人類が異種族からセクハラを受けまくっているSF未来世界で人間男性軍人(42歳)が虫系種族に産みつけファックされる話

ぱふぇ

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 朝一番の点検中にマルティネスの慌てた声が通信機から聞こえた時点で、今日が最悪な一日になることは予想できた。

 装備格納庫に駆けつけると、俺たちの身体とエグゾアーマーを直接つなぐニューラルメッシュスーツが3着、整備台の上に広げられていた。
 殴られたような衝撃を受けた。
 その真珠色の粘つく半固形の液体が何なのか、俺には一目でわかった。
 ……甲虫族コレオプテランが交尾中に産卵管から放出する、宿主の体内で卵を有機組織に固定するための粘液。それが吐き気を催すことに、スーツの最も私的な部分に意図的に塗りたくられていた。
 股間や臀部だけが執拗に狙われ、後方の排泄処理ポートに至っては無理やりこじ開けられ、念入りにその白いゼラチン状のものを詰め込まれていた。下劣で紛れもないメッセージ。

 何者かが俺たちの格納庫に侵入し、装備を汚すことで、俺たちをどう見ているのか、何がしたいのかを知らしめようとした。
 これは単なる器物損壊やハラスメントじゃない。性的な脅迫だ。

 その時間帯のセキュリティ映像は都合よく破損していたが、誰の仕業かは疑いようがない。ゼクスカが左遷されて以来、対立を深めていたその取り巻きが、ついに報復に出たのだ。
 そして俺たちが声を上げたところで、どう転ぶかは分かっていた。……実際の正義より外交的な配慮が優先される。
 「先進種族」が絡むとなれば、いつもそうだ。

 胸の中で膨れ上がる怒りの行き場を探していた。
 どこまで行っても奴らにとって俺たちは肉の塊でしかないのか。卵を産み付けるための温かい穴でしかないのか。
 俺たちの功績も、犠牲も、努力も、奴らの性的な眼差しの前では何の意味も持たないというわけだ。

「すぐに予備を出せ。スーツは分析用に梱包。それから本部に緊急要請だ。優先認証コードはTタンゴ9ナイナー5ファイフ

 出てきた声は自分でも意外なほど冷静だった。
 技術班は顔を見合わせ、ようやくマルティネスが口を開いた。

「隊長……これ、ハラスメント規定を除いても15個くらいの連邦軍規違反ですよ。報告すべきじゃ――」
「わかってる。対処する」
「……っ、ふざけんなよ……! だって隊長、あいつら、あのクソ虫野郎ども! 俺たちの装備に向かってシコって、こんな……っ、ぶっかけやがったんですよ!?」
「声を抑えろ、マルティネス」

 マルティネスは怒りで体を震わせ、拳を強く握りしめていた。グローブの関節が軋む音が聞こえるほどに。

「マルティネス、いいか、俺の目を見ろ。怒りを見せればまさに奴らの思う壺だ。俺たちが感情的で未熟な種だと主張する口実を与える。時には奴らの期待する反応を見せないことが一番の復讐になる。俺たちは奴らの偏見の上を行く存在だ。このクソみたいな状況でも、毎日任務を着実に遂行することでそれを証明してる。わかったか?」

 マルティネスは硬く頷く。
 歯を食いしばった、まだ若い顔に心が痛む。俺たちの中で最も若く有望なオペレーターだ。火星のスラム街から這い上がり、コネではなく実力でエグゾスーツを勝ち取った。こんな侮辱を受ける筋合いはない。

「技術班、とにかく頼む。それと当面、この件は内密にな」

 だが、この規模のチームで秘密が長く保たれることはない。デイサイクルの半ばには、部隊の面々の目を見れば分かった――怒りと屈辱が入り混じっている。
 高価な装備を台無しにされたことだけが問題じゃない。
 ニューラルメッシュスーツはエグゾスーツオペレーターにとって単なる装備ではない、下着以上に個人的なものだ。各オペレーターの固有のパターンに合わせてカスタマイズされている。神経パターンを読み取り、呼吸に同期し、長時間の作戦中は排泄物も処理する。
 それをこんな形で汚されるなど……。
 奴らが俺たちのメッシュスーツに向かって産卵管をシゴいていたと思うと、胸が悪くなる。

 今は正式な手順に則って報告を上げる気になれなかった。我々の装備が自慰行為に使われたなんて内容の報告書を書く気にはなれない。
 あの体液が何を意味し、なぜその場所になすり付けられていたのかを自ら説明し、無味乾燥な言葉で事務的に記述させられる屈辱には耐えられない。

 地球軍EDFは報告を受け、サンプルを分析し、おそらく形だけの外交警告を発するだろうが、それも結局は官僚主義の中に埋もれていく。
 その間も、我々の部隊は何事もなかったかのように奴らと共に働き続けなければならない。

 気がつけば、いつもの場所――例の上級将校用ラウンジにいた。幸い無人だった。自動給仕を無視して進む。
 ヴェクスが俺たちの会話のために用意してくれた数本のボトルは、まだそこにあった。中心銀河から取り寄せた洒落た珍しい酒で、この辺境まで運ぶのにはさぞ金がかかったことだろう。その気遣いが、今は余計に苦々しく感じられた。

 グラスに酒を注ぐ。
 今夜の星は冷たく、無数の光点が虚空に散らばっていた。地球もそうしたどこか遠くの点の1つに過ぎなかった。
 時々考える。我々はあそこに留まり、「進んだ」種族たちに銀河など好きにさせておけばよかったのではないかと。
 ステーションのドッキングベイでは今頃、連邦領域の外へとジャンプする船の準備が進められているだろう。どこか彼方の虚空。その逃げ道が羨ましく思えた。

『ジョン? こんな時間にここにいるとは思わなかった』

 ヴェクスが入ってきたのにも気づかなかった。かなり酔いが回っている。俺の様子から何かを読み取り、距離を置いて立ち止まった。
 彼の方は見られなかった。今夜は、あの複眼に宿る知性を直視する気にはなれない。

『6時間、通信に応答がなかったが。どうしたんだ?』
「何でも。少し飲みたくなっただけです、大佐」

 意図的に形式張った言い方で返す。彼が一瞬躊躇うのが分かった。

『何かあったのか』
「そうかもな」

 俺は噛み付くように言った。
 酒は効いていない。むしろ怒りを増幅させているだけだ。
 ウイスキーがまた喉を焼く。

「お前の兵士どもが、ちょっとしたプレゼントを残していってくれたよ。俺たちのことを本当はどう思ってるか、思い出させてくれるような」

 状況を説明すると、彼の大顎がガチガチと音を立て始めた。

『誰だ?』
「知ってどうする? ほんの数人の問題じゃない。これがお前らの種族の、俺たちへの本当の見方なんだ」
『厳正に対処する』
「ああ、今まで起きたこと全部が正しく「対処」されてきたようにな。お前もわかってるんだろう、ヴェクス。俺たちは生きた孵化器でしかないんだよ。お前らの卵を詰め込むための、温かくて柔らかい……穴だ。同盟だの敬意だの、そんな話は全部嘘っぱちだ」
『ジョン――』
「いや、言わせろ。お前は他とは違うフリをしてる。でも、そうじゃないんだろ? お前だって心の底では俺を、同じように見てる。ただその洗練された態度の後ろに上手く隠してるだけだ」

 不当な言い方をしているのは分かっていた。間違った相手に八つ当たりしているのも。何年も積み重なった不満を、おそらく唯一俺を対等に扱ってくれた甲虫族コレオプテランの友人にぶつけている……。

『大尉。あなたは冷静さを失っている』
「……そうかな」

 やりすぎだ。でも、もうどうでもよかった。

『居室まで送る。一人にはしておけない状態だ』
「必要ない」

 ヴェクスは何も言わず、ただ入り口の前で待っている。俺はグラスを一息に空け、叩きつけるように置いた。
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