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―― 本編 ――
006
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だが覚悟した床へぶつかる衝撃は訪れず、気づくと俺は目の前にある春木の顔を見上げていた。抱きとめられている。春木が触れている俺の肌が、チリリと熱を訴える。その間にも、どんどん香りが強くなっていく。俺は、後孔がぬめっていることに気がつく。なんだ、これは。
「やはりビッチングだったか。はぁ、タイミング……。こんな風にアルファが多い場所とは。行こう、君を他のアルファに、いいや誰にも見せたくない。ただでさえ男前な美人で、君は目立つんだからね」
春木が何を言っているのか、俺は理解出来なかった。
――次に気づいた時、俺は部屋の施錠音を聞きながら、姫抱きされていた体をベッドに下ろされていた。そしてすぐに、春木に服を剥かれた。何が起きているのだろうかと思っていると、いつの余裕ある素振りとは全く違う春木が、己のネクタイを引き抜き投げ捨てると、引き裂くように俺の服を剥いだ。俺のシャツのボタンが弾け飛ぶ。
「あ」
直後、春木が俺のうなじを噛んだ。それはいつもと同じはずだったのに、おかしなことに俺の体に尋常ではない熱をもたらした。
「ああああああああああ」
思わず絶叫した時、俺はいつの間にか張り詰めていた陰茎から射精していた。
「許可を取りたかったし、君の気持ちを聞いてからにしたかった。これは本心だ。けれどね? もう我慢の限界だ。それに――誰かに盗られることなど考えたくもないからな」
春木のその声を聞きながら、俺はまた理性を飛ばした。
次に意識がおぼろげに戻った時、俺は枕に額を押しつけ、ギュッとシーツを握っていた。春木が指を俺の後孔にいれて、バラバラに動かしている。
「わかるかい? すごく濡れてる。オメガみたいに――じゃない。君は、オメガになったんだよ」
「ぁ……ああっ、や、早く。中、中に……」
「俺が欲しいかい?」
「欲しい、あ、ああっ、ぁ――!」
「ヒートで素直になった七瀬の破壊力は、想像以上だよ」
その後、巨大な長い春木の陰茎で穿たれた時、俺の全身も気持ちも、歓喜で震えた。全身が、春木の存在感を求めている。慣れているというより、まるで体が造りかわったかのように、自然と受け入れていた。当初はアルファ同士で行為は決して容易というわけではなかったのに、まるで、今は――それこそアルファと、オメガのような……。
バックから激しく貫かれ、うなじをぺろぺろと舐められる。
「噛んで、ぁ、噛んでぇ、えぁ」
意識が飛び飛びの俺は、自分でも信じられないくらい甘ったるい声を出しているのを、乖離した理性で感じていた。その度に、俺の願いを叶えるように春木は俺を噛む。
「ラット抑制剤を飲んでいてすら、我慢できそうにない。俺は、七瀬を――性差などこえて、ずっと〝運命〟だと思っていた。今は、さらにそれを確信している。だから、ね? 俺は生涯をかけて君を愛す。必ず幸せにする。だから七瀬の全てを、俺に。全部ちょうだい」
その後のことを、俺はよく覚えていない。ただ、ずっと幸せで、快楽由来の涙に混じって、幸福すぎて泣いていた。ただただひたすらに、幸せだった。
「ん……」
「起きたかい? まだ寝ていても構わないけど」
目を覚ました俺は、体が泥のように重い事に気がついた。横たわる俺の隣に寝そべっている春木が、俺の頭を優しく撫でている。
「やはり、七瀬はビッチングしたようだけど、念のため日が昇ったら病院に行こう」
「ビッチング? 一体、それは……?」
「ああ、確かに新しい知見だから、知らなくても無理はないか」
「?」
「やはりビッチングだったか。はぁ、タイミング……。こんな風にアルファが多い場所とは。行こう、君を他のアルファに、いいや誰にも見せたくない。ただでさえ男前な美人で、君は目立つんだからね」
春木が何を言っているのか、俺は理解出来なかった。
――次に気づいた時、俺は部屋の施錠音を聞きながら、姫抱きされていた体をベッドに下ろされていた。そしてすぐに、春木に服を剥かれた。何が起きているのだろうかと思っていると、いつの余裕ある素振りとは全く違う春木が、己のネクタイを引き抜き投げ捨てると、引き裂くように俺の服を剥いだ。俺のシャツのボタンが弾け飛ぶ。
「あ」
直後、春木が俺のうなじを噛んだ。それはいつもと同じはずだったのに、おかしなことに俺の体に尋常ではない熱をもたらした。
「ああああああああああ」
思わず絶叫した時、俺はいつの間にか張り詰めていた陰茎から射精していた。
「許可を取りたかったし、君の気持ちを聞いてからにしたかった。これは本心だ。けれどね? もう我慢の限界だ。それに――誰かに盗られることなど考えたくもないからな」
春木のその声を聞きながら、俺はまた理性を飛ばした。
次に意識がおぼろげに戻った時、俺は枕に額を押しつけ、ギュッとシーツを握っていた。春木が指を俺の後孔にいれて、バラバラに動かしている。
「わかるかい? すごく濡れてる。オメガみたいに――じゃない。君は、オメガになったんだよ」
「ぁ……ああっ、や、早く。中、中に……」
「俺が欲しいかい?」
「欲しい、あ、ああっ、ぁ――!」
「ヒートで素直になった七瀬の破壊力は、想像以上だよ」
その後、巨大な長い春木の陰茎で穿たれた時、俺の全身も気持ちも、歓喜で震えた。全身が、春木の存在感を求めている。慣れているというより、まるで体が造りかわったかのように、自然と受け入れていた。当初はアルファ同士で行為は決して容易というわけではなかったのに、まるで、今は――それこそアルファと、オメガのような……。
バックから激しく貫かれ、うなじをぺろぺろと舐められる。
「噛んで、ぁ、噛んでぇ、えぁ」
意識が飛び飛びの俺は、自分でも信じられないくらい甘ったるい声を出しているのを、乖離した理性で感じていた。その度に、俺の願いを叶えるように春木は俺を噛む。
「ラット抑制剤を飲んでいてすら、我慢できそうにない。俺は、七瀬を――性差などこえて、ずっと〝運命〟だと思っていた。今は、さらにそれを確信している。だから、ね? 俺は生涯をかけて君を愛す。必ず幸せにする。だから七瀬の全てを、俺に。全部ちょうだい」
その後のことを、俺はよく覚えていない。ただ、ずっと幸せで、快楽由来の涙に混じって、幸福すぎて泣いていた。ただただひたすらに、幸せだった。
「ん……」
「起きたかい? まだ寝ていても構わないけど」
目を覚ました俺は、体が泥のように重い事に気がついた。横たわる俺の隣に寝そべっている春木が、俺の頭を優しく撫でている。
「やはり、七瀬はビッチングしたようだけど、念のため日が昇ったら病院に行こう」
「ビッチング? 一体、それは……?」
「ああ、確かに新しい知見だから、知らなくても無理はないか」
「?」
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