おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)

文字の大きさ
152 / 222

第151話 魔獣討伐隊 ⑥

しおりを挟む


 ダンジョンの下層へと降りて行く俺達、油断無く進んでいくので、様子を見ながらの進軍だ。

ここまでの間、モンスターなどの襲撃は無い。静かなものだ。それもその筈。

「一本道だな。」

「そうね、この先に何があるのかしら?」

そう。下まで降りて様子を窺うが、辺りは一直線の一本道だった。

ずっと奥まで続いている、左右の壁には既に明り取りであろうか? 松明が備え付けられていた。

その松明の明かりが、ずっと奥にまで続いている。完全に一本道でまっずぐ歩く事になる。

(この感じ、間違いないな。)

これはゲーマーとしての勘だが、この先に待っているのは間違いなくラスボスだ。

そんな感じがピリピリと伝わってくる、皆もそれに気づいているのか、言葉数は少ない。

モンスターの姿も一切ない。余計なものは排除している。といった事だろう。

 通路の最奥に到着した、目の前には豪華な装飾を施された大きな扉がある。

うむ、実に禍々しい感じの扉だ、この先にボスが居ますと、その存在感をアピールしている。

この扉を開ければ、いよいよラストバトルが始まるだろう。

 ………俺の冒険も、いよいよ終わりが近づいて来た、って感じだな。

ステータスは万全。皆の様子も変わりない。寧ろ、気合が入っている。

俺は一度、皆の方を向き、一人一人の顔を見ながら言う。

「皆、ここからは凄く危険な戦いになると思う。もしかしたらとんでもない奴が居る可能性もある。おそらくだが、この先、混沌の眷属かそれ以上の存在と戦う事になりそうだ。」

「混沌の眷属?」

ガーネットが初めて聞いた様な声を出す。まあ、無理も無い。

「ああ、要するに、この先間違いなくラストバトルっぽい事になりそうだ。だから、無理に付き合う事は無い。命を賭ける覚悟がある奴だけ、付いて来てくれ。」

俺の言葉に、皆はお互いに顔を見合わせ、そして肩を竦ませた。

「今更水臭いわねえ、ジャズ。私はあんたの先輩よ? 後輩の面倒を見るのは当たり前じゃない。」

「わしもいいぞい。筋肉がかつて無いほどに躍動しておる。このまま進むぞい!!」

「うーん、儂は正直、酒に在りつきたいんじゃが、まあ、昨日今日知り合ったばかりの相手に命を預ける覚悟は無いな、すまんが、儂はここで待機しておる。」

ガーネットとアドンは参加してくれる様だ、ボム爺さんはここに残ると言った。まあ、そうだわな。

「解った、ボム爺さんは俺達が戻らなかった時の為に、ここに残ってくれ。万が一の時、仮設基地へ戻って報告してくれればいい。」

「すまんが、そうさせて貰う。わしゃぁ、もう歳だでのう。」

ボム爺さんはすまなさそうにしていたが、これも立派な役目だ。

「じゃあ、いくぜ。皆、覚悟はイイか?」

「いつでも!」

「わしに任せい!」

俺は大きな扉を両手でぐっと押し開き、ゆっくりと扉が開く様を確認する。

さて、この先何があるのやら。

鍵などは掛かっていなかった。扉もそんなに重くない。すんなりと開いた。

油断なく進み、中へと入る。

 目の前を見据え、まず目に入ったのは、その広大な広さの空間だった。

ドーム球場かと思う程の広さがある。全体的に明るい。至る所に松明のかがり火が有る。

壁にも等間隔で松明の明かりが設置されている、部屋全体が不自然なくらいに明るい。

 そして、その中央に人影らしきモノ。

更にその奥に、様々な骨で組まれた祭壇の様なモノ。

俺達の侵入を知ってか、人影がこちらを向き、指をパチンと鳴らした。

その直後、後ろの扉が閉まった。

ふーむ、閉じ込められたか。いよいよ逃げられんな。ラストバトルっぽくなってきやがった。

「おやおや? お客さんかな? なんてな。我を邪魔しに来たのは知っている。」

人影が喋った、いや、良く見るとうっすらと透き通っている。ゴースト系のモンスターか?

いや、まさかな。俺は知っている。奴こそがラスボス、禍々しい祭壇といい、間違いない。

「お邪魔しますよ、ちょっくら調べに来たんですがね、まさかとは思いますが、ここ、「混沌の王」カオス復活の為の儀式場じゃありませんよね?」

戦闘態勢で近づく。ガーネットもアドンも油断なくついてくる。

「だったらどうだと言うのですか? 邪魔はしないで頂けるといいんですが。」

………こいつ、まさかとは思ったが、やはり人間じゃないか。

黒いオーラを纏った禍々しい存在の魔術師。カオスの眷属の類だ。

「ウォーロックだな、こんなところで何を?」

「はあぁ、いいですか? 邪魔はしないで頂きたい。カオス様復活の為の儀式なのですから。」

やはりそうか、不味いな。普通TRPGってのは、魔神王だとかが復活した時点でゲームオーバーだ。

世界は混沌に包まれ、滅ぶというバットエンドシナリオになる。

カオス復活だけは何としても阻止しなくてはならない。絶対にだ。

「おや? たったの三人だけですか? まさかその人数で我が儀式を邪魔しようと? 随分と見くびられたものですね。」

「いやなに、あんたを倒せば決着が着くと思うんだがね。」

「それこそ見くびられたものだ、この私を倒すと? フフフ、ハハハハハ。」

この余裕、こいつ、強いな。

ウォーロックは指をパチンと鳴らすと、自身の周りに無数の魔法陣を展開させた。

「では、私は忙しいので、こいつ等で相手をしてあげますよ。」

ちっ、召喚魔法か、しかも部屋全体に魔法陣が出現している。

一体幾つ召喚するつもりだ? こんな数、一々相手に出来んぞ。

そして、俺達の前に召喚されたモンスターは、ゴブリン、オーク、オーガ、トロル、ミノタウロスといった様々な種類のモンスターだった。

「おいおいマジか? 軽く200体は居るぞ。どうなってんだ?」

おびただしい数のモンスターが、一斉に咆哮を上げ、今にも襲い掛かってきそうだ。

ウォーロックに辿り着く前に、まずはこいつ等を何とかしなくてはならん。という事だな。

一々付き合ってられん、精神コマンドの「大激怒」を使う。

こいつは「敵全体」に2500ポイントの固定ダメージを与える。

そう、「敵全体」に、である。問答無用で使用し、全てのモンスター及びウォーロックに2500のダメージを与える。

効果はてきめん。一瞬のうちに決着が着く。

召喚されたモンスターは、その全てに効果があり、悲鳴を上げる事無く砂へと変わった。

「な!? なんだと!? 貴様! 何をした!!?」

ウォーロックが慌てている、無理も無いな。召喚して早々、全て倒してしまったからな。

しかし、当のウォーロックはまだ倒れていない、タフな奴だな。流石ラスボスといったところか。

「さて…と………、ここからが正念場だよな。皆、油断せずいこう。」

「オッケー!」

「なんじゃ、わしの出番は無いかと思っておったが、筋肉をアピールする絶好の機会じゃな!」

気合十分。よっしゃ、一丁いきますか!!









しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

おじさんが異世界転移してしまった。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

異世界に飛ばされた人見知りの僕は、影が薄かったから趣味に走る事にしました!

まったりー
ファンタジー
主人公は、人見知りな占いが大好きな男の子。 そんな主人公は、いるのか分からない程の影の薄さで、そんなクラスが異世界に召喚されてしまいます。 生徒たちは、ステータスの確認を進められますが、主人公はいるとは思われず取り残され、それならばと外に1人で出て行き、主人公の異世界生活が始まります。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

処理中です...