を刺激した時、アリスの体が跳ねた。

「あ、あ、そこ……ン!」
「ここが好きなんだ?」
「う、うん……ぁ……あああ!」

 暫しの間、重点的にアリスの感じる場所を刺激し、その後内部をかき混ぜるように周は指を動かした。そうして十分に指が馴染んだのを見計らい、ゴムを付ける。それから己の先端を彼女の秘所にあてがった。

「あ、ゃ……大きい……んン!」

 実際、周の陰茎は、巨大で長い。ゆっくりと亀頭までを進めてから、周は大きく吐息した。

「あ、あ、あ……ん、ンぅ……ぁ……フ、ァ」
「中もドロドロだな」
「言わないで、あ、ああ!」

 周が一気に根元まで体を進めると、アリスが仰け反るようにして嬌声を上げた。彼女の腰骨を掴み、そのまま激しく周は攻め立てる事にした。少々荒々しかったが、アリスの体はすんなりと受け入れている。

 先程指で見つけ出したアリスの感じる場所を、巨大な先端で周が貫く。すると媚肉が陰茎に絡み付いてくるようになり、アリスの中が収縮した。蠢き、搾り取られるような感覚に、周が息を詰める。

 溜まっていたし、久しぶりの行為ではあるが――……まだ挿れたばっかりである。さすがにこれで出してしまったら、早いだろう。別に遅漏でも早漏でもない周は、一歩引いた理性でそんな事を考えていた。余裕がたっぷりだ。気持ち良い事には気持ち良いのだが、贅沢を言うのならば、もっとのめり込むようなSEXがしたい。

「ぁ、ア! ん、あ、ああ! あ、ダメ、イく……あああ!」

 その時、アリスが声を上げた。見れば潤んだ瞳が、周を捉えていた。綺麗な水色の髪が、肌に張り付いている。汗ばんでいる彼女の体を一瞥してから――まぁ良いかと周は判断した。自分も一回出しておこう。

「俺も出すよ」
「あ、あ、ああ、あ――っ、ん!!」

 そのまま激しく打ち付けて周が果てた時、アリスもまた絶頂に達したようだった。愛液が溢れ出している。そうして、彼女の呼吸が落ち着くのを待ってから、周は陰茎を引き抜いた。

 そしてぐったりとしたアリスの隣に横になりながら、賢者タイムに浸る。
 やはり、結婚するのならば、体の相性だって良い方が良い。
 アリスはその点、可もなく不可も無かった……それが、取り敢えず食べてみた結果の感想だった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話

トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

身体交換

廣瀬純七
SF
大富豪の老人の男性と若い女性が身体を交換する話

処理中です...