人類が異種族からセクハラを受けまくっているSF未来世界で人間男性軍人(42歳)が虫系種族に産みつけファックされる話

ぱふぇ

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 朝の巡回の際、ステーションのドッキングベイにヴェクスロル大佐の旗艦が停泊しているのを目にするようになった。
 その漆黒の艦体は近くの星々の光さえも吸い込んでいるかのようだ。観測窓越しに見える堂々とした艦影は、艦長である彼自身を連想させ、どこか心強い存在となっていた。人間を対等の存在として見てくれる甲虫族コレオプテラン将校が、少なくとも一人はいるという証として。

 それから俺たちの行動は頻繁に交差した。よく観測デッキで彼を見かけ、勤務時間外には展望ラウンジで、ステーションのシールドの外を揺蕩う小惑星や巡航する艦を複眼で見つめているところに出くわした。
 会話は日課となった。時には戦術的な問題を議論し、彼のデータプロジェクターで戦闘シナリオを分析した。また時には、ただ話すだけ――経験したこと、指揮官としての重責について。

 大佐の任務についても、徐々に詳しく知ることになった。
 外域防衛部隊は連邦宇宙の外に潜むものに対する、最前線の防衛線だ。重武装した12隻の艦船で、外なる暗黒との境界線を巡回し、宙賊を払い、連邦加盟を拒否した謎めいた文明からの活動の兆候の監視を維持している。
 大佐の部隊は連邦外勢力の調査、そして公式報告書には載らないような極秘作戦を専門としているようだ。

 ある夕べ、存在すら知らなかった上級将校用ラウンジに招かれた。普段は人間立ち入り禁止の場所だが、彼が特別な許可を取り付けてくれたのだ。
 手を伸ばせば宙を漂う岩に触れられそうな、通常の観測デッキなど比べものにならない眺望が一望できた。紹介された時、入り口で躊躇するほどだった。

『虚空には、我々がほとんど理解できないような未知の脅威が蠢いている。今のままの保守的な体制では太刀打ちできない。我々も変わらなければ……。だからこそ君たちに魅力を感じるんだ、ジョン。まだ若い種だが、驚くべき速さで変化に適応する。それが君たちの最大の強みであり、他種族が最も恐れる部分でもある』

 その言葉には、年長種族から通常滲み出る見下しや優越感の類が微塵も感じられなかった。そこにあったのは敬意と、もう一つ、俺にはうまく特定できない何か。……そして彼が俺のファーストネームを使ったのは、これが初めてだった。
 彼は何やら甲虫族コレオプテラン特有のチューブ状の飲酒器具を器用な手付きで扱いながら、さりげなく付け加えた。

『私のことはヴェクスと呼んでくれ。少なくとも、このような私的な場では』

 思わずむせそうになった。甲虫族コレオプテランが他種族に対して階級を伴わない自分の名を呼ばせることは稀だ。通常、それは同族間の中でも親しい者だけに許される特権だと聞いている。

「分かった……ヴェクス」

 俺は頷き、彼がどこからか調達してきた地球産のウイスキーを啜った。その名前を舌の上でそっと転がした。

 我々の間の形式張った雰囲気は、次第に薄れていった。俺は地球のこと、軍での初期のキャリアのこと、深宇宙配備が重なって去っていった妻のことを話すようになった。彼もまた、幼少期過ごした地下何キロにも渡って巣状都市が広がる母星のこと、女王直属血族に課せられた期待と重圧について語ってくれた。

 彼が生まれながらにして指導者として設計され、女王の生物工学者たちによって慎重に作り上げられた遺伝子コードから生まれたことを知った。コードを同じくする兄弟が何万体といることも。
 彼は俺の失敗した結婚や、部下たちのこと、昇進の機会があるのに現場に留まり続ける理由について知った。

 それ以来、ここが俺たちの非公式な会合場所となった。

『私の種族の大半は、まだ古い考え方に固執している』

 ある夜、商船の船団が出航するのを眺めながら、彼は言った。

『他種族を脅威か資源としてしか見ていない。だが銀河は変化している。我々もそれに合わせて変わらねばならない』

 こういった会話を、俺は楽しみにするようになっていた。人類がまだ農業すら確立していない頃から宇宙を航行していた種族の上級将校に、知的に対等な話し相手として扱われることは、まあ……自尊心をくすぐった。

 他の異種族人とこんな会話をしたことはない。彼らのほとんどは、性的欲求を超えて人間を対等な存在として見ることがほとんどない。
 だがヴェクスは違っていた。
 彼は決して一線を越えず、他の同族のように俺に不快な思いをさせることも、その片鱗すら見せなかった。むしろ友情が深まるにつれて、意図的に距離を保とうとしているように見えた。
 だが時折、彼が純粋な知的好奇心以上のものを感じさせる強い眼差しで、4つの主眼すべてで俺を見つめていることがあった。俺はそれに気付かないふりをし、彼は俺が気付いていることに気付かないふりをした。
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