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第十章
不幸を背負う者2
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「ねね! あれかな?」
標高が高くなって木すら無くなってきた雪山に明らかに人工物のようなものが見えた。
「王の墓所だな……」
慎重に山を登っていくと四本の石柱が立っていて、その真ん中に小さめの小屋ぐらいの大きさの石の建物があった。
建物の分厚い石の扉は開け放たれていて中に下に降りていく階段が見えている。
ただ王の墓所を見つけろという試練はクリアにならない。
これはまだ王の墓所の入り口に過ぎないのである。
「……」
周りに音はなく恐ろしいぐらいに静かだ。
圭は一度みんなのことを見る。
嵐の前の静けさというのか何もないのもまた不安になる。
「ふふん、大丈夫。圭は私が守るから」
妙な緊張感がある中でシャリンが笑って胸を張る。
どんな敵が相手でも圭のことを守って見せる自信がある。
「頼もしいな。お願いするよ、シャリン」
圭が頭を撫でてやるとシャリンは目を細める。
「多少作戦会議というか、最初動きを決めておこう」
何もしなければ鎧のモンスターは負けてしまう。
そうならないためには初動が大事となる。
「最初は鎧のモンスターと蛇頭のモンスターが対峙してるらしいから間に割り込むような形で鎧のモンスターを助けようと思う。鎧のモンスターは弱ってるらしいから薫君、回復をお願いできるかな?」
「分かりました」
「あとは上手く倒せれば……って感じかな」
最悪の場合鎧のモンスターが倒されても構わないというのは大きい。
戦いの内容まで計画を立てるのは不可能なので戦いが始まってしまえばなるようにしかならない。
最初の動きは話し合ったので階段を降りていくことにした。
あまり広くない階段をカレンを先頭にして降りていく。
「扉が!」
全員が入ったところで石の扉が閉じてしまった。
火が入らなくなって真っ暗になったが壁につけられている松明に火が灯ってすぐに明るくなった。
こんなこと書いてなかったなとは思いながらも明かりは確保されて不便はないのでそのまま降りる。
どの道扉が閉まったので引き返すこともできない。
「下が見えるぞ」
階段が終わって下につくことが先頭のカレンには見えた。
「よし、気を引き締めていこう」
いつでも動けるようにと圭たちは武器を手にする。
「……行くぞ!」
『シタチュフリスガの巣を探せ! クリア!
シタチュフリスガの巣から失われた鍵を見つけ出せ! クリア!
王の墓所を見つけろ! クリア!
シタチュフリスアを倒せ! または アルデバロンを倒せ!
シークレット
王の遺品を見つけろ!』
一番下に降りた瞬間試練が更新されて目の前に表示された。
いくつもの太い柱で支えられた広い空間が地下に広がっていた。
そこには蛇の頭を持つ二本足の人型モンスターが三体と膝をついている鎧のモンスターがいる。
前に立つ蛇頭の人型モンスターは装飾品を身につけていて少しだけ様子が違っている。
表示はさておき圭たちはすぐに動き出した。
最初に話し合っておいたように蛇頭の人型モンスターと対峙するようにして間に割り込む。
『シタチュフリスガの巣を探せ! クリア!
シタチュフリスガの巣から失われた鍵を見つけ出せ! クリア!
王の墓所を見つけろ! クリア!
シタチュフリスアを倒せ! (失敗:死)
シークレット
王の遺品を見つけろ!』
まずは鎧のモンスターを助けねばならない。
そのことに集中して圭は気づかなかった。
“シタチュフリスアを倒せ! または アルデバロンを倒せ!”となっていた試練の“アルデバロンを倒せ”が消えて不吉な“死”という文言が追加されていたことに。
「薫君!」
「はい!」
薫が鎧のモンスターアルデバロンにヒールをかける。
「ヒールが効くようです!」
モンスター相手なのでビールが通じるかどうか不安であったけれど薫はヒールが通じている手ごたえを感じていた。
『シタチュフリスア
シタチュ族の中で最後の進化を遂げた王たる個体。
知恵知能を得て、体はより戦闘に向けて洗練された。
◻︎◻︎◻︎◻︎にてシタチュ族を率いて多種族を滅ぼしたけれどシタチュ族の神がいないために世界を支配できなかった哀れな一族。
だがシタチュフリスアは諦めていない。
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎が注目している』
『上位存在が介入しました! 塔のルールに一時的な変更がありました!』
圭が蛇頭の人型モンスターを真実の目で見る。
何ヶ所か伏せ字になっているところがあるけれど蛇頭の人型モンスターがシタチュフリスアというモンスターで最終進化を遂げたような強い存在であることは分かった。
それと同時に別の表示も現れた。
「ルールの変更……」
「お兄さん!」
圭が表示に気を取られた一瞬の隙に装飾品をつけたシタチュフリスアが圭に迫った。
すごい速さであっという間に先頭に立っていたカレンの横をすり抜けて圭に剣を振り下ろす。
カレンは魔力を差し向けて挑発していたのに完全に無視されている。
「ぐっ!」
「圭君!」
「圭!」
素早さだけでなく力も強い。
圭は剣を上げて攻撃を防ごうとしたのだけどシタチュフリスアの力が強くて押し切られるように肩に刃が食い込んだ。
痛みに圭の顔が歪み、赤い血が流れ出す。
標高が高くなって木すら無くなってきた雪山に明らかに人工物のようなものが見えた。
「王の墓所だな……」
慎重に山を登っていくと四本の石柱が立っていて、その真ん中に小さめの小屋ぐらいの大きさの石の建物があった。
建物の分厚い石の扉は開け放たれていて中に下に降りていく階段が見えている。
ただ王の墓所を見つけろという試練はクリアにならない。
これはまだ王の墓所の入り口に過ぎないのである。
「……」
周りに音はなく恐ろしいぐらいに静かだ。
圭は一度みんなのことを見る。
嵐の前の静けさというのか何もないのもまた不安になる。
「ふふん、大丈夫。圭は私が守るから」
妙な緊張感がある中でシャリンが笑って胸を張る。
どんな敵が相手でも圭のことを守って見せる自信がある。
「頼もしいな。お願いするよ、シャリン」
圭が頭を撫でてやるとシャリンは目を細める。
「多少作戦会議というか、最初動きを決めておこう」
何もしなければ鎧のモンスターは負けてしまう。
そうならないためには初動が大事となる。
「最初は鎧のモンスターと蛇頭のモンスターが対峙してるらしいから間に割り込むような形で鎧のモンスターを助けようと思う。鎧のモンスターは弱ってるらしいから薫君、回復をお願いできるかな?」
「分かりました」
「あとは上手く倒せれば……って感じかな」
最悪の場合鎧のモンスターが倒されても構わないというのは大きい。
戦いの内容まで計画を立てるのは不可能なので戦いが始まってしまえばなるようにしかならない。
最初の動きは話し合ったので階段を降りていくことにした。
あまり広くない階段をカレンを先頭にして降りていく。
「扉が!」
全員が入ったところで石の扉が閉じてしまった。
火が入らなくなって真っ暗になったが壁につけられている松明に火が灯ってすぐに明るくなった。
こんなこと書いてなかったなとは思いながらも明かりは確保されて不便はないのでそのまま降りる。
どの道扉が閉まったので引き返すこともできない。
「下が見えるぞ」
階段が終わって下につくことが先頭のカレンには見えた。
「よし、気を引き締めていこう」
いつでも動けるようにと圭たちは武器を手にする。
「……行くぞ!」
『シタチュフリスガの巣を探せ! クリア!
シタチュフリスガの巣から失われた鍵を見つけ出せ! クリア!
王の墓所を見つけろ! クリア!
シタチュフリスアを倒せ! または アルデバロンを倒せ!
シークレット
王の遺品を見つけろ!』
一番下に降りた瞬間試練が更新されて目の前に表示された。
いくつもの太い柱で支えられた広い空間が地下に広がっていた。
そこには蛇の頭を持つ二本足の人型モンスターが三体と膝をついている鎧のモンスターがいる。
前に立つ蛇頭の人型モンスターは装飾品を身につけていて少しだけ様子が違っている。
表示はさておき圭たちはすぐに動き出した。
最初に話し合っておいたように蛇頭の人型モンスターと対峙するようにして間に割り込む。
『シタチュフリスガの巣を探せ! クリア!
シタチュフリスガの巣から失われた鍵を見つけ出せ! クリア!
王の墓所を見つけろ! クリア!
シタチュフリスアを倒せ! (失敗:死)
シークレット
王の遺品を見つけろ!』
まずは鎧のモンスターを助けねばならない。
そのことに集中して圭は気づかなかった。
“シタチュフリスアを倒せ! または アルデバロンを倒せ!”となっていた試練の“アルデバロンを倒せ”が消えて不吉な“死”という文言が追加されていたことに。
「薫君!」
「はい!」
薫が鎧のモンスターアルデバロンにヒールをかける。
「ヒールが効くようです!」
モンスター相手なのでビールが通じるかどうか不安であったけれど薫はヒールが通じている手ごたえを感じていた。
『シタチュフリスア
シタチュ族の中で最後の進化を遂げた王たる個体。
知恵知能を得て、体はより戦闘に向けて洗練された。
◻︎◻︎◻︎◻︎にてシタチュ族を率いて多種族を滅ぼしたけれどシタチュ族の神がいないために世界を支配できなかった哀れな一族。
だがシタチュフリスアは諦めていない。
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎が注目している』
『上位存在が介入しました! 塔のルールに一時的な変更がありました!』
圭が蛇頭の人型モンスターを真実の目で見る。
何ヶ所か伏せ字になっているところがあるけれど蛇頭の人型モンスターがシタチュフリスアというモンスターで最終進化を遂げたような強い存在であることは分かった。
それと同時に別の表示も現れた。
「ルールの変更……」
「お兄さん!」
圭が表示に気を取られた一瞬の隙に装飾品をつけたシタチュフリスアが圭に迫った。
すごい速さであっという間に先頭に立っていたカレンの横をすり抜けて圭に剣を振り下ろす。
カレンは魔力を差し向けて挑発していたのに完全に無視されている。
「ぐっ!」
「圭君!」
「圭!」
素早さだけでなく力も強い。
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痛みに圭の顔が歪み、赤い血が流れ出す。
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